2003年
1048号(2月7日〜2月13日)

クアラルンプール & ランカウイ島、マレーシアで過ごす休暇
文・写真/吉川 靖人

 年末年始の休暇はプーケットやサムイでと考えたが、ホテル代は特別料金でガラディナーの強制参加など割が合わないと考え、タイから脱出することにした。パースかランカウイへと思ったが、人一倍泣く1歳5ヵ月の長男を連れてのパース行き夜行便は無理と判断、よって近場のランカウイ島に決定。31日にチェンマイ出発、バンコク経由で新年をクアラルンプールで迎え、2日から5日までランカウイ島に滞在した。

◆南国の真夏の花火、新年のイベントを満喫
 バンコクからクアラルンプールまで、空路で約2時間。空港から市内のホテルまで通常は約40分程度だが、さすがに大晦日は市内が混雑していて1時間強を要した。宿泊ホテルはリッツカールトン。マレーシアはホテルの料金が非常に安価で、年末年始にもかかわらず日本のビジネスホテル並みの料金である。そのコストパーフォーマンスはクアラルンプールがバンコクをしのいでいるのではないかと思う。まさにホテル天国である。

 さて、外は大晦日の雰囲気一色。ホテルの裏手でカウントダウンの祭典を行なっていた。クリスマスツリーに囲まれた大晦日に若干の違和感を覚えるが、なんともいえない不思議な、所謂わくわく感が自然と沸き起こる。新年の瞬間と共に打ち上げ花火が夜空を満開にする。遠くから見る打ち上げ花火でなく、真下から眺める花火は圧巻である。やはり花火は夏のもの、クアラルンプールはまさに夏真っ盛り。思いもかけなかった新年のイベントを十分楽しんだ。

 翌日は、朝食後にショッピング(と言っても主にウインドショッピング)を楽しんだ。市内はバンコクよりも美しい。元英国領であっただけにコロニアル調の建物が所々目につく。シンガポールの無機的な都市美と上海の喧騒が入り混じったような景観は、タイと大きく異なる。世界最高層のペトロナスツインタワーから市内全景を見ようと、こちらにも午前中に訪れた。正月のためかすぐに展望台まで行けずに整理券が配られ、午後4時の集合時刻まではセントラルプラザに行き、新交通システムLRTに乗りツインタワーに戻った。このビル内の伊勢丹デパートは、バンコクと比較にならないほどの品揃え。煎餅の実演販売までしている。日本の香りを十分楽しみ、展望階から市内を景観を楽しんだ。

◆島のホテルのコンセプトは大自然との融合
 1月2日からランカウイ島へ。クアラルンプールから空路1時間弱。アンダマン海に浮かぶランカウイ島はしばしばプーケットと比較されるが、それほどは観光地化されていない。しかしマハティール首相の地元であり、島全体がデューティーフリー。タイでは上映禁止となった映画『アンナと王様』のロケ地にもなった美しい島である。

 ホテルはダタイビーチのアンダマンホテル。本当はダタイホテル(同じ敷地内にある姉妹ホテル)に泊まりたかったが、メインプールは15歳以下使用禁止など大人向けのホテルであるためアンダマンにした。館内・客室はリージェントチェンマイに比しても遜色がないほどの豪華さである。タイ様式とは異なるマレー様式を取り入れた豪華な玄関が圧倒する。ホテルフリークではないが、今まで泊ったホテルのベスト3に入る。

 このホテルに限ったことではないが、この島のホテルは自然との調和を大切にしている。ジャングルを開発してホテルを建てるのではなく、ジャングルの中に静かにホテルを置くという感じである。ホテルの庭でメガネザルが木々の間を渡り歩き、彩り豊かな鳥が空を舞う。快適なホテルでありながら、子供時代のキャンプのような面白さを併せ持っている不思議な空間を演出している。今回は時間がないので参加しなかったが、ホテルのアクティビティプログラムでネイチャーツアーが催行されている。「クアラルンプール宿泊をなしにしてすべてランカウイ島にすればよかった」と、後悔した。どこのリゾートでもそうかもしれないが、最低でも1週間は同一場所に滞在しないと本当のよさが分らないことを痛感した。

◆マレー料理をはじめ、おいしくて多彩な料理
 前評判でもこのホテル内のレストランは味、雰囲気ともに素晴らしいと聞いていた。レストランは数ヵ所あり、確かにどこもおいしい。メインレストランのゲライ・レストランは英国風フレンチなのかもしれないが、久しぶりにおいしいフレンチを楽しんだ。もちろんマレー料理もおいしかった。また鴨川の料理もここが海外と思うほどのよさである。お酒の飲めない私にとって、おいしい料理と出会うことは旅行中の何よりの楽しみである。日本人の観光客が多いので、全ての料理が日本人向けになっているのかもしれない。
 
◆手つかずの自然と海、パヤ島で魚と戯れる
 翌日、現地旅行会社のオプショナルツアーでパヤ島に向かった。パヤ島はランカウイ島から南へ30キロのサンゴ礁に囲まれた国立公園である。スピードボートで約40分。そこはランカウイ島とはまた別世界の魚の楽園であった。ランカウイ島の中ではダタイビーチがもっとも美しいと言われているが、ここはその比ではない。まさに「青い海、白い砂浜」と自然と口から出てくる美しさである。この島は小さく観光客が多いのが難点ではあるがそれを差し引いても行くだけの価値があると思う。

 いつかスキューバーの資格をとろうと思うのだが、このような島に来ると逆にその思いは消える。シュノーケルで十分である。餌付けされた魚が、私たちを楽しませてくれる。この島の名物に鮫の餌付けがあった。

 後ろ髪を引かれる思いでパヤ島を後にした。あとはゆっくりとホテルライフを楽しむことにした。このような自然が満ち溢れた環境の中でゆっくりと時間が過ぎるのを楽しむと、実社会に戻るのが億劫になる。従来はバカンスの最終日が近づくと、次回は何処に行こうかと思案するのが常だったが今回は若干異なった。
 「次回ここへはいつ頃来ようか?」それぐらい気に入ったランカウイ島であった。


宿泊ホテル
The Andaman Datai Bay
Tel.604-959-1088
Fax.604-959-1168
http://www.theandaman.com/