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高速道路料金問題に決着

ドライバーへのVAT負担転嫁にクロ判定


タイ高速道路交通公社・ 過去徴収分は全額返済へ

 タイの国家協議会は八月十日、タイ高速道路交通公社(EAT)及び高速道路を実際に運営するバンコク高速道路有限会社(BECL)が行っているドライバーへの付加価値税(VAT)の転嫁は好ましくないと判断。これに伴いEATは期間限定で高速道路利用料金の引き下げを決定した。同時に、今まで徴収した付加価値税もドライバーに還元することになった。この決定により四輪自動車の高速料金は現行四十二バーツから四バーツ引き下げられ三十八バーツになった。

また、六輪―十輪自動車は六十四バーツが五十六バーツに、十輪以上の自動車は八十五バーツから七十五バーツに引き下げられた。引き下げの期間は八月十一日から九月二十日深夜までの四十一日間。引かれる四バーツ(四輪自動車の場合)の内訳は、二バーツがドライバーへのVAT転嫁分、残りの二バーツが過去に徴収されたVATの還元分になる。クーポン券を利用しているドライバーは料金窓口で申告すれば返金を受けることができる。

 事の起こりはBECLが今年七月一日より実施した高速料金の引き上げだった。EATは高速道路を運営しているBECLがドライバーにVATを転嫁することを認め、これを受けたBECLが高速料金を通常料金四十バーツ+二バーツの四十二バーツに引き上げた。しかし、これについて政府や消費者団体の間に疑問の声が上がり、議会委員会が調査に乗り出した。

 議論の焦点は、EATの判断だけでVATの負担を転嫁できるか否かだった。なぜならEATは事前に議会の承認を得ていなかったからだ。事前承認さえ受けていればこれ程大きな問題にはならなかった。EATは以下の説明により自己の正当性を主張していた。 一、EATの財政は脆弱で年間約六億バーツのVAT負担は重過ぎること。 二、タイの歳入法規には『サービス提供者は顧客から税金を徴収できる』とあり、EAT独自の判断で高速料金にVATを含めることは違法ではないこと。

 しかし、タイ消費者協会を始め多数の団体から強い抗議を受けたため、最終的に国家協議会が過去に徴収したVATの返還を求める決定を下した。その後、EATのプリーチャ総裁は、「VAT負担を転嫁したのは誤りだった」と認めている。返還期間はVATの上乗せを始めた七月一日から徴収を止めた八月十日迄と同じ四十一日間に設定した。

 一方、以前から「高速料金の値上げによる利益は得ていない」と主張し続けてきたBECLだが、EAT内部からは「BECLが利益を得ていないはずがない」との声も上がっている。計算では、高速料金が四十バーツの場合、VATを除外した収入は車一台当たり十八・六九バーツ(注:収入はEATと折半する契約になっている)、これが四十二バーツになると一九・六二五バーツになり、収入の増加は車一台当たり〇・九三五バーツになる。一日の高速道路利用台数は平均六十万台なので、料金引き上げによる一日当たりの収入の増加は五十六万千バーツ。決して少なくない増加額だ。

 BECLの二〇〇一年の収益状況は確実に改善しつつある。子会社も含めた連結ベースの経営実績を見ると、一九九九年こそ四千五百万バーツの純損失を計上したものの、翌二〇〇〇年には十七億二千万バーツの黒字に転換。四半期ベースで見ると、二〇〇一年第一四半期の純利益は十六億六千万バーツで昨年同期比の約二倍。第二四半期は二〇〇〇年の二億五千万バーツから実に十六億八千万バーツ増加し十九億三千万バーツに達した。

 タイ消費者協会はEATを告訴する動きを見せている。ヴィロイ協会長は、「事前に内務省と議会の同意を得ずに料金を引き上げたのは違法行為だ」と憤る。タクシン首相も高速料金の過剰徴収問題について言及し、「今回の過ちを引き起こした高速道路の責任者を処罰したい」と語った。これを受けて、EATを監督する任にあるソムバット副内務相は、「来月にも新たな委員会を設置して事件の真相を調査する」と語っている。

 



[BANGKOK SHUHO]