経 済

外資系大型スーパー・マーケットが出店攻勢

悲鳴を上げるタイ地場小売業者


タイ政府--- 都市計画法改正による救済を検討

 英国系のテスコ・ロータス、フランス系のカルフール、ビッグC等、外資系大型スーパーマーケットの出店攻勢で地場中小小売業の売上が急減している。外資系大手は広大な売場と駐車場を備え、豊富な品揃え、日常的な低価格販売、カード・サービス等のモダンな商法を駆使して地元タイ人の購買意欲を強く刺激している。一方、地場小売店は狭い売り場と限られた品揃え、旧式な店舗デザインの店が多く、外資系スーパーに急速に顧客を奪われている現状だ。地場小売業者の間では外資系スーパーに対して法的な規制を求める声が出始めており、地場小売業者の淘汰を懸念するタイ政府は救済策の検討を始めている。

 検討している対策の一つは地場中小小売業者の価格競争力強化、即ち仕入れ価格引下げ支援策だ。外資系大手は豊富な資金と強大なバイイング・パワーを生かし低価格大量仕入れと日々の低価格販売を実現している。規模の小さい地場中小小売業者には低価格大量仕入れをする能力がないため、商業省が小売業と地場製造業者の間に入り、小売業者に低価格で商品を供給するよう製造業者側と交渉している。

 もう一つは都市計画法の改正で、外資系大手スーパーのバンコク都内への集中出店回避を目的とするものだ。今年上半期に外資系大手が新規出店した店舗の総面積は、昨年同期の七万uより三万u多い約十万u。過剰出店の原因は「一九七五年に制定された都市計画法が現状に合わなくなっているため」というのが専門家の見方だ。

 現行法ではバンコク及びその周辺地域はレッド、ブラウン、オレンジ、イエローの四つのゾーンに区分されている。レッド・ゾーンは商業地域で三万uの敷地面積を上限とした大型建築物を建設できる。ブラウン・ゾーンは人口密度の高い地域で店舗サイズの制限はない。オレンジ・ゾーンは人口密度が中レベルの地域で土地面積一万u以下の店舗の建設が認められている。イエロー・ゾーンは人口密度の低い地域で土地面積二千u以下の店舗の建設が認められている。従って、外資系大手スーパーの多くが人口密度の高い都内(ブラウン・ゾーン、オレンジ・ゾーン)に大型店を出店し、過当競争と交通の混乱を招いている。スワン副商業相は「現在、メイン・ロードのそばに出店のための土地を見つけるのは大変難しい。(都内の店舗開発は)飽和点に達している」と語る。

 このため、商業省とバンコク都庁の都市計画局は外資系大手小売業者の新規出店を制限する新ゾーンの設定を計画している。しかし、法律専門家の話によれば都市計画法の改正には八ヶ月以上かかり、早急な解決は難しいようだ。      



[BANGKOK SHUHO]