2003年
1093号(12月22日〜28日)

憎悪か、溺愛か?「セントアンドリュース 2000」 『国内難易度ナンバーワン』の称号は如何に!?

文・写真/君島太郎

 ゴルフ仲間でシングル・ハンディキャップのプレーヤーが、「昨日のラウンドで、数年振りに90も叩いた。必ずリベンジに行くぞ」とこぼした。普通に聞けば、「なんて嫌味な奴」と感じるだろうが、確かにこの人は常に70台でまわり、多少調子が悪くとも愚痴もこぼさぬ紳士的なプレーヤーである。その人が「難しい」とこぼすコース。いったいどんなところだろうか、漠然とした興味を持ち始めた。

■プロのようにやってみたかった「あのショット」
 バンコクからパタヤ方面に車で約2時間、「グリーンバレー・ラヨーン」と隣接する「セントアンドリュース2000」に到着する。実際は隣接というより、同じクラブハウスを共用し、ハウスから山に向かって行くとセントアンドリュースの1番ティーオフグラウンド、逆方向にグリーンバレーのティーオフグラウンドがある設計だ。全く違うコンセプトのコース(18ホール)が2つ存在する、「36ホールの贅沢なコース」という感じである。

 早速ゴルフカートに乗って、セントアンドリュースの1番ホールへと向かう。いつもはバックティー使用でラウンドするのだが、「まあ、今日は取材だし」ということで、レギュラーティーを選んだ。しかし、ティーオフグラウンドに着いた時から、バックティー使用などという気はとっくに失せていた。タイでのゴルフ歴10年、国内の様々なコースを徘徊し、マウンテンコースもシーサイドコースも踏破した私なのに、そこは初めて見る足のすくみそうなレイアウトである。

 まずは、打ち下ろしの1番パー4、338ヤード。難易度「9」だそうでスターティングホールとしてはまずまず合格点と言いたいところだが、ティーショットの打ち所がかなり絞られて難しいように見える。

 打ち下ろしなら3番ホールも、超がつくほどすごい。パー3、177ヤードで、グリーンは、「どうやったって乗る訳ない」と思わせる。例えば、10メートルの飛び込み台から下のプールを見ると水面が点のように見え、「本当にちゃんとプール内に飛び込めるか?」と、心配になるあの感覚だ。

 話は2番ホールへ戻るが、1番ホールをパーで切り抜けて手のひらを返したように急に自信満々のプレーヤーに変身した単純な私は、胸を張って2番ホールへ。2番ホールは、一転して打ち上げのパー4、270ヤード。左は全英オープンなどのテレビでしか見たことのない、深い深いラフ。「これか〜、はじめて見た」と、一瞬の感動。「実は一度、ああいうラフからのショットをやってみたかったんですよ、プロみたいに」と、半分冗談、半分本気で言っていた私。そのためだろうか、呼び寄せられるようにティーショットはラフの中に消えていった。ラフに近づいてみると、「あんなこと言うんじゃなかった、せめてボールが見つかりますように」と、謙虚な気持ちにさせてしまうほど深くて太くて粘っこそうで硬そうなラフ群。果たして、ボールは無事に見つかった。

 そこで、56度のサンドウェッジでフルショットしたが、ボールは約18センチ飛んだ、いや動いただけ。「これだ、このショットの感覚を味わってみたかったんだ!」と、負け惜しみでなく、素直に喜ぶ私。しかし、2度と同じ失敗はしないぞと心に決め、第3打目をフルショット。見事にボールは60ヤード先のグリーンエッジまで転がっていった。機会があれば、またこのショットをしてみたいと思う。

■いったい、どこに打つンダヨ!
 4番に向かう。景色はなだらかでコースに出て初めて安心できた。しかし、待ち受けていたのは、ティーショットでかなりのキャリーが必要とされる池越えのホール。ホール案内でレイアウトを調べると、なんとレギュラーティーから799ヤードのパー6、ブルーティーだと878ヤードって、書いてある・・・。

「あ〜、これが噂のパー6か。で、いったい、どこにどうやって打つの?」。キャディーさんは、「とにかく、この池をまずは越えてください。あっちに行かないことには始まりませんから」と、冷たいお返事。幸いに格好よく池を越えたものの、向こう側へ着いて絶句・・・。旗がある方向は推測できるがまったく見えない上に、その方向には大きな池が広がっていて、打てないのだ。キャリーで300ヤード打てれば何とかなるだろうがそれは非現実的な話。可能性がありそうなのは、ティーオフグラウンドに若干戻るようになるがちょうど池の狭い所を越えていくか、3打目で池越え狙いにして池に沿って真っ直ぐ220ヤードを打つか。このどちらかの選択になる。私は、池越えを後にとっておくようなことはせず、旗から遠くなっても今のうちに池越えをと考えてスプーンで池の狭い所を狙った。3、4、5打目と、遠き旗への道のり。私の満振りは功を奏さず、結果は10オン1パットの11。「いったい、だれが考えたんだよ、パー6なんて!」。と大叩きした瞬間は思ったが、終わってみればゴルフというよりクロスカントリーでもしていたような、それはそれで甘く切ない想い出となった。

 結局パー37の前半は、ちょうど50で終了した。

■オヘソかオヘソの下か。どちらを選ぶ?
 後半は、他にもパー6のホールがあるなど前半同様かなり特徴的なコースである。名物ホールは、独断と偏見で16番パー4、314ヤードだと言いたい。

 そこは、なんとも艶めかしいレイアウト。ティーオフグラウンドからグリーンに向かってホール全体を眺めると、まさに『女体』、しかも『仰向けの裸体』。でも、決して下品でなく、コースレイアウトの芸術とでも表現したい。ほどよい位置に、ほどよい大きさの胸、その下にはオヘソか或いは別の部分か、それは実物を見た方の判断ということで。それにしても、そのオヘソの位置がイヤラシイ、いや、憎らしい。一般的なプレーヤーがティーショットを放つと大体はみなそこに吸い込まれていくであろうと思われる、フェアウェイど真ん中。この素晴らしいポイントに、鎮座しているのだ。いったいこれまでに何人のプレーヤーの球を飲み込んできたのだろう。

 他にも盛りだくさんでいろいろあったが、感慨にふけて終えた後半ハーフは前半よりも3つ多いスコアで53、合計103だった。

 フロント9の「リベンジ」とバック9の「通い」で、コースは私に強い印象を焼き付けた。きっと私はリピーターになり、再びコースを訪れることだろう。


■セントアンドリュース2000
9/36 Moo7, Bangchang, Rayong
TEL:038-893-838〜42
http://www.standrews2000golf.com
Email:golfing@standrews2000golf.com

■バンコク予約事務所/マリオトラベル 
888/4 Tower B,G Fl,Grand Diamond Prathunam,Petchburi Rd.,Rajathevi BKK
TEL:0-2656-6447〜9,0-2656-6650〜1 Ext.108
FAX:0-2656-6450
Email:mariotravelbkk@hotmail.com

■St.Andrews&Rayong Green Valley Golf Package
1泊2日パッケージ内容(2004年3月31日まで)
●料金/1人5400バーツ(月〜金曜日、2名1室利用。土・日・祝日プラス600バーツ、1室1名利用プラス400バーツ)
●含まれるもの
1.ゴルフ場内コテージ1泊料金
2.朝食1回、クラブハウス内「赤門」レストランでの昼食または夕食1回
3.バンコク〜ラヨーン往復送迎料金
4.グリーンフィー
(セント・アンドリュース2000&ラヨーン・グリーンバレー各1ランド)
5.キャディーフィー(2ラウンド分)
6.ゴルフカート(2ラウンド分)
●問い合わせ・予約先/DISCOVERY ASIA KANKO CO.,LTD.
TEL:0-2656-6447〜49
FAX:0-2656-6377
E-mail:discoveryasia_bkk@hotmail.com