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十月四日(木)
理事会メンバー
消息筋によれば、タクシン首相は、ワン運輸通信相とソムキット財務相が共同で作成した、タイ国際航空理事会の候補リストを大幅に手直しした。候補は合計十三人いたが、このうち半数あまりがタクシン首相によって変更された。首相が理事に相応しくないとした候補は、サンサーン国家経済社会開発庁長官、ウィチエン検事総長代行、ウィチット・ヨントラキット・グループ役員、ポット元副商務相、チュサク元タイ国際航空副社長、プラデート・タイ観光庁長官、ポン空軍司令官。これらの候補の代わりに、サン警察庁長官、チャイアナン・タイ国際航空会長代行、ウィチット元運輸通信相、チャトリー・バンコク銀行頭取、ウィロート・クルンタイ銀行頭取、オラーン元サイアム・コマーシャル銀行頭取、学者のボウォンサク氏、プレジデント・ホテル・オーナーのサシマ女史、そして、タイ空港公社総裁(現在空席)がリストに加えられた。新しい理事会メンバーは、五日の株主会議で承認される見通しだ。
選管の委員選出
上院では、提出された候補者リストに基づいて中央選挙管理委員会委員五人を選出した。これら五人は、ワサナ反マネーロンダリング委員会事務局長、シリン元上院議員、ウィラチャイ元チェンマイ県知事、チャラン元年金局長、パリンヤ元行政局長。このリストを作成する段階で、裏工作が行われたとの指摘もあり、憲法裁判所がその手続きをチェックすべきだとの意見も出ていた。このうちパリンヤ氏については、複数の企業の役員を務めているため、相応しくないとの意見も出ていた。また、チャラン氏は、年金局長時代に汚職疑惑があり、当局が調査を開始する前に辞職したことから、「相応しくない」との意見も上院議員の間からは出たが、最終的に五人全員が承認されることになった。
国外逃亡の理由
国家経営開発研究所のニパット講師は、警察の出頭要請にもかかわらず、国外に出国して姿をくらましていたのは、妻の死を受け入れることができなかったからだと述べた。同講師は今年七月、激しい口論の末に妻を殺害したとの疑いをかけられている。その後、ベトナムに行き、先にウドンタニ県の実父宅で逮捕された。同講師は、七月十八日、妻を傘で殴ったと認めているが、気を失ったのは酒に酔っていたためだと勘違いし、翌日まで病院に連れてゆかなかったと供述している。検視では、内臓に出血が認められ、また、脳内出血の痕跡もあったという。同講師は五十万バーツで保釈された。
十月五日(金)
マネーロンダリング
七十億バーツにのぼるマネーロンダリング事件の主犯格とされる容疑者二人が、バンコク都内のアパートで逮捕された。警察によれば、先月六日に逮捕状が出てから、ピチェート容疑者とその妻、ロサリン容疑者は、ラムカムヘン通りにあるアパートに潜んでいたという。二人はパキスタンへの国外逃亡を計画していたと伝えられている。警察は二人の居場所に関する情報を入手し、アパート周辺で四日夜から張り込みをしていた。五日になって買い物に出てきたロサリン容疑者が逮捕され、これに続いてピチェート容疑者が捕らえられた。
新会長の選出
臨時株主会議でタイ国際航空の会長に選出されたウィラポン元財務相は、同社が国の収入拡大において重要な役割を果たすことになると指摘した。同会長によれば、タイ国際航空は、この地域のベスト・エアラアンであり、世界では第五位にランクされ、スタッフもほかの航空会社に劣っていないということだ。このため、タイはこの地域の航空センターに成長する可能性が高いとの抱負を語っている。また、同社は経営状態の悪化が報告されているが、ウィラポン新会長は、「財政状態は他の航空会社よりよい」と明言している。
選出方法の変更
先に上院で中央選管の委員五人が決まったが、その選出方法を見直すべきだとの意見が上院議員の間からは出ている。これら五人の委員の中から議長を選ぶことになっているが、これについて上院議員が審議した際、現在の選出方法に強い反対意見が出された。なお、九七年十月に発効した現行憲法のもとで設置された中央選管は、委員の任期が七年とされている。これまでの委員は暫定的なもので、任期は三年半。このため、現在、正式な手続きに基づいて任期七年の委員を選ぶ作業が進められている。この作業は、初めてのものであり、その過程で問題点が指摘され、これが論争に発展している。
大統領に贈り物
タクシン首相は、タイを訪問したジンバブエのムガベ大統領に対し、三輪自動車「トゥクトゥク」をプレゼントした。同大統領は、会談の中で、トゥクトゥクがジンバブエの道路事情に適していると述べたことから、タクシン首相がプレゼントすることになった。ジンバブエの大統領がタイを訪問するのは初めてのことだ。ムガベ大統領はベトナムを訪れた後、今月一日から三日間にわたりタイを訪問した。
十月六日(土)
サウナで論争
プラチャイ内相がバーやナイトクラブなどの遊興施設に閉店時刻を厳守させるキャンペーンを展開しているが、その影響で、バンコク都内サパンクワイ区ソイ・プラディパット一九で起きている住民とサウナ経営者との間の論争が注目を集めている。住民によれば、この男性用サウナには、ディスコ、カラオケ・ボックス、ポルノ映画の鑑賞室などがあり、同性愛者のたまり場になっているため、周辺が子供たちにとってよい環境とは言えなくなっているという。一方、経営者の女性は、「ビジネスをする権利が自分にはある」と主張、住民との対立が深まっている。
ノービザ見直し
外務省は、査証(ビザ)免除適用国を減らす案を閣議に提出した。現在、五十七の国、及び地域が適用対象となっているが、これが三十七カ国に減らされる予定だ。また、九十七カ国については、入国の際に十五日間のビザが取得できるようになっているが、これも十三〜十七カ国に減らされる見通し。同省は、詳細は明らかにしていないが、ミャンマー、アフリカの数カ国が適用廃止になるものとみられている。これは近年、ミャンマー、アフリカからの旅行者で、麻薬容疑で逮捕される者が増加しているための措置。
購入者の救済
国土局は、アルパイン分譲住宅の購入者に対し、八月三十日から十月三十一日までに、どのような経緯で住宅を購入したか説明するよう求めていたが、この期限を六十日間延ばすことを決めた。政府は、これらの購入者を救済するためには購入者からの説明が必要だと考えているようだが、同局首脳は、「協力的な購入者が少ない。このため、期限を延長することにした」と説明した。非協力的な購入者には、タイ愛国党のサノ顧問団長、タクシン首相のポチャマン夫人などが含まれている。
観光促進策
プーケットで開かれた観光に関するセミナーで、外国人旅行者のタイに対する信頼を強化するため十日以内に緊急対策を打ち出すことが関係当局に指示された。ポンポン副首相を議長として開かれたこのセミナーには、ソムキット財務相、ソムバット副内相などの閣僚も出席した。ソムキット大臣によれば、外国人旅行者がもたらす外貨は重要な外貨収入であり、財務省は、観光促進のため、タイ観光庁の予算を増額し、また、タイ南部に立ち寄るヨットに対する課税を引き下げる用意があるという。
十月七日(日)
有力な状況証拠
スラキアット外相は、ヘクリンガー米大使と会談した後、「オサマ・ビンラーディン氏が米国の同時多発テロ事件に関与していることを示すものは状況証拠に過ぎないが、有力な証拠だ」と述べた。同大使がスラキアット大臣に手渡したコピーは、先に英国のブレア首相に示されたものと同じものだという。また、同大臣は、「米国はテロリストに対し攻撃するのであり、特定の国や地域に対し攻撃するのではない、との説明を受けた。攻撃に関連して米国から特別に要請はなかった」と述べた。
アラビア語の書類
南部のハジャイ空港で逮捕された外国人六人がタイに入国しようとした理由を突き止めるため、警察当局は、所持品に含まれていた二十四ページに及ぶアラビア語の書類の翻訳を急いでいる。逮捕されたのは、イラン人三人、イラク人二人、アフガニスタン人一人で、入国に必要な渡航書類を所持していなかったため、それぞれ禁固六ヶ月、罰金一万バーツ、執行猶予一年が言い渡された。また、警察当局では、これらの外国人が電線などが入ったガラス管を二本を所持していたことから、これが何なのか分析を急いでいる。これらのガラス管はソンクラ大学に送られる予定で、爆弾の部品である可能性も指摘されている。
財務相の副首相兼任
タイ愛国党のサノ顧問団長によれば、ソムキット財務相に、副首相を兼任させることを考えているという。タクシン政権は近く、内閣を改造すると報じられているが、これについて報道陣から質問を受けたサノ議員は、「数日前にソムキット大臣から相談を受けた。財務相の後任が見つかれば、ソムキット大臣は副首相だけを務めることになろうが、現在、財務相としての働きが高く評価されているため、代わりを探すのは難しいだろう」と指摘した。
資金の出所
マネーロンダリング事件の容疑者によれば、外国に送金した巨額の資金は石油と建材の取引で稼いだものだという。この事件では現在までに確認されただけで七十四億バーツが外国に送金されているが、先に逮捕されたピチェート容疑者は、石油や、鋼材、セメントなどの建材をラオス、カンボジア、ミャンマーなどとの間で取り引きをして利益を上げ、代金は香港、シンガポール、米国の銀行を通じて受け取っていたという。
十月八日(月)
協力の要請
タクシン首相によれば、米国はアフガニスタン国内にあるタリバン政権の拠点に対する空爆を開始したが、タイに対し、事前に軍事面での協力を求めることはなかったという。また、首相は、「攻撃は限定的なものである。アフガニスタンはタイから遠く離れている」と述べて、国民に冷静に対応するよう呼びかけた。同時に首相は、国際テロに反対するタイの立場に変化はないと指摘した。一方、スラキアット外相は、米軍の攻撃開始という状況変化に対応するため、アセアン加盟国の外相に緊急会議を招集するよう呼びかけた。
回教徒の反応
タイ・ムスリム協会のウィシット副会長は、今回の米軍による対アフガニスタン攻撃に反意を示すとともに、イスラム教徒は平和、真実、忍耐というイスラム教の教えに基づいてこの状況に対処するよう呼びかけた。しかしその一方で、同副会長は、「攻撃によって多数の死傷者が出た場合、イスラム教徒が感情的になる可能性もある」と警告。さらに、同副会長は、「攻撃はもはやビンラーデン氏を捕らえることを目的としたものではない。イスラム教を破壊しようとしたものだ」とも述べた。このほか、タイ・イスラム・センターは、「罪のない人々の命を奪うもので、世界経済にも打撃を与える」として、軍事行動を即時停止するよう米国に求める声明を発表した。
コメとのバーター
タイ愛国党のサノ顧問団長は、タイのコメと南アフリカの牛を交換するバーター貿易をタクシン首相に提言するとの姿勢を再確認した。同顧問団長によれば、国内市場ではコメがだぶついている状態で、この問題を解決するために大量のコメと牛を物々交換するのがよいという。これに対しては、同党内部からも家畜の病気が懸念されるといった批判意見が出ている。これに対し、サノ議員は、「畜産開発局が存在する限り、外国から家畜を持ち込むことで国内に病気が広まるようなことはない」と明言した。同党のウィチャン議員によれば、このバーター貿易は、ウドム・サプライ・イムメックス社が提案しているもので、同社は六万トン(三十億バーツ相当)のコメと三十万頭の牛との交換を畜産開発局に申請している。
十月九日(火)
教育相の辞職
タクシン首相は、兼任していた教育相を辞職。これにより十日にもスウィット副首相が教育相に就任する見通しとなった。タクシン首相は、教育相を辞めた理由を仕事量の問題だと説明したが、後任については言及しなかった。また、この小規模な内閣改造で、ソムキット財務相が経済担当の副首相に就任する可能性が高まった。関係筋によれば、村落ファンド・プロジェクトを監督するスウィット副首相は、政府の意向通りに教育相を務め、また、引き続き同プロジェクトを担当することになるということだ。
コメの人道援助
タクシン首相によれば、タイ政府は、人道的な援助としてアフガニスタンに三千トンに及ぶコメを送る方針という。首相はチャワリット副首相兼国防相に対し、コメの輸送について、外務省、商務省、国家治安評議会と調整するよう指示した。コメは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じてアフガニスタン国民に提供される可能性が高いという。
海軍の飛行場
上院外交委員会議長のクライサク上院議員は、米軍がチョンブリ県ウタパオにある海軍の飛行場を軍事行動のために使用していたことを国民に隠していたとして、タクシン首相を強く非難した。同議員は、「米軍がタイの施設を利用していることはタイ国民に直接的な影響を及ぼす可能性があるにもかかわらず、政府はその事実を国民に伝えなかった」と指摘した。これに対し、タクシン首相は、(両国間の軍事協定に従った)通常の軍事行動であると説明した。クライサク議員によれば、タイと米国の間では軍事協定が締結されているが、過去の二つの政権はこの協定に反対しており、現政権も協定を遵守する必要はなかったはずだと反論している。なお、国軍最高司令官によれば、この協定のもとではタイは、その目的の如何にかかわらず米軍がタイ国内の軍事施設を利用するのを許可するとされている。
憲法裁判所の判断
市民団体「キャンペーン・フォー・デモクラシー」は、中央選管の委員選出で憲法違反があったとして、憲法裁判所に訴える姿勢を見せている。同団体によれば、候補十人のうち五人が上院で承認され、中央選管の委員に就任することになったが、最終候補のうち少なくとも二人は、委員候補選出委員会メンバーの四分の三以上の承認を得ておらず、憲法違反だという。候補はまず委員候補選出委員会が五人、最高裁判所が五人選び、その中から五人が最終的に中央選管委員に選ばれた。チュムサク上院議員も中央選管の候補選びには問題があるとして、上院の中で憲法裁判所に提訴する動きがあれば、これに同調、参加するとしている。
十月十日(水)
二つの閣僚ポスト
スウィット副首相が教育相に就任し、また、ソムキット蔵相が副首相を兼任することになった。教育相はこれまでタクシン首相が兼任していたが、首相は、時間が足りないとして、すでにそのポストを降りている。スウィット、ソムキット両氏は、国王陛下を招いての認証式に臨み、今回の小規模な内閣改造が完了した。
日本人の遺体発見
チェンマイ県のメークワン貯水池で、日本人男性(六五歳)が遺体で発見された。足には大きな石の入った袋が結びつけられていた。この男性とタイに来てから一緒に暮らしていた女性は、「てっきり他県に出かけたものと思っていた」と話している。また、この男性は退職金を持ってタイにやって来たが、近隣の人が頻繁に金を借りに来ていたという。また、地元の政治家が選挙運動のために巨額の金を借り、まだ返済していないことも判明しており、警察ではこの政治家から事情を聴取する予定だ。
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