不動産業界活性化と公務員への福利厚生をドッキング
退職金前貸しで住宅購入を支援
低利で融資、タクシン首相「一足早いお年玉」
失業対策
起業家・海外出稼ぎ者に資金援助
タイ政府は長く低迷する不動産業界の活性化、及び失業問題に関する対策をまとめ、今月七日に発表した。
まず不動産部門では、公務員の住宅購入意欲を高めることで、市場の活性化を狙う。具体的には、公務員退職金・年金基金の資金を政府住宅銀行を通じて低利で融資するというもの。つまり、退職金・年金の前借りをするわけで、今回は五十億バーツの資金拠出が決定している。
返済利率は最初の三年が四・五%、そして四年目以降は三年物の定期預金と同一の利子となる。返済期間は三十年、物件見積額が全額融資されることになる。
たとえば、月々二千バーツの返済が可能である場合には、四十七万バーツの住居が頭金なしで購入できることになり、タクシン首相からは「これは公務員への一足早いお年玉」との自信の声も聞かれている。
同政策は来月からスタートすることになるが、ソムキット副首相兼財務相は、「将来的には低利融資の適用範囲を国営企業職員にも広げていきたい」としている。
さらに政府は、中古住宅の販売も促進をしていきたい考えで、現在、財務省で税の優遇措置を検討しているところだ。
一方、失業者対策であるが、新たに起業する者への援助、及び海外出稼ぎ推奨が柱となる。このため、政府貯蓄銀行が、新たに事業を始める小規模事業者に対する融資を、メトロポリタン銀行が自由業者、及び外国への出稼ぎ者に対する融資を、そしてサイアム・シティ銀行がフランチャイズ店を経営しようとする者に対する融資を重点的に担当していくことになる。
タクシン首相は選挙運動中の公約どおり、村経済の活性化につながる事業への融資を目的とする『村落基金』創設、地元の特産品を作るための『一村一品政策』など数々の農村振興策を打ち出した。しかし、この成功には、資金運用での不正排除、また実施にあたる有能な人材が不可欠となる。
この人材育成のため、教育省では、七万七千四百八十一人を対象に、十ケ月にわたり一人当たり月間六千三百六十バーツの予算を投じ、短期スクーリングをしていく方針だ。終了後は、村落基金の顧問として就職の道が開けるほか、開業希望者には政府よりそのための資金が融資されることになる。
また、米国で起きた同時多発テロの影響もあり、来年度は大学新卒者の約七割にあたる五十万人が就職できないとの試算があるが、このなか、五億四千九百万バーツの予算を計上、中卒者、高卒者のうち十六万人を対象に、職業訓練を実施していくことも計画されている。
(倉林 義仁)
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