2003年
1047号(1月31日〜2月6日)

メーホンソンの黄色い花<ブア・トーン>
文・写真/菅 久雄


「メーホンソンの黄色い花が見たい」と家内が言った。バンコクの仕事仲間K子さんも数年前に同じ事を言ったのを思い出し、連絡して一緒に行く事にした。このプア・トーンと呼ばれる花の盛りは11月頃の1ヵ月程しかない。K子さんも家内も仕事があるから土日に限られる。BOトラベルにお任せして、11月23、24日の週末、往復飛行機利用一泊のコースに決定した。

 

■メーホンソンでビルマ料理にトライ
 チェンマイからメーホンソンには車だと北回り・南回りのどちらも山道を約八時間、飛行機なら30分足らず。11月23日、K子さんは昼前にバンコク発でチェンマイ着、暫くぶりの再会を喜び合って空港2階のレストランで昼食後、約30分のフライトで4時半にメーホンソン着。町の北端にある空港は、西側に山があるのでおそらく東側から一方通行であろう短い滑走路を持ち、ターミナルも小さな2階建て、お客様用のバスもない。我々は出迎えの旅行社の女の子に案内されて南北に細長い街の南端にあるロック・ホリデーにチェックイン。

 その日の夕食はビルマやシャン族の料理を食べたくてジョン・カム湖畔の大きなレストランに行ってみた。言葉に不自由は全くないのだが、どうやらウエイトレスにはメニューの料理がエスニックであるかのどうかの認識がないようで会話は空回り。

 だが最初に出て来た葉野菜の天ぷらは初めての味、ナマズの唐揚げも身のタップリついた食用カエルのフライも、普段のタイ料理とは少し違うかな?と言う結果であった。メーホンソンはメインストリート一本だけの大きくない街だから、帰りはナイトマーケットを冷やかしながら30分程歩いてホテルに戻った。

■山一面の黄色い花、花の命は短くて…
 肝心の黄色い花の場所へは街から片道2時間かかる。翌朝は6時起床、前夜はあまり人がいないと思っていたが朝食の食堂には大勢の宿泊客がいた。7時に昨日とは別の女性ガイドが来て車に乗り込み、南回りでチェンマイ方向へ。ドライバーを含めて5人乗ったバンはローギヤでないと登れないほどだ。つづら折れの道を幾つか経て約2時間、やがて道の両側がお目当ての黄色い花(ブア・トーン)一色になった。視界が開けて山の中腹に出ると所々展望台があり、なんと山全体頂上まで黄色一色の素晴らしい眺めである。花は直径10センチ程で、ヒマワリの親戚と言われているが、むしろ大きな矢車草の感じである。

 K子さんによれば、ロップブリーのヒマワリ畑よりも規模が大きくてステキとの事であった。タイ人ファミリーの観光客がたくさんおり、道端の観光客向けマーケットが賑わっていた。

 さて、お目当ての花に大満足した後は、街に戻る手前からボートに乗り継ぎ片道約20分程の首長族の村へ。船着場から丘の上の学校に向かって坂道があり両側に竹を編んだ壁の家が20軒程、家の前には首に輪をはめた民族衣装の女が民芸品を並べて売っている。このスタイルの人は家の数くらいいるだけで、普通の服装の人のほうがずっと多い。

 ガイドブックによれば入場料が必要でカメラやビデオの撮影には更にお金を要求されるとあったがそれはなかった。もしかしたらツアー料金で払い済みなのかも知れない。また、子供がお金をせびったりお土産の押し売りをするなどもない。ガイドの話では、部落の人は一定のお金を貰っているので、民芸品の売上などには積極的ではないのだそうだ。それから、首が長くなるのではなくて、真鍮の輪の重みで肩が下がってしまうのだと説明された。
 

■小高い山の寺からメーホンソンを一望

 街に戻って遅い昼食。郊外にある青い魚の洞窟(タム・プラー)に行ったらどうかとガイドが言ったが、我々は街の裏山にあるお寺、ワット・プラ・タイ・ドン・コン・ヌに行くことにした。お寺からは街全体が一望に見渡せ、大きな本堂の他に仏塔も2つ在り、売店なども並ぶ大きな敷地である。建立されて150年、何度か火事で焼けたそうで、その為に本堂前に大きな貯水槽が掘ってある。仏塔の外周にはそれぞれの曜日を書いた祭壇があり、売店でタンブン(寄付)して生花の小鉢、御線香などを貰って自分の誕生した曜日の所に参拝する。売店にはチェンマイで有名なコムロイ(熱気球の行灯)を売っているが、ここのはピンク地に同色ストライプのモダンなデザインで25バーツだ。山の上でたっぷり遊んでから空港へ向かい、飛行機で午後5時半チェンマイ着、K子さんは乗り継いでバンコクへ帰った。

 今回の旅で驚いたのはメーホンソンの観光化である。数年前に訪れた時は食事の場所を探すのにも苦労したほどのスリーピー・ボーダー・タウン(眠れる国境の町)であったのに、今はヨーロッパ系が半数を占める多くの観光客が闊歩し、ホテル、レストラン、買い物などの施設やサービスが十二分に揃う。それなのに押し売りやボッタクリがまったくなくて、むしろ控え目すぎるくらいな人々の優しい対応であった。

<チェンマイからの旅行の問い合わせ先>
BOトラベル
TEL:053-206-874
FAX:053-206-423
E-mail:botravel@loxinfo.co.th