総 合

ミャンマー政府首脳

タイ訪問に学生らが抗議


タイ側 覚醒剤密造取り締まりを要望

 ミャンマー軍事政権首脳のタイ訪問に、大学生らのグループが強く抗議した。

 今月三日から五日にかけタイを公式訪問したのは、国家平和発展評議会のキン・ニュン第一書記。同書記は、民主化運動に対する強圧的な姿勢で知られていることから、タイ学生連盟などの団体は、政府庁舎前で抗議集会を開き、「民主化運動を弾圧してきた軍事政権首脳を招待すること自体が問題だ」として、タイ政府の姿勢を非難した。

 同書記は、タイ訪問の間、タクシン首相など政府首脳と会談し、経済、貿易、麻薬問題などについて意見を交換。タイ側は特に、国境地帯で少数武装勢力が資金源とする覚醒剤の密造が、タイの社会問題の大きな原因の一つになっていることから、この問題の解決に向け、ミャンマー側の協力を要請した。

 タイ側がキン・ニュン書記に示した提案の中で注目されるのは、少数武装勢力「ユナイテッド・ワ・ステート・アーミー」に麻薬の密造をやめさせる代わりに、換金作物を生産させ、タイがこれに特恵関税を適用して輸入するというもの。これに対して、同書記は、同勢力には二〇〇五年までに麻薬から手を引き、換金作物を生産することを約束させたと発言している。

 長い国境線を共有するタイとミャンマーの間には、ミャンマーの国内情勢に起因する労働者のタイへの流入、国境地帯の内戦による避難民の流入、国境線画定を巡る衝突など、深刻な問題が山積している。また、経済分野では、国境地帯での交易、ミャンマー領海内でのタイ漁船の操業などだが、そのなかでも影響が最も深刻で、解決が難しいとされているのが、軍事政権も一枚噛んでいると伝えられる麻薬の密造だ。

 今回のキン・ニュン第一書記の訪問が、タイとミャンマーの冷え込んだ関係の改善につながるかどうかは、タイ政府の提言に対するミャンマー側の出方を見守る必要があろう。


[BANGKOK SHUHO]