北部・東北部に集中豪雨
洪水被害で死者続出
ペチャブン県の土石流で115人死亡---
観光地・チェンマイでも7人が犠牲に
北部及び東北部では今月初めから雨天が続き、大雨による洪水被害は十四日までに、北部十二県、東北部十一県、中部一県の計二十四県に及んだ。十一日未明には二日間に渡って激しい雨が降っていた北部ペチャブン県ロムサク郡で土石流が発生。山裾の村を直撃し、十六日までに百十五人の死亡が確認される大惨事となった。犠牲者の中には学校が押し流されて死亡した学童二十一人も含まれる。タクシン・チナワット首相は十二日、同地を慰問するとともに、他の被災地域についても救済を急いでいる。
北部では今月六日、パヤオ、チェンライ、チェンマイ、ランパンの各県を中心に洪水が発生し、チェンライ県で五人が死亡した。内務省地方行政局市民防衛部がその被害状況を政府に報告した七日以降も、北方を東から西に横切る台風の影響で、北部・東北部では激しい雨が降り続いた。この雨は十五日頃には収まったが、十一日から十四日にかけて広範囲で洪水が発生している。
今月十一日以降の洪水の犠牲者は、ペチャブン県で土石流により百人以上が死亡したほか、北部のチェンマイで七人、ランプン県で二人、プレー県で一人、東北部のウドンタニ県で九人に上った。
チェンマイ県では今月六日頃、チェンマイ市を含む十二の郡で、二千世帯の住民と十五キロ平米の農地が洪水の被害を受けた。洪水は一旦引いたものの、十三日には再びピン川が氾濫。十一日から十四日にかけ、再びチェンマイ市を含む十七郡で、一万七千世帯が浸水し、七人が死亡、三人が行方不明となった。
ランプン県では、四郡で四千八百三十五世帯が浸水し、二人が死亡。プレー県ではヨム川が氾濫し、三十二平方キロの農地に被害が及んだ。このほか北部では、ピサヌローク、メーホーソンの各県で民家や農地に大きな被害が出ている。
政府は十四日の閣議で、義援金や援助物資を受け付ける洪水救済センターの設置を決定。被災者の救済策として、家屋の全壊には五万五千バーツ、一部損壊には最高一万五千バーツを援助するとしている。また今後六十日間、百六十バーツの日当で被災地域の住民を復興作業に雇用する計画も承認した。
最も被害が大きかったペチャブン県ロムサク郡には、救援金九千八百万バーツが送られることとなった。さらにタクシン首相の指示により、スウィット・クンキティ副首相が率いる委員会が農業協同組合省とともに、同地の被害状況を調査する。
十五日に開かれた農業協同組合省の洪水救済委員会では、ロムサク郡の災害の原因として、森林の減少が挙げられた。
同省森林局によれば、土石流が発生した同郡の山では、ここ十五年間に百六十平方キロの森林が、不法伐採により消滅しているという。同局が数年前より植樹を行っているが、今回の土石流でさらに十六平方キロの森林が失われた。
今年五月には、二日間に渡って大雨が続いた北部プレー県ワンチン郡で、土石流により二十九人が死亡、十一人が行方不明となる災害が起きている。同郡はウィエンコサイ国立公園に隣接する山間部にあり、やはり森林の不法伐採が土石流の原因だった。
(小林ゆかり記者)
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