2003年
1044号(1月10日〜16日)

年金生活者一人旅C
「日本のリタイヤ組さん、どうぞ」タイ女性が独力でコテージ建設中!
文・写真/三村 昌広

 タイ中部のラチャブリ県、その中心街からさらにミャンマー側に約30キロ離れた高原一帯のスワンプン村。この地に独身のタイ女性が日本人のリタイヤ組を対象としたコテージを建設中という話を聞き、視察にいざ出発!

■すべて手作りのこだわりコテージ
 2002年9月初旬、一路スワンプン村を目指す。バンコクから約180キロの行程。ここにJ・ローンさん(42歳)という女傑が、自分の土地16ライ(1ライ=1600平方メートル)にコテージを建設して2年目に入る。コテージは1棟あたり2寝室・1サービスルーム・浴室2カ所を持ち、すでに1棟が完成し、2001年末より2棟目の建設にかかっていた。しかし、完成までの工期は、呆れるほど長い。なぜなら家全体からフェンス、門扉、テーブル家具類に至るまで全て自然木を使い、まるで寄せ木細工のような建設方式をとっているためだ。したがって、壁面にしても天井にしても一つとして同寸法の木材を使っていない。寸法も形状もマチマチ。これを限られた規格にうめ込んでいくという、気の遠くなるほど根気のいる工法なのだ。

■大工さんはミャンマー人、第2棟がようやく完成
 やっと秋に完成した第2棟は、Jさんのアイデアがいっぱい。1階が斬新なシャワー室とトイレ。寄せ木細工の一風変わった回廊で2階に上ると左手には15人がラクに座ってカラオケやパーティが出来るオープンテラス。右手の入口に洗面所を設けたベットルーム。さらに丸太を輪切りにしたユニークな階段を上がると、6畳ほどの屋根裏部屋があり、「これは子供連れのゲストにも喜ばれるしょう」と、Jさん。

 この一風変ったコテージは、全体構想を決めた後、その日その時のJさんのアイデアとひらめきで大工たちに指示するのだという。彼らは全て、すぐお隣りのミャンマー人たち。特別な許可証を取って、スワンプン村のみでの就労を許されている。日当は、頭領クラスで250バーツ。輩下で140バーツだ。月額に直して3500バーツにしかならないが、ミャンマー人たちは喜んで働く。

 コテージでは全て2寝室と温水シャワー完備で、5〜6人はゆうに泊れる。「これを1棟1500バーツぐらいで利用してもらいたい」というのがJさんの本音。2003年春までに、あと2棟を建設する予定だという。

■見どころも盛り沢山、年金でもゆっくり滞在可
 コテージは山の中にあり、目の前にミャンマー国境のカーチョン山がそびえ立ち、眼下はなだらかな山脈で、大自然の空気を思う存分満喫できる。とくに早朝の景観が素晴らしい。山塊に朝もやがたち込め、冷気が気持ちを引き締めてくれる。

 また、周辺10キロ圏内には、露天風呂のポーク温泉やフェイパーク滝、レストランを備えた植物園、体験できる陶芸工房、今なお侵食が続く奇岩怪石などの見所・楽しみ所が盛り沢山。食事も一日200〜300バーツもあれば十分だから、低年金のリタイヤ組も、ゆっくり、のんびり過ごせるだろう。

 Jさんは10年近く日本で暮らした経験があって日本語が達者。日本人の趣味や性格もよく理解しているのが何よりもうれしい。現在は、スワンプン村で有数のお金持ちになったが、その詳しい事情は不明。とにかく「気さくなお嬢さん」というタイプで、タイの女たちにも信頼が厚い。「日本人のリタイヤ組で再婚したい人には、素敵な人を紹介しますよ」と、微笑む。

 なお、本格的にオープンしたら、「バンコクからの送迎付きで、希望があれば日本食も用意したいですね」と、語る。

 私はこのコテージに3泊滞在した。タイでは気になる蚊や虫もここでは少なくて快適に過ごせる。夜は久しぶりに虫たちの奏でる見事な音色を聞きながら深い眠りに入った。

Jさんのコテージ体験希望者は、お電話で下記までお問い合わせください。
日本:03-3674-2661
タイ:01-763-7405