総 合

ファイナンス・ワン元社長の身柄引き渡し要求

英国高等法院が却下


タイ側 不服申し立てへ

 英国の高等法院(最高法院民事部)は先に、ロンドンで九九年に逮捕された、ノンバンク「ファイナンスワン」のピン元社長の身柄引き渡しを求めるタイ警察当局の訴えを却下した。タイ当局は、同元社長が、現在すでに閉業しているファイナンスワン社とその関連会社二社との間での資金操作によって約二十一億バーツの損害をファイナンスワン社に与えた後、九七年に英国に〃逃亡〃したとして、英国に対して身柄引き渡しを要求していたが、高等法院は、「背任の意図が認められず、またそれを立証する証拠もない」として、タイ側の訴えを退ける判断を示した。

 しかし、関係筋によれば、タイ当局は、十五日の不服申し立て期間内に、英国上院に〃直訴〃、今度は議会での審議を通じて、何とか身柄引き渡しを実現させたい考えだという。

 一方、タイ中央銀行のラタナコン総裁補(元検事)は、「今回の高等法院の判断は、中銀の命令が法律と同じ重みを持つことを英国側が理解していなかったことが原因」とコメントしている。タイ商業銀行法によれば、中銀の命令は法律と同等のものであり、罰則規定も設けられている。このため、英国の上院で取り上げてもらい、中銀の命令のもつ意味を詳しく説明することで、裁判所の判決を覆したい、というのがタイ側の「最後の一手」のようだ。

 ピン元社長は、「タイには戻るつもりはない。タイの司法当局も英国での判断を尊重してくれるものと希望している」と述べているが、タイ当局は、あくまでもピン氏をタイ国内で裁く考えであり、タクシン首相も身柄引き渡しを実現する可能性を探るよう検討を指示している。タイ検察当局によれば、同元社長による「犯罪」の時効は十五年であり、その期間内にタイに戻れば、逮捕・起訴されることになるとのことだ。



[BANGKOK SHUHO]