新国際空港
ターミナル建設入札に決着
イタルタイ・ 竹中・大林コンソーシアムが落札
十月九日、バンコク新国際空港の空港ターミナルとコンコース(空港待合室や主要通路)建設工事の入札が行われ、地場建設業大手のイタリアン・タイ・ディベロプメント社、日本の竹中工務店、大林組の三社が構成する建設コンソーシアム、ITOジョイント・ベンチャーが入札価格三百六十六億七千万バーツで落札した。この落札価格は入札に参加した四コンソーシアムの提示価格中最も低いもので、空港建設事業の実施主体である新国際空港会社(NBIA)が事前に公表していた参考価格、三百六十七億八千万バーツを唯一下回った。
低価格に他から驚きの声
予算内完工に疑問符も
今回入札に参加したのは昨年九月の第一次入札に参加した四コンソーシアム。その内訳はITOの他、大成・三菱ジョイントベンチャー、ジョイントベンチャーCKKB(CHカーンチャン、鹿島建設、熊谷組、ベルフィンガー)、SVNPKジョイントベンチャー(清水建設、ヴィチットバン、西松建設、プラヨーンヴィサバ、クルントン)。それぞれの入札価格は順に四〇七億四千万バーツ、四五六億八千万バーツ、四九二億一千万バーツだった。ITOの価格は二番目に低い価格を提示した大成・三菱をさらに四十億バーツも下回る価格だった。
入札結果の詳細はNBIAの評価委員会で検討される一方、十二日に建設事業の融資母体である日本国際協力銀行(JBIC)に提出され、特に問題がなければ十一月一日までに承認される見込みだ。その後、十二月一日から空港ターミナルとコンコースの建設に着工し、二〇〇四年十二月の完成を目指すことになる。
入札に続いて行われた記者会見で、プラチャ副運輸通信相は、「結果には満足している。入札プロセスの透明性が保たれていたのでJBICは必ずこの建設プロジェクトに融資してくれるだろう」と語った。
ターミナルとコンコース建設プロジェクトの入札は昨年九月に一度行われたが、デザインの修正や入札方法をめぐる不透明な政治的駆け引き等があり、今回の二度目の入札に至った。
NBIAの社長代行を務めるスリスック運輸通信省次官も、 「これで空港建設プロジェクトは計画通りに進行するだろう。JBICがこの入札結果を受け入れるよう期待する。JBICの希望通りに透明性を持って開催したから問題はないと思う」と語った。そして、
「もしITOが契約を取得すればこのプロジェクトは利益を生むだろう。なぜならITOの中核であるイタリアン・タイ・ディベロプメント社(ITD)は建設廃棄物処理や杭打ち工事を自前でできるからだ。それに、単独の建設業者なら調整が容易だし建設もそれだけ早くなる」と期待を寄せる。
問題点もある。ITDは現在多額の債務を抱え、先月中央破産裁判所から会社更正法に従い更正手続きに入るよう命令されたばかりだ。期限内に二百億バーツにのぼる債務処理計画書を提出しなければならない。また、今回参加した他のコンソーシアム関係者が驚くような低価格での入札について、利益をあげることができるのか危惧する声も出ている。
「他のコンソーシアムと入札価格の開きが大きいことに驚いた。どうやったらこの価格で建設できるのか、という価格だ。まだNBIAやJBICの評価が終わっていないし、ITDの債務リストラの件もあるので、これからどうなるかはまだ分からない」(入札したコンソーシアムA)
「最も低い価格でも四百億バーツ強と予測していたのでエッ?という感じだ。当社の予想よりかなり低い価格。あの予算で完工できるかどうかは何ともいえない」(コンソーシアムB)
「よく頑張ってあの数字を出したなと思う。今回の入札価格はローカル建設資材の比率が増えたことにも要因があるのではないか。ITDのように土木部分ではなく建設部分、つまり空港建設で大きな比重を占める鉄鋼の供給に強いとコスト面で有利になる」(コンソーシアムC)
しかし、ITDのタワチャイ副会長は、
「建設スケジュール通りに空港を完成する自信はある。当社は関連会社を通じて鉄鋼、ワイヤーからセメント、砂利に至るまで多様な建設資材を自ら製造している。だから最も低い見積りを出すことができた。当社は年間四千―五千万トンの鉄鋼を生産できるし、生産能力の拡張も可能だ」と自信を見せる。
NBIAの情報筋によれば、
「タイ政府が公表した参考価格には一・五―二・五%の利益率が上乗せされているので、契約を結んだターミナル建設業者は八億バーツ以上の利益を手にすることができるだろう」とのことだ。
入札価格一覧表
ITO 366.7
大成・三菱 407.4
CKKB 456.8
SVNPK 492.1
(宮尾和宏記者)
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