更新日:2007年1月22日(月)17;45


日刊ニュース

[政治]
■爆弾テロ容疑者逮捕で表面化した確執
 タイ警察と軍部が結成した合同捜査班は、20日、年末にバンコクとノンタブリ県で発生した連続爆弾テロの容疑者15人を逮捕した。うち8人は警察と軍の関係者だった。

合同捜査班は都内を中心に、ロッブリ県、スパンブリ県、サラブリ県の合わせて18カ所を踏み込み捜査した。爆弾が製造されたのはロッブリ県の地域ラジオ局と見られている。

 ただ、今回の逮捕では、タクシン派が多いとされる警察と、クーデターで政権を握った反タクシン派軍部との確執が表面化している。警察関係者はマスコミに対して、逮捕された容疑者の多くがクーデター前の8月にタクシン首相(当時)を狙ってその自宅近くに大量の爆弾を仕掛けた事件と関係があるとの見方を明らかにしている。爆弾事件は、タクシン政権にも、現暫定政権にも反対する、南部の分離独立派による仕業ということだ。

 一方、国家安全評議会(CNS)議長のソンティ陸軍司令官は、爆弾テロの犯人を「暫定政権に敵対する者」と公言し、今回の容疑者が親タクシン派の警察によるスケープゴートである可能性を示唆した。そしてコウィット警察長官にさらなる調査を求め、「捜査が失敗すれば警察長官は責任を取らなければならない」と警告した。

 ソンティ陸軍司令官は、外交で中国に向かった。その帰国後、警察長官に対してどのような対応に出るか。クーデター政権にとって、治安維持には警察の協力が不可欠なだけに、同司令官と警察長官との確執の行方に注目される。

■携帯業者が盗聴疑惑に強く反発
  シン・コーポレーション社傘下の携帯電話サービス会社、AIS(アドバンス・インフォ・サービス)のソムプラソン会長は19日、「通話を盗聴した事実もなく、盗聴用の装置もない」と強調した。仮に盗聴の証拠があれば、同社は進んで事業免許を返上するという。同会長は、「安全保障で外国側に荷担することはあり得ない」と明言している。

■タイ外相、シンガポールに事前警告
 ニット外相は19日、シンガポールでタクシン前首相が副首相と会談する前に同国のヨー外相に警告していたことを明らかにした。ニット外相はアセアン首脳会談の開かれたフィリピンのセブ島で「副首相との会談は受け入れがたく、シンガポールがこれを許した場合、我々は手をこまねいていることはできない」とヨー外相に伝えたという。

■ソンティ議長、警察長官に警告
 先の連続爆破テロの容疑者15人が20日に身柄拘束されたことについて、ソンティ国家治安評議会議長は21日、「犯人のでっち上げは許されない」と警察当局に警告した。無実の者が犯人とされた場合、コウィット警察長官が全責任を負う必要があると述べている。

[経済]
■外国人投資家の投資意欲改善受け株価上昇

 1月19日のSET(タイ証券取引所)は、外国人投資家の投資意欲が改善する中、金利に敏感な優良銘柄が買われ、平均株価は上昇した。取引関係者らは「国際原油価格の下落と金利引下げで、タイの経済見通しが改善。暫定政権の新たな経済政策を懸念していた外国人投資家が、タイ市場に戻ってきた」と説明した。

 SET指数は前日比3.28ポイント(0.5%)高の658.17。売買代金は前日の100億バーツを27億バーツ上回る127億バーツ。機関別売買では外国人投資家が10億バーツの買い越し。国内投資家が10億バーツの売り越し。機関投資家が400万バーツの売り越し。

 売買代金が最も多かったのは、PTTで8億バーツ。その後に、カシコン銀行、バンコク銀行と続いた。売買高トップはCSPスチール・センター(ワラント1付き)で1億株。その後に、ミダ・アセッツ(ワラント1付き)、ライブ・インコーポレーションと続いた。売買高が1億株を上回ったのは前記に、NCハウジング、トラフィック・コーナー・ホールディングスを含めた5社だった。

■工業地帯の大気汚染軽減に本腰
 公害管理局のスパット局長によれば、カセム天然資源・環境相やラヨン県民との会談後、空気汚染が問題となっているマプタプット工業団地の排気物質を調査する専門委員会の発足が決定したという。環境や有毒物質の専門家で構成されるこの委員会は、各工場を訪ね有害物質の排出量を調査し、軽減のための指導を行う。

■TAT新総裁、「観光客数より質を重視」
 旅行業界で36年のキャリアを持つ、タイ政府観光庁(TAT)のポーンシリ新総裁は「観光客数の増加よりも質の高い外国人観光客を獲得に注力する」との考えを示した。
 昨年、外国人観光客が1回のタイ旅行で使用した金額は1人当たり平均3万5238バーツであったというが、同総裁は「2010年までに4万1473バーツに引き上げる」と述べている。


[社会]
■国鉄南部路線が一部運行中止

 先週、南部プラチュアプキリカン県ホアヒン近くのノンケー駅で起きた列車追突事故の影響で車輌が不足していることから、タイ国営鉄道(SRT)は南部線の運行を一部中止すると発表した。25日まで運休となるのは、バンコク発スタラニ行き快速43号と復路の44号で、SRTでは前売り乗車券購入者を対象に料金の払い戻しを受け付けている。

■前首相、米国でロビイスト雇用か
 ニット外相は20日、タクシン前首相がアメリカの有力ロビイストを雇用しているとする報道について、「事実を確認した」と発表した。報道では、タクシン氏がブッシュ政権と密接な関係を持つといわれているロビイスト企業、Barbour Griffith and Rogers と2、3か月前に香港で接触したことになっている。ただ、20日に放送されたCNNのインタビューでは、同氏は政界への復帰を否定している。

■「期待はずれの閣僚」に農業相
 人民民主活動組織(CPD)が発表した、「暫定内閣で最も期待はずれだった5人の閣僚」のひとりに選ばれたティラ農相は、「根拠に欠けた批判」と反発している。農相は、「長年に渡る農家過借金問題を3か月で解決するのは不可能だ。しかし、前政権が400世帯しか救済できなかったが、私はすでに1600世帯を救った。ゴムの若木に絡む職員の汚職に関しては追及を続けているが、まずは汚職ゼロの省づくりを優先している」と述べた。

■ 鳥インフルエンザ再流行の可能性
 鳥インフルエンザの再発を受け、中部アユタヤ県16郡が感染危険地域に指定され、他県との家禽の行き来が禁止されることになった。感染が確認されたバンパハン、パクハイ、バンパインの3郡では、鶏の大量処分が行われたが、いまでもウイルスが潜伏している可能性があるとして、地元当局が注意を促している。

■鳥インフルエンザ「疑い例」は陰性
 21日の保健省の発表によれば、鳥インフルエンザ感染が疑われていた、アユタヤ県の男性は検査結果が陰性でH5N1型ウイルスに感染していないことが判明した。男性は飼っていた家禽約100羽が死んだ後、インフルエンザの症状を呈していた。今も入院中だが、容体は良好という。

■スワンナプーム空港滑走路に亀裂
 関係筋によれば、ティーラ運輸相は19日、タイ空港社の理事からスワンナプーム空港の問題点について報告を受け、直ちに調査するよう指示した。滑走路の一部で軽度の陥没が見つかり、誘導路の表面に亀裂が生じているというものだが、ソムチャイ空港長は「滑走路には問題はない」と主張している。

■新空港、滑走路と誘導路に亀裂と凹み
 立法議会スワンナプーム空港委員会のプラパン調査小委員会委員長は21日、同空港を視察した際、滑走路と誘導路に無数の亀裂が確認され、誘導路には各所に凹みが見つかったことを明らかにした。同空港では昨年9月28日の正式開港直後から亀裂が発生しており、適切な対策が講じられない場合、亀裂の増加、拡大が懸念されるという。

■反政府集会に1000人が参加
 21日、王宮前広場(サナムルアン)で「反クーデターネットワーク」が開いた集会に約1000人が集まり、軍政の撤退や、総選挙の即時実施などを強く訴えた。また、スラユット首相、ソンティ国家治安評議会(CNS)議長、プレム枢密院議長を「独裁者」と表現し政界から退くよう求めたほか、資産調査委員会についてはCNSのお手盛り人事と指摘し、前政権よりも悪質と批判した。