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ホープウェル計画に終止符

120億バーツの高架橋の支柱は取り壊しへ


タイ政府

 タイ政府は建設工事がおよそ四年間にわたり放置されたままとなっているホープウェル・プロジェクトを全面的に中止する意向を発表した。プロジェクト中止にあたりタイ政府はタイ国鉄(SRT)の在来線の拡張をおこなう計画。これによりタイ国鉄の線路の敷地内に百二十億バーツの巨費を投じ建設された高架橋の支柱は取り壊される運びとなる。

 タイ国鉄が主催したワークショップに参加したタクシン首相は九月二十七日、タイ国鉄がホープウェル・プロジェクトを新事業として再開するため追加予算を要求していることについて、「現在のタイ政府に大型プロジェクトへ資金を提供する余裕はない」と回答。これまで再三プロジェクト復興が取り沙汰された同プロジェクトを今後再興する考えのないことを改めて強調した。

 またタクシン首相はこのホープウェル・プロジェクトにかわる輸送インフラ・プロジェクトとして、都内チャトゥチャック公園付近にあるバンスー駅を中心とし既存鉄道網の拡張・再編を図ることを提案。現在の経済状況を考慮し、インフラ・プロジェクトへの予算規模をこれまでの「百億バーツ台から十億バーツ台に圧縮」(タクシン首相)した上で交通渋滞を解消する基幹ネットワークの構築に取り組む姿勢を示した。

 今回タクシン首相から提案された事業計画の総予算はおよそ八十三億バーツ程度。総額五百億バーツのホープウェル・プロジェクトのため建設された高架橋の支柱が立ち並ぶバンスー―ドンムアン区間(ホープウェル北線の一部)の鉄道路線を現在の二路線から四路線に拡張し既存鉄道の輸送能力を強化する。線路拡張にあたり百二十億バーツを投じ建設された高架橋の支柱は全て撤去される見通し。

 同時にバンコク都内で交通渋滞を引き起こす最大の要因の一つとして指摘されている踏み切りの遮断頻度を減少させることを狙いフアランポーン駅の中央駅としての役割を縮小する計画。そのため十五億バーツを投じ二千ライ(※)の敷地面積をもつバンスー駅を改修し、中央駅としての役割をフアランポーン駅と分担する。

 バンスー駅にはフアランポーン駅にかわりチェンマイ方面へ向かう北線、ハジャイ方面へ向かう南線の鉄道センターとしての機能を担わせることで都心部を横断しフアランポーン駅へ向かう列車量を大幅に削減。これにより一日当たりのフアランポーンへ向かう列車量を三分の一以下の四十本まで減らし都心部の渋滞解消につなげる狙い。プロジェクトの詳細については三カ月以内にまとめられる。

 また大型インフラ・プロジェクトの予算縮小政策に沿いタクシン首相は都内マッカサンと新空港建設地ノングーハオを結ぶ高架電車プロジェクトについても建設を一次延期する方針を発表。同プロジェクトは旅客処理能力が将来的に限界に達するドンムアン空港にかわり現在建設されている第二国際空港とドンムアン空港間の高速輸送路として期待されていたが、タイ政府は「(両空港間の移動は)高速道路や国道などの既存道路で十分対応できる」との認識を示した。
(※)一ライは約千六百平米。

 ホープウェル・プロジェクトはバンコク都内の交通渋滞の抜本的な解決を狙い九〇年より着工された。タイ国鉄の敷地を活用し首都圏内に南北・東西合わせて約六十キロに三階建ての高架橋を建設。二階部分を鉄道、三階部分を高速道路とする計画だったが、請負業者ホープウェル社の資金繰り悪化などで工事が進まなかったことから同社は九十八年にタイ政府から契約を破棄されている。



[BANGKOK SHUHO]