1146号(2004年12年27日)の経済ニュース


バンコク週報編集部が選ぶタイ経済10大ニュース
2輪車市場、昨年の年間販売台数を上回る
バンコク銀行、創業者記念セミナー開催
マルヤス工業、タイの生産体制を強化
リンテック駐在員事務所を販売会社に昇格
アルファ、タイ工場を大幅拡張
プレス工業、05年3月に統括会社を設立
JTB、高額・高品質のタイ・ミャンマー旅行
タイ・ヤマハ・モーター『スーパーブランド賞』
日野金属、低価格で安全な産廃処理・リサイクル
エネルギー基金、ディーゼル価格維持に追加予算
米輸出管理を見直し
地下鉄、サービス強化に向け増資
工業省、IEAT民営化を計画
中央銀行、短期金利2%に引上げ
BAAC、100億バーツ増資へ
アディダス、低所得者向け販売強化
消費者保護委員会、格安航空会社の処罰検討
アジア開発銀行、地方自治体に財政指導を計画
財務省、地域相談役の配置を計画
高齢者対策、預金利子への非課税措置
TAT、来年は観光客1340万人
セントラル・ホテル部門年間売上予測20%増
イベント企画大手、年間売上30%増と発表
TOAペイント、来年の売上高25%増を目標
財務相、工場出荷から出船を1日に短縮
タイ・カーボンブラック、来年の収益10%増を目指す


■バンコク週報編集部が選ぶタイ経済10大ニュース
昨年に引き続き好調な1年

 04年のタイ経済を振り返ると、年初から様々な不安定要因を孕みながらも、全体としては経済が拡大した1年だった。

 前年末に発生した鳥インフルエンザは、保健省が1月に家禽類から人へ感染していたことを正式に認めた。その後、6月に鳥インフルエンザ〃終息宣言〃が出されたものの、7月に再発。鶏肉(非加熱加工品)輸出は再開のメドが立たず、タイ経済が蒙った経済的損失は約370億バーツと見込まれる。鳥インフルエンザによって、外国人観光客の足が遠のくなど観光業もダメージを受けた。

 年初から年央にかけて表面化したのが、原油価格及び素材・原料価格の高騰による影響。

 原油価格は、いまだ先行きの不透明なイラク情勢を中心とする中東地域の政情不安から高騰。10月には1バレル54米ドルまで上昇した。これに伴い、タイ国内の電力料金や物流コストが上昇し、一部は製品にも転嫁された。

 また、中国経済の急速な成長により、鉄鋼をはじめとする基礎素材や原料の世界的な不足。これを受け、素材・原料価格は高騰した。特に鉄鋼価格は顕著で、自動車ボディなどの素材となる熱延鋼板価格は半年でトンあたり100米ドルほど上昇し、企業に大きな負担をかけた。

 これを受け、政府は国内冷延材メーカーの救済策として、前年5月から実施していた冷延鋼板向け輸入熱延鋼板へのダンピング対抗税を一時停止。しかし、国内熱延材メーカーからの訴えもあり、9月20日には再びダンピング対抗税を復活させた。この問題は、自動車産業を中心に広く影響を与えるため、今後の動向が注目されている。

 04年は建設ラッシュの年でもあった。バンコク都内では、かつてのバブル期の2倍の価格を設定した高級コンドミニアムが相次いで建設され、早くも過剰供給が懸念されている。過去に例があるように、行き場を失った〃ホットマネー〃が投機として不動産・金融セクターに流入すれば、金融安定化に悪影響を及ぼし、97年の通貨・経済危機時のような金融不安を招くことも否定できない。 

 しかし、04年は1年を振り返ってみれば、タイ経済は昨年に引き続き好調だったといえる。国家社会経済開発委員会(NESDB)は12月7日の発表で、04年の経済成長率は前年の6.9%を0.7%下回るものの、「年間6.2%のプラス成長」と予測。景気の先行き指標の1つでもある「タイ証券取引所(SET)指数」も、第1四半期に710台をつけた後、失速し、一時は640台前半で推移したが、11月以降、再び上昇基調にある。新規に株式を公開した企業数(12月24日時点)も、前年の31社を上回る32社となった。

 04年のタイ経済を牽引した要素はいくつか挙げられる。

 まず、政策では、懸案だった金融機関の不良債権処理問題で〃大ナタ〃が振るわれたこと。財務省は1月にタイ資本の銀行13行を今後1〜2年間で3〜4行に統合するというマスタープランを提示。健全な経済成長に向け、金融安定化にひとつのメドをつけた。

 民間ベースでは、特に自動車関連産業を中心とした製造業が非常に好調だった。

 8月にはトヨタ自動車の国際戦略車(IMV)プロジェクトが本格的に立ち上がった。同社のサムロン工場で生産された『ハイラックスVIGO』には予想を上回る予約が殺到し、04年の国内自動車販売台数を予測ベースで62万台と過去最高に押し上げる一因となった。

 また、いすゞ自動車やホンダ、日産などの日系各社、米系のGM、日米合弁のオートアライアンスなど自動車各社がタイでの大幅な生産拡大に乗り出したことや、新モデルを相次いで投入し消費を刺激したことも、タイ経済に活況を与えた。

 自動車メーカーの増産に伴い、部品を供給するサプライヤーには、タイでの生産能力を拡充する会社や、新たに生産拠点を設立する動きが数多くみられた。さらに、その動きは工業団地の新規造成や倉庫・運輸業の新拠点開設につながった。

 その意味から、04年のタイ経済は「自動車を中心に動いた1年」と言っても過言ではない。

 なお今年の国内自動車販売台数は、11月までの累計で、前年同期比18.0%増の55万2774台。年間では過去最高だった96年の58万9126台を抜くとみられている。輸出台数や生産台数は11月末時点で史上最大となった。

 05年以降も、タイ経済は自動車産業を中心に拡大が続くことが確実視されている。しかし、その一方で、高水準の原油や素材・材料価格、供給過剰な不動産など、経済に悪影響を与える不安定要因は04年にすでに散見されており、〃安泰〃という訳ではない。

 05年以降の経済成長を占う上では、各国との自由貿易協定(FTA)も外せない。日タイ経済連携協定(EPA)については、04年中に懸案事項であった「コメ」を交渉品目から除外することで合意しており、今後の進展が予測される。特に日本との経済連携はタイ経済にとって米国のそれと並ぶ最重要課題であるため、締結となれば、今後の経済成長の〃カンフル剤〃となりそうだ。(松房 達也記者)


■2輪車市場、昨年の年間販売台数を上回る
1〜11月で185万台突破

 APホンダの集計によると、今年11月の2輪車販売台数(メーカー出荷台数)は、前年同月比30.6%増の20万249台となった。メーカー別首位のホンダが27.9%の13万5092台と好調だったことが好因。2位ヤマハも57.1%増の3万1297台と大幅に伸びた。

 その他のメーカーでは、スズキが12.9%増の2万4442台、タイガー(タイ資本)が107.1%増の5650台、カワサキが10.6%増の2683台、JRD(マレーシア資本)が15.2%減の860台。

 車種別ランキングでは、ホンダの姉妹車『ウェーブ100』『同125』が11月も圧倒的な上位。この2台で全販売台数の過半数以上を占める。3位にはヤマハ『ミオ』が10月の4位から返り咲いた。上位10車のメーカー内訳はホンダ5、ヤマハ3、スズキ2。

 この結果、今年1〜11月の2輪車市場は、前年同期比15.6%増の185万282台となり、過去最高だった昨年の年間販売台数175万5297台を早くも上回った。


■バンコク銀行、創業者記念セミナー開催
ロシアはタイ投資家にも魅力

 バンコク銀行が毎年開催している創業者チン・ソーポンパニット氏の記念セミナーで、第6回目となる今年、ロールスロイス東南アジアのバーナード・デュック副社長が、ロシアの投資環境について講演した。

 同氏は、「外国人投資家を保護する法規制が十分でなく、深刻な国内格差が投資リスクを増大させている」としながらも、力強い経済成長、豊富な天然資源、富裕層の出現は、投資家にとっては無視できない存在だと述べて、タイの投資家に今後、ロシアの動向を見守るよう呼びかけた。

 同氏によると、外国人投資家にとって、もっとも有望なのは鉄鋼、金属、石油業界。しかし、社会主義国家としての特殊な歴史があり、経済自由化からわずか15年しか経っていないため、外国人投資家を保護するための法整備は始まったばかりだ、と注意を促した。さらに、欧米の大手企業がすでに同国の通信業界などへも参入している例を挙げた上で、実際の投資には詳細な調査と、信頼できる現地パートナーが不可欠だと述べた。

 ロシアの実質GDP成長率は1998年から2004年までに39.4%。今年1月から9月末までのGDP成長率は、前年同期比で7%増だった。また今年第1四半期の輸出は、前年同期比12%増、うち60%は原油だった。03年の国家財政は対GDP比で1.7%の黒字。04年は3.5%の黒字と予測されている。しかし、GDPの72%はサンクトペテルブルグとモスクワの2大都市に集約されており、国内格差の拡大も問題となっている。(八木悠佑記者)


■マルヤス工業、タイの生産体制を強化
10億円投じ新工場建設へ

 自動車部品メーカーのマルヤス工業(愛知県名古屋)は10億円を投じ、1997年に設立したマルヤス工業タイランド(東部ラヨン県、イースタンシーボード工業団地)の新工場棟を建設する。

 主要供給先であるトヨタ自動車の国際戦略車(IMV)の生産が、タイほかインドネシア、アルゼンチンで始まったことに対応し、タイ国内向けの生産拡大と同時に海外輸出拠点としても活用するため、体制強化を図る。現状、タイからの輸出比率は、生産量全体の約1割。

 新工場は敷地面積4万平方メートル。来年2月頃に着工し、同年8月の稼動を予定する。配管部品やエンジン用パイプ部品、プレス部品などを年間50万台分生産するだけでなく、今後の需要拡大が見込まれるディーゼルエンジン用燃料クーラーの生産も検討中。

 「将来的には同じイースタンシーボード工業団地に工場を持つ米ゼネラル・モーターズやフォードとの取引開始も目指す。タイでの売上目標は04年が約10億円だが、06年はその3倍の30億円」(マルヤス工業タイランド小田副社長)

 なお、マルヤス工業タイランドは現在、3棟の工場で配管部品などを生産するが、賃貸形式の第2、第3工場は新工場稼動後に返却する。(松房達也記者)


■リンテック駐在員事務所を販売会社に昇格
粘着製品の需要拡大を見越す

 粘・接着製品の大手メーカー・リンテックは2005年1月、タイの駐在員事務所を販売子会社に昇格させる。販売会社はリンテックのシンガポール法人リンテック・シンガポールほか、現地金融機関などが出資する。現時点で資本金など詳細は未公表。

 同社は、自動車各部位の表示、装飾(ストライプ、厚手エンブレムなど)、保護(プロテクトフィルム)を目的にした粘着製品や、シール・ラベル用の粘着紙・粘着フィルム、半導体製造関連テープなど多岐にわたる製品を製造・販売している。

 すでに東南アジア地域には、シンガポールやフィリピン、マレーシアなど7カ所に製造・販売拠点を持つが、「タイは自動車や半導体の工場が多数立地しており、将来的に大きな需要が見込める」(本社・広報)として、今回、販売会社の設立を決めた。

 同社では、今年度の東南アジア地域での売上高を100億円と見込んでおり、これを07年度には170億円まで引き上げる方針。


■アルファ、タイ工場を大幅拡張
塗装・メッキ処理の多様化に対応

 自動車向けロック・システム、ドアハンドルなどを手掛けるアルファ(本社・神奈川県横浜)は、タイの連結子会社アルファ・インダストリー・タイランドの工場(東部プラチンブリ県、304工業団地)を拡張する。同工場は、タイに進出している日系自動車メーカーにドアハンドルやキーセットなどを供給している。

今回の拡張では、敷地を現在の2万平方メートルから3倍の6万平方メートルに広げ、工場の延べ床面積も現在の5400平方メートルから1万350平方メートルに拡大する。土地はすでに取得済みで、年内にも工場の拡張に入り、05年7月の稼働を目指す。投資金額は5億円弱。

アルファ・インダストリー・タイランドの畠山和美社長によると、今回の工場拡張はドアハンドル部品の生産体制強化が目的。同社はドアハンドル部品をタイの日系自動車メーカー各社に販売しているが、求められる塗装・メッキ処理などが多様化しているため、それに応える一貫生産体制を確立する。

畠山社長は、「05年の売上高は04年見通しの30%増が目標だが、工場拡張がフル寄与する07年には04年見通しの倍増を目指す」としている。


■プレス工業、05年3月に統括会社を設立
製・販一貫体制を整備へ

 自動車のフレームやアクセル、サスペンションを製造するプレス工業(本社・神奈川県川崎)は12月21日、大手部品会社のタイサミットオートパーツインダストリーと合弁出資で、タイに販売会社『PKタイランド』を設立すると発表した。資本金は2000万バーツで、プレス工業が65%、タイサミット側が35%出資する。2005年3月バンコク都内に設立予定。

 プレス工業は1989年に、タイサミット・グループと共同出資で部品・金型会社3社(タイサミットPKK、タイサミットPKKバンナー、タイサミットPKKエンジニアリング)を設立しているが、新会社設立後は新会社が統括会社として営業活動を展開し、既存の合弁3社が製造を分担する。タイ国内の一次部品メーカーとして「開発設計から製造・品質保証までの一貫体制」を整備し、事業拡大を図る方針。

 なお、既存2社の出資比率は、新会社設立を機にタイサミット側から1%を譲り受け、49%から50%に引き上げる。


■JTB、高額・高品質のタイ・ミャンマー旅行
サンモトヤマと共同で、8泊9日で75万円

 旅行代理店最大手のJTBがタイ及びミャンマーの高額パッケージツアー『選りすぐりのタイ・ミャンマー紀行』を発売した。昨年9月にオープンした同社の〃高品質旅行〃専門店、ロイヤルロード銀座店と銀座の一流ブティック・サンモトヤマ銀座本店が初めて共同で企画し、来年2月3日からタイ及びミャンマーを8泊9日の日程で周る。値段は1人75万円。

 「ツアーにはサンモトヤマのショッピングコンシェルジュ(商品説明や買い物のアドバイスをする専門スタッフ)も同行しますから、タイやミャンマーの文化に触れるだけでなく、現地の名店で新たな発見にあふれるショッピングも楽しめます」と、JTB・本社広報は説明する。

 ツアーでは、タイの装飾品ブランド『ロータス・アール・ド・ヴィーヴル』のオーナー邸やミャンマーのダマヤンジー寺院でのディナー・パーティーも用意される。全てにおいて「最高のサービスを提供します」(JTB・本社広報)と、まさに〃贅沢な〃旅行だ。

 「従来、タイを含め東南アジアのパッケージツアーは、比較的、低価格なツアーに人気が集まりました。しかし、最近はニーズも多様化しており、シニア層を中心に〃高品質な東南アジア旅行〃を求める方も増えてきました」(同)

 ただし、ロイヤルロード銀座本店がこれまで企画した〃高品質旅行〃の行き先は、世界一周旅行をのぞけば欧州方面が多い。ツアー利用客の人気も欧州が一番だ。そのため、今回は、「高額ですが高品質なパッケージツアーが、ビーチリゾートでないアジア方面でも可能なのか、ある意味、試金石です」(同)という。

 今のところ、今回の高額ツアーの申し込み者数は、最少催行人数の10人に届いていない。だが、JTBでは「今回のツアーを成功させて、今後シリーズ化していきたい」と意欲をみせる。


■タイ・ヤマハ・モーター『スーパーブランド賞』を受賞
スクーター市場開拓で支持を得る

 タイ・ヤマハ・モーターは、顧客満足度の高い2輪車を製造・販売したとして、英国スーパーブランド社の選出する『スーパーブランド賞2004』を自動車部門及びタイランド部門で受賞した。

 同社は02年から、タイの日系メーカーで唯一、スクーターの販売を開始。従来、実用タイプが中心だったタイの2輪車市場に、スクーターの新しい需要を喚起。昨年11月に発売した同社のスクーター『ミオ』は、バンコク都心部の若者層を中心に大人気を集めた。ミオは1〜11月の販売台数で、タイで販売される全車種中3位にランクされている。


■低価格で安全な産廃処理・リサイクル
日野金属タイランド

 産業廃棄物の中間処理業者として、パソコンやOA機器などを、製造と逆の手順で手作業により分解・分別することで、〃リサイクル率100%・ゴミゼロ〃を限りなく実現したのが日野金属産業だ。同社のタイ現地法人・日野金属タイランドでは、日本とタイのリサイクル関連業者のネットワークを利用して、日本と同等の安全な処理をタイでも低価格で提供している。その詳細を取材した。(北海道大学大学院経済学研究科 佐々木 創)

◆徹底した手作業分解
「主な顧客は日系の中小メーカーです」と、日野金属タイランドの小河原営業部長は話す。その理由は、1.中小メーカーは産廃対策まで手が回りにく。2.中小メーカーの納入先には品質要求の厳しい日系の大手メーカーが多いため、歩留まりが悪く廃棄物量が多い――からだ。

 これに着目し、日本での「手作業分解」の経験を活かし、「タイの産廃問題解決に一石を投じたい」というのが同社の設立理由だ。

 同社の取り扱い品目は、IC基板・OA機器などの電気・電子機器とその部品が中心。これらを手作業で分解し、「貴金属」「金属」「プラスチック」の素材としてリサイクルする。

「貴金属」は分別・破砕し、日本の精錬会社(三井金属)に提供。「金属」は分別後、高品質素材はタイ国内で売却、低品質素材は日本の精錬会社が回収する。「プラスチック」は素材ごとに分別して、タイ国内で売却している。これらにより廃棄物をほぼ100%リサイクルできる。

◆安心・安全を安価で提供
 日野金属タイランドは、タイではまだ珍しい本格的な産業廃棄物の中間処理業者といえる。

 同社では独自に築き上げた日本とタイのリサイクル関連業者のネットワークを活かすことで、分解・分別した後の資源化率を高めている。

 例えば、再利用できる資源は関連会社イーストウィングが販売するが、タイでリサイクルできるものは信頼できる地元業者に売却、リサイクルできるインフラがタイになければ日本で処理――といった具合だ。

 手作業分解と業者ネットワークを活かすことで、有価で引き取る品目の数量を増やし、顧客の処理価格の低減につなげ、「低価格(安価)」でサービスを提供している。

また、タイで処理できないものは、日本に送り返し「安全」を確保。これら一連のリサイクルの流れはマニュフェスト(廃棄物管理伝票)を発行するため、顧客は「確認」=「安心」することができる。

◆産廃の駆け込み寺へ
 顧客が処理に困っている産廃は、日野金属タイランドが引き取る電気・電子機器とその部品だけではない。例えば、電気・電子機器の製造工程で発生する廃液などの処理も、メーカーにとっては悩みの種。

そこで同社では、廃液処理の専門業者リファイン・テックと提携し、顧客に廃液のリサイクルを勧めるなど、コンサルタント業務も行なっている。

 また、有害廃棄物のマニュフェストや、産廃をフリー・トレード・ゾーンの工場から排出する際の輸出証明など煩雑な手続きも代行する。

 「日本での経験を活かし、当社が中小メーカーの産廃の〃駆け込み寺〃となれれば」――同社の羽東代表はこう話す。

 さらに、羽東代表は「タイで回収する量を増やすことで、今は日本へ送り返している資源もリサイクルできるようなインフラをタイに呼び寄せたい」と、将来計画を明かす。

 これが実現すれば、同社の処理・リサイクルの仕組みはタイ国内で完結することになり、総合的なリサイクル拠点として飛躍の可能性は大いに高まる。


■エネルギー基金、ディーゼル価格維持に追加予算

 政府は、250億バーツの追加予算を軽油価格維持のための補助金向けに確保する。原油価格高騰の影響で来年まで軽油が適正な価格に戻らないと予測されているためだ。

 21日の閣議は、エネルギー省のエネルギー基金管理会が国内の民間金融機関から資金を借り入れることを許可した。今年1月に政府がガソリン・軽油価格維持のための助成を決定したとき、金融機関が是認した融資限度額は52億バーツだった。

 政府は今年10月にガソリンへの補助金を解いたが、軽油は05年第1四半期まで継続される見通しだ。プロンミン・エネルギー相によると、1月末までに75億3000万バーツ、05年第1四半期終了までに238億8000万バーツが必要とみられる。現在、軽油価格は、1リットルあたり14.59バーツに維持されている。


■米輸出管理を見直し

 タイでは米の輸出管理を経済団体の貿易委員会(タイ商工会議所)が行っているが、これに関して政府との摩擦が出てきた。

 ワタナ商務相は、貿易委員会による米の輸出量と品質についての検査を撤廃することの妥当性を米輸出業者と話し合うとしている。政府と業者のデータが食違い、混乱を招いているためだ。これは、米輸出業大手のプレジデント・アグリ・トレーディングの米輸出データの食い違いが明らかになったため。

 貿易委員会のデータによると、同社は10月に28万3150トンの米を輸出したが、これは関税の記録による7万8282トンを遥かに上回っていた。同相は、関税によるデータを使うよう求めていく方針だが、輸出業者は手続きによる出荷の遅れを懸念している。


■地下鉄、サービス強化に向け増資

 地下鉄を経営するバンコク地下鉄公社(BMCL)は、地下鉄情報サービスの充実、車両補強のために、05年前半に増資すると株主に発表。これに対して、同社株式5%を保有するシンテック建設は、追加資金を数週間以内に株主に割り当てる方針を明らかにした。

 シンテック建設は、不動産開発会社ナチュラル・パークの主要子会社。ナチュラル・パークはBMCLの株式25%を所有する筆頭株主で、BMCLが8月に増資した際にも、持ち株率を維持するため148万バーツを出資した。


■工業省、IEAT民営化を計画

 工業省は将来の事業拡大を見込み、タイ工業団地公社(IEAT)を民営化する。来年第2四半期には同社所有の工業団地の一部をタイ証券取引所(SET)に上場する計画。需要拡大に対応するための土地取得費用として、上場によって少なくとも100億バーツの収入を見込んでいる。

 特に同公社の収入の最大部分を占めるラヨーンのマプタプット工業団地をその第1候補としている。同工業団地1万2000ライの土地には石油精製業、化学工業、鉄鋼業、発電関連施設等が集積している。


■中央銀行、短期金利2%に引上げ

 タイ中央銀行(BOT)は12月15日、短期金利を0.25%引上げて2%とした。中銀の金利政策委員会(MPC)は、「経済の持続的発展を維持するために、金利は適正なレベルに保たれるべきだ」「最近の低金利は、インフレを加速し、安定成長を阻害する懸念があった」とのコメントを発表した。

 今回の利上げは、米国連邦準備制度理事会(FRB)が、今年5度目になる金利引上げ(2%から2.5%へ)を行ったことを受けたもの。FRBは、05年もインフレ防止のために金利引き上げを継続する方針。中銀は、来年は原油価格とバーツ相場の安定で、インフレ圧力は弱まると見ている。


■BAAC、100億バーツ増資へ

 21日の閣議は、農業・農協銀行(BAAC)が300億バーツから400億バーツへ増資する計画を承認した。増資は、同行の地域開発における役割を強化するためのもの。計画によると、同行が保持する75億バーツ相当の米国債を財務省に移譲して新株式を発行するほか、残り25億バーツは農家・農協向けの新株発行で確保する。


■アディダス、低所得者向け販売強化

 アディダス・タイランドは、サッカー関連製品の販売対象を、低所得者層へ拡大する。これまで同社はタイで、中・高所得者を対象として販売戦略を展開していたが、今後は、例えばサッカージャージ1枚200バーツから2000バーツと、価格に幅を持たせ、地方を中心とした低所得者層への販売拡大を狙う。


■消費者保護委員会、格安航空会社の処罰検討

 消費者保護委員会(CPB)は、タイ国内の格安航空会社に対して、料金表示に際して「誤解・混乱を招く広告」を行ったとして、罰金を科す見込みとなった。ノックエア(スカイアジア)、タイ・エアアジア、ワンツーゴー(オリエントタイ航空)の3航空会社は、それぞれ10万バーツの罰金を1月に科されることになる。

 同委員会は、消費者からのクレームとして、割引料金の適応期間を明確に表記しなかったこと、表示料金外に加算される空港使用税・保険料について説明を怠ったことを挙げている。


■アジア開発銀行、地方自治体に財政指導を計画

 アジア開発銀行(ADB)は、地方自治体が債券発行によって基金設立する際の技術指導を3年間に渡って実施する。開始時期は来年4月から5月で、指導内容は会計・財政管理技術が中心となる。プログラム費用70万米ドル(2740万バーツ)は政府が拠出する。


■財務省、地域相談役の配置を計画

 財務省は、政府が進める地方分権政策の一環として、省内の高度な専門家を各地方に配置し、地方指導者の相談役とする方針。ソムキッド財務相が明らかにした。計画は、まず東部で実施される。同相は、東部の広大な果実園が地域収入のわずか5%であること、観光業収入が国全体で7000億から8000億バーツであるにも関わらず、同地域のそれが500億バーツに過ぎないこと、などを改善点として上げた。


■高齢者対策、預金利子への非課税措置
歳入減は10億バーツ以下

 ソムキッド財務相によれは、退職した高齢者の定期預金利息に対する税金を年間3万バーツまで非課税とする措置を、12月21日の閣議で検討する。同相は16日、この措置について「預金利子に収入を頼っている老人を保護するためのもの」と語った。現在、定期預金利子への課税は15%。


■TAT、来年は観光客1340万人

 タイ政府観光庁(TAT)は、来年の見通しを発表。南部治安問題や鳥インフルエンザ再発の懸念がある中で、観光業界は来年も引き続き成長するとの見方を示した。05年1年間の外国人渡航者数を1340万人、業界収入は今年より700億バーツ増の4500億バーツと予測している。


■セントラル・ホテル部門年間売上予測20%増

 セントラル・グループのホテル・レストラン経営会社セントラル・プラザ・ホテルは、04年の年間売上高を、昨年の45億バーツから少なくとも20%増加するとの見通しを発表した。鳥インフルエンザの再発、南部治安問題、原油価格高騰といったマイナス要素が重なったにも関わらず、同社は今年9月までの売上高で、前年比30%増の40億バーツに達している。


■イベント企画大手、年間売上30%増と発表

 中小企業向け株式市場(MAI)上場のシンガポール系イベント企画会社ピコは、04年12月末までの年間売上高が前年比30%増の6億4200万バーツになるとの予測を発表した。同社のピス・チュンヤピン最高経営責任者によると、10月末締めの年間純利益は、前年比37%増の4116万バーツだった。


■TOAペイント、来年の売上高25%増を目標

 タイ最大手の塗料メーカーTOAペイントは、不動産市場の活況から今年の売上高を前年比30%増の約70億バーツと見通しているものの、来年は不動産業の若干の減速が予想されることから、売上高前年比25%増と見通している。同社のプラウィットCEOによれば今年が塗料需要のピークと見ており、来年の市場規模は今年より7〜10%縮小するものと見ている。


■財務相、工場出荷から出船を1日に短縮

 ソムキッド財務相は運輸、工業、財務の3省が協力することで工場出荷から出船までの日数を、これまでの4日間から1日に短縮可能と述べた。これによりタイの物流ネットワークは向上し、オンタイムのデリバリーが可能となることでタイの輸出競争力はアップするとしている。同計画は、当初自動車と自動車部品を中心に、来年半ばから開始される。 


■タイ・カーボンブラック、来年の収益10%増を目指す

 タイ・カーボンブラック(TCB)は来年第3四半期までに生産能力拡充計画を完了し、通年収益で前年比10%増を目指す。タイ国内自動車部門の需要増から来年の生産能力を年産4万5000〜5万トン引き上げる。同社は世界のトップタイヤメーカーと国内ローカルメーカーにファーネスグレードカーボンブラックを供給しており、今年の生産量は16万1000トン。売上げで前年比8%増の35億バーツを見込んでいる。