総 合

内閣改造

タクシン首相、教育相を辞任


野党「不信任案審議逃れ」と批判

 今月十日、タクシン首相は小規模な内閣改造を実施した。これにより、タクシン首相がこれまで兼任していた教育相にはスウィット副首相が同ポストを辞して就任、またこのため空席となった副首相ポストはソムキット財務相が兼任することになった。

 ソムキット財務相が副首相を兼任した理由として、タクシン首相は、「経済政策全般を監督させることで、政策に一貫性をもたせるため」と説明。これまで経済政策の総監督はタクシン首相が自ら務めていたが、激務のため十分な時間がなく、これが経済政策の策定に悪影響を与えているとの指摘が以前からあった。これに関しては、スリヤ工業相も「これにより、経済再建がよりスムーズになるだろう」と、今回の人事を歓迎している。

 一方、タクシン首相が教育相を辞任した件であるが、これに関しては、野党から「不信任案審議を逃れるためのもの」との批判が噴出している。

 新憲法の規定では、不信任案を提出するには、閣僚の場合は全下院議員(五百議席)の五分の一、首相の場合には五分の二の賛同が必要と規定されている。現在、野党の議席は百七十三議席のため、タクシン首相の不信任案を提出することはできない。しかし、教育相としてのタクシン氏に対する不信任案なら提出できるわけで、これをタクシン首相が嫌ったとの見方も出ている。

 今回、タクシン首相が教育相ポストを辞した理由として、野党側が特に取り沙汰しているのが、アルパイン・ゴルフ場の問題だ。

 タクシン首相夫人がオーナーとなっている同ゴルフ場と、隣接する分譲住宅の敷地が、寺院の所有地であるとの判断を内務省土地局が示したことで、住宅購入者らが政府に救済措置を要望。このため、政府では特別法を制定することを前向きに検討しているが、これには、全国の寺院を所轄する教育省の承認が必要となる。

 しかし、この特別立法は、あきらかにタクシン首相夫人に利することになるため、不信任案が提出されるのは避けらず、このため、野党第一党・民主党のチュアン党首は「野党の追求をかわすために辞任したのは明白」として、今後も追求していく構えをみせている。

 タクシン首相がカセム教育相就任を受け、首相兼任となったのは今年六月九日。この時は、「断固として教育改革を推進する」との意気込みをみせていた。かつてチュムポン元教育相が「最も腐敗した省庁」と呼んだ教育省。このためタクシン首相の教育相就任は、「これで教育改革ががぜん現実味を帯びた」と歓迎されていた。

 それがわずか四ケ月で辞任となったことに、アピシット民主党副党首からは「教育改革より政治的保身が大切なのだろう」との皮肉の声も聞かれている。




[BANGKOK SHUHO]