総 合

ハーバード大学教授招聘計画

巨額の報酬に非難集中


不透明な「経済研究」の内容

 政府は、経済学の権威として世界的に知られるハーバード大学のマイケル・ポーター教授の招聘を計画。四千六百万バーツの報酬で、六カ月に渡ってタイで研究してほしいと要請していたが、同教授はボストンの事務所を通じ、「話し合いには当面応じられない」と回答した。

 同教授がタイに来る可能性はほぼなくなったが、巨額の金を支払って招聘しようとした政府への批判が高まっている。学識者らは、「ポーター教授がいくら世界的な経済学者だとしても、経済危機から十分に回復していないタイが、効果もわからない研究のため、一個人に巨額の報酬を支払うのはおかしい」と述べている。

 法外な報酬が提供されようとしたのは、ポッター教授がタイで一日半講義するために百万ドルを要求したためとも伝えられた。しかし同教授は、これを否定。「計画されていたのは講義ではなく経済研究で、報酬も研究チームに対するもので、しかも誤って算定された」としている。

 タクシン・チナワット首相は「タイが世界的な権威を雇うというだけでも意味がある」と表明。批判については、「本来の目的に関する説明が不足していたようだ。また報酬は四千六百万バーツではなく、三十七万五千ドル〜五十七万五千ドルの予定だった」と弁解している。

 さらに、同教授の研究にどのような効果が期待できるか説明しないまま、巨額の血税を使おうとした理由を追求された同首相は、「本当の目的を口にするにはタイミングが悪かった」と釈明。しかしその一方で、「マスコミや学識者はほとんど何も知らないのに声高に騒ぎ立てた。反対意見が大きく取り上げられたため、ポーター教授が及び腰になってしまった」と述べている。

 タクシン首相が最初からその目的を説明していたとしても、効果もはっきりしない見せかけのパフォーマンスに血税を投入することには、地道に経済再生策を研究している専門家から非難が集中しただろう。「資産家のタクシン首相ならポケットマネーでポーター教授を雇うべき」との意見も予想される。

 なお経済専門家は、「ポーター教授は、『市場の淘汰をくぐり抜けた者や、企業買収に適合した者が勝者である』という考えの持ち主。『中小企業を育て、地域の活性化によって経済の安定成長を図る』というタイ政府の基本方針とは相容れない」と語っている。


[BANGKOK SHUHO]