週間ニュース
七月二十六日(木)
違法な証券取引
証券取引委員会、不正資金洗浄対策事務所、警察庁経済犯罪局、移民局は合同で、都内のブリトン・グループ社とベンソン・デュポン・キャピタル・マネジメント社を捜査、違法証券取引の容疑で、外国人八十五人を含む百人以上を逮捕した。これら企業による詐欺行為で、外国人投資家が被った損害は六十九億バーツにのぼるとされている。捜査は米FBIやオーストラリア連邦警察の協力も受けており、警察庁のサン副長官によれば、オーストラリア側とは一カ月ほど前から準備を進めていたという。外国人逮捕者の内訳は英国人三十人、米国人十四人、アイルランド人十人、オーストラリア人十人、フィリピン人六人、カナダ人五人、シンガポール人二人のほか、ミャンマー人、ジャマイカ人、リベリア人、ニュージーランド人、マレーシア人、スペイン人、インド人が各一人となっている。
大学の指導
政府は、草の根レベルから経済の安定成長を実現するため、全国の各村に百万バーツを提供する計画を開始した。これは無償援助ではなく、百万バーツは村興しの回転資金とされる。またラチャパット大学では全国の各分校から講師を六人ずつ招集し、各村で資金が無駄遣いに終わらぬよう指導する。政府はすでに具体的な活用計画を提出した村に資金を提供しており、これまで七千百二十五カ村の銀行口座に、総額七十一億二千五百万バーツが送金された。
漁業局の予算
来年度予算を検討する下院委員会で、野党・民主党議員九人が、漁業局への予算割り当てを不満として議場から退席した。これら民主党議員は、同党が伝統的に選挙地盤とする南部の漁民が漁業局から十分な支援を受けていないとして、漁業局の予算要求に反対しているもの。漁業局のタムマロン局長は「農民漁民支援ファンドから四千三百八十万バーツを漁民に提供した」と説明しているが、民主党議員は「予算庁の発表と食い違う」と指摘している。下院委員会は六十三人の委員で構成されており、三分の一(二十一人)以上の出席があれば採決が可能となる。委員会には当初、二十五人の委員が出席していたため議長が採決を宣言したが、民主党議員九人が採決を阻止しようと退席。その後一時間ほど続けられた間に緊急招集された委員が加わり、最終的には四十人が出席した。
行方不明の院生
一年前に行方不明になった女子大学院生の母親が、国家開発党の女性議員パウィナー女史とともに警察庁犯罪制圧局を訪れ、「犯罪に巻き込まれた恐れがある」と訴えた。母親によれば、私立サイアム大学の修士号コースで学んでいたマンタナさんは、昨年八月に失踪。その後、インターネットの売春サイトで電話番号を知ったという男性から自宅に百回以上にわたって電話があったという。母親は娘が知人に騙され、強制的に売春させられているのではないかと疑っている。
七月二十七日(金)
再審要求を却下
最高裁は、職権濫用容疑で逮捕されたウタイ国会議長の再審要求を却下した。同議長は過去に商務相を務めていた際、事務次官を更迭し、さらに正当な理由なく復職させなかったため、下級裁判所、上級裁判所で有罪判決を受けた。その後、最高裁が判決を言い渡すこととなったが、同議長は逆さまつげの手術を理由に出廷していない。このため、今回の再審要求も時間稼ぎと見られている。最高裁は再度予定を変更し、三十日に判決を言い渡す予定。再審要求の中で同議長は、「国会議長として国のために尽くしたきた自分は、最高裁の慈悲にあずかることができるはず」と述べている。
四人の外国人
警察は、違法証券取引の首謀者とみられる外国人四人の行方を捜索している。先の捜査では外国人八十五人を含む百人以上が逮捕され、中には同じく首謀者とされる二人も含まれていた。また外国人五人はその後、関与していなかったことが判明して釈放された。検察はこの事件について、容疑者らを一括せず、個々に送検するよう警察に指示している。
身柄の引き渡し
タイ政府は英国に対し、ノンバンク「ファイナンスワン」に二十一億バーツの損害を与えたピン元社長の身柄引き渡しを要求していたが、英国の高等裁判所(最高法院民事部)はこれを却下した。タイ当局は十五日以内に不服を申し立て、このケースを英国の上院で審議されるようにしたいとしている。
裁判官に再確認
憲法裁判所のプラサート所長は裁判官らに対し、タクシン首相の資産不正申告疑惑については純粋に法律的な判断を下すよう再度指示した。現在、タクシン首相を無罪とするため、積極的な根回しが行われているという報道がある。しかし同所長によれば、そのような接触は自身にも他の裁判官にも全くないという。
七月二十八日(土)
高い確率で有罪
憲法裁判所がタクシン首相に有罪判決を言い渡す可能性は、非常に高いと見られている。これは同首相が虚偽の資産申告で、間接的に利益を受けた証拠があるため。有罪判決が下った場合、五年間の公職追放となるが、追放開始の時期はまだ確定していない。不正申告の当該閣僚任期の終わり(九七年末)から追放開始とした場合、タクシン首相は来年末から政界復帰が可能になる。
出頭の意向
違法証券取引の首謀者の一人とされるアイルランド人が、警察庁経済犯罪局に出頭する意向を伝えてきた。ただし事前に弁護士と相談が必要なため、今すぐには出頭できないという。この事件の首謀者は計六人で、うち三人はまだ逮捕されていない。
不服申し立て
ファイナンスワンのピン元社長の身柄引き渡し要求が、証拠不十分として英国の高等裁判所で却下された。このためタクシン首相は検察庁に対し、同裁判所に不服を申し立てるよう指示する意向。同首相は「可能なあらゆる手段を用いて、ピン元社長の身柄引き渡しを実現したい」と述べている。
七月二十九日(日)
賃上げの要求
タイ発電公社の職員団体は、政府に最低賃金の引き上げを申請するため、三十日に集会を開く。同団体のバンルー代表によれば、四十四の職員団体が直接タクシン首相に回答を要求するという。国内労働組合の代表も先に、労働社会福祉省に最低賃金の引き上げを申請したが、回答はまだ得られていない。
容疑者の国外退去
違法証券取引で逮捕された八十五人の外国人のうち、五人は事件とは直接関わりがないとして釈放され、二人は首謀者として国内で裁かれることとなった。残りの七十八人については、入国管理法、労働法に抵触した「好ましからざる人物」として、国外退去処分となる見通しだ。出国に必要な航空券は容疑者の肉親などが本国から送付する。
航空路線の廃止案
タイ国際航空のチェンマイ・メホンソン路線の廃止が報じられている。タイ愛国党のソンブン議員(コンケン県選出)はこれに反対し、「タイ国際航空は、下院運輸通信委員会とタクシン首相に廃止撤回を求めるべき」と主張している。この路線には現在、百四十九人乗りのボーイング機が就航しているが、タイ国際航空によれば、乗客が少なく赤字続きだという。タイ国際航空が撤退した後は、民間の航空会社「エア・アンダマン」が路線を引き継ぐ予定。この場合、使用機は三十二人から四十人乗りに変わり、航空運賃も現在の四百五十バーツから六百二十バーツに値上げされる。
反政府勢力
チャワリット副首相兼国防相は、カンボジアの首都プノンペンで開催された第二回合同国境委員会に出席。「カンボジア政府転覆を目論む勢力が、タイ領土を利用するようなことは許さない」と明言した。また同副首相は、「現カンボジア首相のフン・セン氏とは十三年前にビエンチャンで初めて会った」と思い出を語り、タイが以前からカンボジアの和平実現を支援していると強調した。
七月三十日(月)
ウタイ議長は有罪
最高裁はウタイ国会議長兼下院議長に対し、有罪判決を言い渡した。この裁判は、ウタイ氏の商務相在任時に、事務次官を解任され、復職することなく定年退職したパチャラ氏が九三年に起こしたもの。先に刑事裁判所、上級裁判所もウタイ氏に有罪判決を下している。ただし有罪判決を受けても収監されなければ、議員資格には影響しない。このため執行猶予が付いた今回の判決は議員資格を奪うものではなく、ウタイ氏は議長職にとどまることができる。しかし野党陣営からは、「職権濫用で有罪となった人物が公正中立であるべき国会議長兼下院議長にとどまるべきではない」として、退陣を求める声が上がっている。一方、ウタイ氏は辞職する考えはないことを強調している。
東南アジア文学賞
国語教師のチョークチャイさんが、詩歌の部門で東南アジア文学賞を受けることになった。対象となった作品は、詩集「チョークチャイの古い家」で、候補作品約七十点の中から選ばれた。
陸軍司令官ポスト
今年の定例人事異動で国軍最高司令官に任命されると噂されていたスラユット陸軍司令官が、プレム枢密顧問官が難色を示したことにより、現職にとどまる可能性が高まった。国軍最高司令官は、建前上、国軍のすべてを統括する役職だが、実際は陸軍司令官国軍が最も権力のある役職とされる。スラユット大将を国軍最高司令官に異動する案は、同大将と不仲のチャワリット副首相兼国防相が言い出したものだが、同副首相兼国防相大臣は、陸軍内部や各方面からの反発を受け、スラユット大将を陸軍司令官にとどめることに同意したようだ。
七月三十一日(火)
内陸のエビ養殖
ピタック副首相は先に、現在禁止されている内陸でのエビ養殖を再開するよう主張。しかし連立政権を構成するチャートタイ党の「禁止措置は維持すべき」との意見を受け入れ、「急いで結論を出す必要はない」と姿勢を変更した。内陸でのエビ養殖は、漏れ出た塩水が農業に悪影響を与えるため、三年前、当時のチュアン政権が禁止した。ピタック副首相は「内陸で養殖できないためにエビの輸出が伸びず、外貨獲得の機会を失っている」と述べていた。
当選を認定せず
中央選管は、六月三十日の下院補欠選挙で最多票を獲得したチャートタイ党候補二人の当選を撤回した。これによりナコンナヨック県とウボンラチャタニ県の二選挙区では、八月十八日に再投票が行われる。選挙の投票日前日には、ウボンラチャタニ県で、応援に来ていたチャートタイ党議員が選挙違反容疑で逮捕されていた。中央選管は、残りの五選挙区で最多票を獲得した五人については当選を認定。内訳は新熱望党とチャートタイ党の候補が各一人、タイ愛国党候補が三人となっている。
十四人に死刑判決
刑事裁判所は、麻薬密売容疑で逮捕された十四人の被告に死刑を言い渡した。これ以前に、十九人の麻薬密売人も死刑判決を受けている。従来は求刑が死刑であっても、被告が容疑を認め、協力的な姿勢を見せれば、終身刑が言い渡されていた。しかし司法当局は、覚醒剤やヘロインの密造・密売を厳しく取り締まるという政府の方針を受け入れ、容疑を認めても減刑しないこととした。一方、覚醒剤密売容疑で逮捕された公務員(政府庁舎勤務のC8クラス職員)には、証拠不十分で無罪が言い渡されている。これについてタクシン首相は、上告のため証拠を再度検証するよう検察と警察に指示した。
判決の言い渡し
憲法裁判所は、タクシン首相の資産不正申告疑惑に関する判決を、比較的早い時期に言い渡す可能性が高い。同裁判所のプラサート所長は判決日の特定を避けているが、裁判官による協議は毎日行なわれており、意見がまとまり次第、判決が下されるものと見られる。
八月一日(水)
捜査官の行方
タイの麻薬捜査官七人が、先月二十七日、ミャンマー国境の町タチレクに入ったまま行方不明となっている。チャワリット副首相兼国防相は、「二日にも解放されると、ミャンマー当局から確約を得た」と述べているが、軍の諜報関係には何も連絡が入っていない。麻薬捜査官七人は、覚醒剤の密造・密売を資金源とし、ミャンマー国軍ともつながりがあるレッド・ワ・ゲリラに捕らえられたものと見られている。
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