総 合

狂牛病--- タイ 日本からの牛肉禁輸へ

スダラット保健相 密輸を厳しく監督


 食品薬物管理庁は今月十三日、狂牛病汚染の恐れがあるとして、さらに三カ国(日本、チェコ、ギリシャ)からの牛肉製品の輸入を禁止することを決めた。これによりタイが牛肉製品の禁輸措置を決めた国は、これまでの欧州十三カ国(ルクセンブルク、リヒテンシュタイン、デンマーク、スペイン、イタリア、英国、ポルトガル、フランス、アイルランド、スイス、オランダ、ドイツ、ベルギー)に加えて、全部で十六カ国となった。

 スダラット保健相によれば、食品薬物管理庁は当初、禁輸対象国リストにチェコとギリシャだけを加える予定だったが、日本でも先に狂牛病感染が初めて報告されたことから、日本からの輸入も禁止することになった。

 食品薬物管理庁のウィチャイ長官は、禁輸措置が発効するまでの期間、輸入業者に対して、これら三カ国からの牛肉と牛肉を使った製品の輸入を自粛するよう要請。また、スダラット保健相も、正規のチャンネル以外のルートで牛肉が輸入されていないかどうかを厳しくチェックすることを発表している。

 このほか、狂牛病対策には複数の政府機関がかかわっているが、権限・責任が重複している場合が少なくなく、責任の所在が曖昧になり、「どの機関が何をすべきかはっきり線引きされていない」という問題も指摘されている。このため関係当局が近く協議を行い、役割分担を明確にするとのことだ。

 狂牛病の正式名は牛海綿状脳症(BSE)。この病気は、牛肉の消費量が多い欧州で大きな問題となっているが、専門家の間では、アジアの潜在的な危険性を警告する指摘も出ている。

 狂牛病は、タンパク粒子であるプリオンの異常型が脳の内部で増殖し、脳をスポンジ状にする病気だ。英国では以前は感染した牛が家畜飼料の肉骨粉に加工され、外国に輸出されていた。八〇年から九六年にかけて英国から数万〜数十万トンの肉骨粉がインドネシア、タイ、台湾などに輸出され、また日本はタイと台湾から肉骨粉を輸入していた。

 狂牛病は、潜伏期間が長期にわたるため、感染例が報告された段階で、汚染がすでに広範囲にわたっている可能性も否定できず、国連食糧農業機関(FAO)では、「百カ国以上の国で狂牛病感染の危険性がある」との見解を発表している。



[BANGKOK SHUHO]