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タイ政府---映画・テレビ撮影を誘致

今年度見通し、十億バーツ外貨獲得


 先月封切られたタイ映画の大作「スリヨータイ」は公開三日目でチケット売上が一億一千万バーツを記録、米ハリウッド映画「スターウォーズ・エピソード」が一九九九年に樹立した記録を更新した。さらに今後「タイタニック」の最終的な興業成績を塗り替える大ヒットとなる勢いで、景気低迷に喘ぐタイの中で映画産業が活況を呈している。

 タイでは昨年を境に国産映画の上映本数が急増中だ。タイ映画界では「ナーン・ナーク」や「バーン・ラジャン」など外国映画を上回るヒット作が続々と登場、国産映画離れしていたタイ人の足を呼び戻している。

 またアジア映画が世界的に注目を集める中、海外へ輸出されるタイ映画も相次いで誕生、これらが起爆剤となり国産映画制作の気運が高揚、国産映画制作ブームが巻き起こっている。日本では、大ヒットした「サトリー・レック(邦題はアタック・ナンバー・ハーフ)」などが上映されている。

 一方それらの国産映画制作ブームと相俟ってタイ国内で撮影される外国映画が増加している。

 最近では人気俳優レオナルド・ディカプリオ主演の「ザ・ビーチ」やジェームス・ボンドの007シリーズ「トゥモロー・ネバー・ダイズ」など、ハリウッド映画の撮影が行われることも珍しくない。また日本のテレビ番組のロケ地となることも少なくなく、今年に入り「進め!電波少年」が撮影されている。

 首相府のまとめによれば、今年に入りタイ国内で撮影された映画、テレビドラマ、コマーシャルなどの制作費用は上半期(一月〜六月)だけで総額およそ六億バーツ。これは昨年度の年間総額に達する数字で、通年ベースでは前年比倍増の十億バーツを突破する見通しだ。

 これを受けタイ政府は観光促進の一環として海外からの映画・テレビ撮影の誘致活動を積極化する方向だ。映画・テレビの撮影はロケ隊が長期滞在する他、撮影機材も現地で調達することから地元への経済波及効果は小さくない。輸出不振に陥るタイ政府としては外貨獲得の一助としたい考えだ。

 また全世界で公開されるハリウッド映画の舞台となればロケ現場はそのまま観光名所となるなどそのメリットは数知れない。「ザ・ビーチ」の舞台となったタイ南部ピーピー島はこの映画で知名度が一気に高まり、現在では撮影現場で記念撮影するレオナルド・ディカプリオのファンが連日後を絶たないなど、映画テレビ撮影の誘致は観光との相乗効果も期待できる。

 ただこれまで指摘されてきた受け入れ体制の不備が今後の課題として残る。

 サンゴ礁やマングローブ林などの天然資源に豊富な文化遺産を残すタイは撮影のロケ地として海外からの評価は以前から非常に高かった。しかし政府関連機関の受け入れ体制の不備から撮影許可の遅れや撮影スタッフの労働許可問題などトラブルが度々浮上、撮影の誘致を阻んできた経緯がある。

 タイ政府としてはこれらの問題を解決するため撮影許可発行の迅速化を含め撮影に関する許可・届け出の手続き窓口の一本化を推し進めると共にロケに関する情報提供を行なうことが急務といえる。観光事業の盛んなタイはホテルなどインフラ施設も整備されており、オーストラリアやニュージランドなど代表的なロケ地と比べ物価が安く制作費を抑えることができることから、これさえクリアできれば映画制作のハブとしての地位を獲得できる可能性は高い。

(宮尾 和宏 記者)




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