総 合

違法証券取引事件

外国人八十五人を逮捕


米・豪との共同捜査、被害総額は六十九億バーツ

 警察当局は先月二十六日、バンコク都内のオフィスビル二カ所を強制捜査、違法証券取引ビジネスに関与した容疑で外国人八十五人を含む計百二人を逮捕した。サン警察庁副長官によれば、捜査を受けたのは、バンコク・シティ・タワーとセティワン・タワーにオフィスを構えるブリントン・グループとベンソン・デュポン・キャピタル・マネジメントの二社。海外の投資家に勧誘電話をかけ、証券取引に出資させ、これを騙し取っていたとの疑いがかけられている。被害総額は六十九億バーツにのぼるとのことだ。

 今回の摘発は、証券取引委員会、不正資金洗浄対策事務所、警察庁経済犯罪課および出入国管理課、労働社会福祉省、そして米FBI、オーストラリア警察当局の協力で行われた。サン副長官は、「オーストラリア当局とは以前から情報交換をしており、一ヶ月前に協力して、この違法証券取引の調査を終えたばかりだ」と説明している。今回逮捕された容疑者はいずれも、タイ国内の裁判所で裁かれることになるが、有罪となれば、二年から十年の懲役刑、および最高二十万バーツの罰金刑を科せられることになる。

 証券取引委員会のプラサン事務局長によれば、今回の摘発は、オーストラリア、ニュージーランド、香港などの証券当局から「タイから証券投資への勧誘電話がかかってきている」と通報があったことによる。その後、捜査が開始されたが、幽霊会社を使ったり、連絡先をたびたび変更したりなど、居場所を突き止められないような策が講じられており、なかなかその実態が掴めなかったようだ。

 今回、証拠物件として、百五十万バーツ相当のドル紙幣と、証券投資へ勧誘するための小冊子などを押収したほか、電話使用記録をチェック、六十回線以上を使って外国に頻繁に電話していたことが確認されている。

 バンコク駐在のFBI法律専門家によれば、「このような証券取引に関連した詐欺事件は、米国では頻繁に摘発されている」という。このため、今回の事件は、同タイプの犯罪がタイなどの途上国にまで広がりつつあることを示すものであることから、プラサン事務局長は、「今回の事件を教訓にして、タイの証券投資家も甘い言葉に乗らないよう十分注意する必要がある」と警鐘をならすとともに、事件の再発を防止し、タイに対する証券投資家の信頼を回復する必要があると強調した。

 今回逮捕された外国人は、英国人が三十人とも最も多く、次いで米国人十四人、アイルランド人十人、オーストラリア人十人、フィリピン人六人、カナダ人五人。警察によれば、事件で中心的な役割を果たしていたのは六人、このうち二人はすでに逮捕されている。

 また、逮捕された外国人のうち五人は、事件に直接関わっていないことが判明したため、すでに釈放されたが、残りの八十人のうち、首謀者二人を除く七十八人は、出入国管理法・労働関連法違反で国外退去処分が決まっている。




[BANGKOK SHUHO]