更新日:2007年10月17日(水)16:55


日刊ニュース

[政治]
■閣議、次期総選挙日程を正式に決定
 中央選挙管理委員会のシティチャイ事務局長によれば、16日の閣議で、総選挙の投票日を今年12月23日と公示する勅令案が承認された。

 同勅令案はスラユット首相が来週中にプミポン国王陛下に奏上。その後、官報で発表された翌日に発効し、公示となる。

 同事務局長は、立候補届受付を11月初めとしているが、関係筋によれば、選挙区が11月7〜11日、比例代表が6〜12日にすでに内定しているとのことだ。

 同事務局長によれば、複数の政党がすでにテレビ・ラジオなどのメディアでスポット広告を放送しているが、選管はこれらを総選挙の公示までは選挙運動とは見なさず、規制しない方針という。

■閣議承認、国内治安維持で首相の権限拡大
 国内治安作戦司令部(ISOC)の権限に関する修正法案が16日の閣議で承認された。当初の案では、国の安全保障を維持するため、ISOCに令状無しの召喚・逮捕、家宅捜索、証拠物件押収の権限を付与するとされていたが、各方面から批判が相次ぎ、内容が修正されることになった。

 修正案では、ISOCは平時に限り治安維持を担当し、その権限の発動にも閣議の承認が必要とした。政府は、非常事態宣言布告などの緊急事態における他の治安機関との権限重複を避けるための修正と説明している。

 現行法では、陸軍司令官がISOC司令官を兼務すると規定されているが、修正案では、首相がISOC司令官、陸軍司令官がISOC副司令官を兼務する。

 同案は今月中に立法議会で審議、承認される見通し。また、ソンティ副首相(治安担当)は、「修正案は国民の意見を容れたもの」としているが、首相の権限強化によるタクシン支持勢力の復活阻止が真の狙いとの批判意見も出ている。

■消防専門学校設立プロジェクトを見直し
 33億バーツの予算が承認されたばかりの消防専門学校設立であるが、16日の閣議で問題点が指摘されプロジェクトを見直すことが決まった。

 スラユット首相が「現存の施設を引き続き使用すべき」との見方を示したほか、民主党はプロジェクトの透明性を疑問視している。同校設立は前タクシン政権で申請され、内務省の強い後押しを受け、今月3日に承認された。アリー内務相はその直後に辞任している。

■閣議、ジェット戦闘機の購入を承認
 スウェーデン製ジェット戦闘機「グリペンJAS39C/D」12機を344億バーツで購入する計画が16日の閣議で承認された。

 チャイヤ政府報道官によれば、これらの他用途戦術機は、現在使用されている米国製戦闘機「F-5E」が老朽化したため、これに代わって配備される。グリペンは、スウェーデンのサーブ社が中心になって開発した多目的戦闘機。南アフリカ共和国、ハンガリーがすでに配備し、チェコも導入を決めている。

 この戦闘機は、数年前にタクシン首相(当時)が代金を鶏肉などで支払うバーター貿易による調達案を明らかにしマスコミでとりあげられたが、クーデターのため実現しなかった。関係筋によれば、チャワリット空軍司令官は先月、マレーシアが配備中のロシア製「スホイSu-30MKM」に対抗できる戦闘機が必要とスラユット首相を説得、購入の同意を得たとのことだ。

[経済]
■カシコンとJBIC、中小企業260億円融資

 国際協力銀行(JBIC)は17日、タイの地場銀行大手、カシコン銀行に260億円を限度として事業開発金融(アンタイド・ローン)を実施することを明らかにした。

 両行の調印式は18日にバンコクのホテルで行われる。

 カシコン銀行はJBICから借り入れた資金を原資にして、日系の中小企業、あるいは日系企業と関係の深い地場中小企業が設備投資を行う際、その資金を長期融資する。

 今回のアンタイド・ローンは、JBICだけではなく、日本の民間銀行8 行(三井住友、三菱東京UFJ、みずほコーポレート銀行、京都銀行、北陸銀行、東日本銀行、住友信託銀行、野村信託銀行)も資金を拠出する協調融資。ただし、融資にともなうリスクは、JBICが一手に負担する。

■小売卸売事業法案が閣議を通過
 小売・卸売事業に関する新法制定を求める商業省案が16日の閣議を通過した。同案は、外資系大手の進出で、既存小売店の多くが売り上げを減らし、閉業に追い込まれている現状に対処することを目的としたもの。

 商業省が作成した原案を、法律専門機関の法令委員会が5か月をかけ精査、手直ししたものが閣議に提出された。商業省国内取引局のヤンヨン局長によれば、同省は、スラユット政権下での議会承認、新政権下での新法発効を予定しているという。新法では、売り場面積1000平方メートル以上で一定の売り上げを超える店舗が規制対象となる。

■マーブンクロンセンター、大規模改装計画を発表
 マーブンクロンショッピングセンター(MBK)が、地主であるチュラロンコン大学と新たに20年間のリース契約を結ぶことを決めたことで、2018年までに20億バーツをかけてホテル、モール、オフィスタワー、駐車場の改装を行うことになった。

 ただ、当初予定していた予算の12億バーツを大きく上回ることから、MBKは今後、利益率の高いホテル部門、不動産部門の開発を急ピッチで進める計画とのことだ。

■UNCTAD、「アジアへのFDIが4年ぶりの高水準」
 UNCTAD(国連貿易開発会議)によれば、06年のアジアへの海外直接投資(FDI)は2600億米ドルに上り、4年ぶりの高水準となったという。
 
 このうちタイ向けは100億米ドルに達し、中国、香港、シンガポール、インドに続く5位となった。

 なお、UNCTADのケー・ヒー・ウィー経済アドイザーは、「07−09年までは企業業績の好調により、FDIの増加が見通されている。しかし、世界的な金融不安定やエネルギー価格上昇がFDIの増加を妨げる可能性がある」と述べている。

[社会]
■人体に優しい「鍋」、ただし価格は3倍
 鍋のはんだづけで使われる鉛が汁そばスープに溶け出し人体に害を与えるとして、国立金属素材技術室が新技術による鉛を含まない鍋を紹介、屋台などに切り替えを呼びかけている。

 鉛を利用しない溶接法はタングステン不活性ガスを使用したもの。しかし、溶接に鉛を使った鍋が1500バーツなのに対し、こちらは5000バーツもすることから、コスト的にみて普及は難しそうだ。

■<金泥棒>逃走中、タクシーに財布置き忘れ御用
 バンコク都内ザ・モール・バンケー店内のゴールドショップで強盗を働いた男が逃走に使ったタクシーの中に財布を忘れ、間もなく警察に逮捕された。タクシー運転手はすぐに財布を警察に届け、客が料金を金のネックレスで払ったことなどを告げた。

 犯人の男は2万バーツの月給をもらっていたが、カード負債が20万バーツあるほか、家や車のローン返済にも困っていた。警察は5月にサムットプラカン県で起きたゴールドショップ強盗事件も男の犯行とみて厳しく追及している。

■チャオプラヤ川が増水、各地で洪水被害
 北部・東北部に降った大量の雨が流れ込み河川が増水しているため、チャオプラヤ川の下流域に位置する、シンブリ、アントンなど複数の県で洪水被害の起こる可能性が高まっている。

 チャオプラヤ川が海に流れ込むバンコクでも洪水が懸念されるため、都庁は16日、治水局など関係当局と対策を協議した。バンコクではすでに各所で大雨による冠水が報告されている。

 バンコクの北約142キロのシンブリ県では一部の地域で住民に避難を呼びかけ。その南に位置するアントン県では貯水池の放流によって複数の地域で洪水が発生する見通しという。

[三面記事]

クリストファー・ポール・ニール容疑者

■連続男児乱暴事件のカナダ人、タイに潜伏か
 パリのリヨンに本部を置く国際刑事警察機構(ICPO)は10月16日、カナダ国籍のクリストファー・ポール・ニール容疑者(32)の顔写真を公開した。

 同容疑者は2002年から04年にかけてベトナムおよびカンボジアで少なくとも12人の男の子に乱暴。その様子を撮影して、インターネット上に流していた。しかも、その写真にはデジタル処理した同容疑者の顔も写っていた。

 このため、専門家がこのデジタル処理を解除。指名手配写真として公開されることになった。

 クリストファー容疑者は現在、タイに潜伏しているとみられている。出入国管理事務所によれば、同容疑者は、10月11日にソウルからタイのスワンナプーム空港に到着。しかし、その時点では、まだICPOからの捜査協力要請はなく、そのまま、入国している。

 しかし、その後の捜査で、タイで児童買春をした疑いが強まったことから、タイ警察は現在、買春した子供の特定を急いでいる。そして、買春事実が確定した時点で、逮捕状を申請する方針だ。また、これと平行して、同容疑者の行方を追っている。 

 ICPOのロナルド所長は、同容疑者の好みは6歳以上で15歳前後の男の子として、保護者らに注意を呼びかけている。

 なお、同容疑者は03年から04年にかけてバンコクで、その後はソウルで英語教師をしていた。タイにはビザを取得せずに入国しているため、滞在できるのは30日間。このため、タイ警察ではすべての国際空港、および国境検問所に容疑者の情報を送り、身柄を拘束するよう指示している。