クロントイ化学薬品爆発事故訴訟
被害者が勝訴
港湾公社---
「控訴するかどうかは未定」
十年前にバンコク都内クロントイ・スラムで起きた化学薬品爆発事故で、民事裁判所は先月二十八日、原告の主張を認め、被告のタイ港湾公社に対し、三百二十万バーツに及ぶ賠償金の支払いを命ずる判決を言い渡した。
判決文では、一九九一年三月二日に起きた化学薬品の炎上、爆発事故は、管理者である港湾公社の怠慢により起きたもので、そのため、同公社は、事故で怪我を負い障害者となった原告に対し、治療費などを支払い賠償する必要がある、と国側の過失を全面的に認めている。
このような国の機関が関わる裁判で国側の過失を認め、原告が勝訴したのはタイでは初めてのケース。関係筋によれば、公社側は十四日以内に控訴することができるが、公社首脳は協議中で、控訴するかどうかはまだ決定していないという。
原告のウサー・ロートポンカセムさん(女性・二七歳)は、この事故で片目の視力、片耳の聴力を失った。さらに、もう片方の目と耳にも障害が残っている。ラムカムヘン大学法学部で学ぶウサーさんは、判決文が朗読された後、報道陣に感想をきかれると、うれしそうに、「勉学を続けたい」と述べていた。しかし、ウサーさんは視力障害のために本を読むこともままならず、また、有毒な化学薬品に曝された後遺症で一人で大学に行くことも困難な状態だという。 ウサーさんと母親のバンウンサンは、公社が責任を認めないことから、九六年に裁判に訴えることになった。
ウサーさんの弁護士は、港湾公社に対し、控訴しないよう求めているが、仮に公社が控訴した場合、さらに五年程度裁判が続く見通しだ。ウサーさんは後遺症で身体がすでにだいぶ弱っており、控訴審が終了するまで、生きながらえることができるかどうか分からない状態という。
クロントイ・スラムでボテンティア活動を継続しているプラティープ・ウンソンタム・ハタ上院議員は、今回の判決について、「彼女の失ったものが賠償金で戻ってくるわけではない。しかし、国にとってはよい教訓になるだろう」と述べている。
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