サマック都知事、就任から1年
大型プロジェクトを推進
一方で、「具体的業績なし」との指摘も
サマック・バンコク都知事は七月二十五日で就任一年目を迎えているが、先頃、バンコク都庁では過去一年の業績と今後の方針を発表した。
副農相、内相、運輸通信相、副首相といった要職を歴任したサマック都知事は、大型プロジェクト推進で手腕を奮ってきたこともあり、就任前から住宅や道路建設などのインフラ整備に力をいれるとみられていたが、過去一年の仕事をみる限り、その予測は的を得ていたといえよう。
まず住宅対策では、低所得者のための集合住宅計画を立ち上げた。これは別名、「トウモロコシ住宅」とも呼ばれる八角形の高層住宅で、第一号としてはラムカムヘン地区に三棟(二十一階、十四階、七階)を建築、七月二十八日からチャトチャック公園内で予約受け付けを開始する。
また王宮前広場(サナムルアン)の地下に大型駐車場を建設する計画も、賛否両論のなかで進行中だ。
さらにピチット前都知事も頭を悩ませていたゴミ問題では、都内四―五ケ所に中央ゴミ集積所を設けるほか、民間企業と契約して生化学ゴミ処理工場を建設、十年間は一トン当たり三百五十バーツで処理を依頼するが、事業権が切れたのちは、バンコク都の施設にするとの案が具体化に向けて進んでいる。また、将来的にはロブリ県に大型ゴミ処理場を建設し、ゴミを鉄道輸送する計画だ。
さらに、伝染病流行による国際都市バンコクのイメージダウンを事前に防止するため、時代遅れとなっている屠殺場を近代化することも検討されている。
このように、大型プロジェクトが目白押しというところだが、都の財政が苦しいのも事実。このため、積極的に民間企業の参入を求めていくほか、都債を発行しての資金調達も現在、財務省との折衝に入っているところだ。
一方、ピチット前都知事の優先政策のひとつであった都内美化では、高速道路下を都民の〃憩いの場〃として活用、これまでに四十八ケ所の整備が終了し、さらに十四ケ所で準備を進めている。前都知事が公園造営に熱心だったのに比べると、いくぶん優先順次が下がった感は否めない。
サマック都知事は就任早々、それまで禁止されていた水曜日の屋台営業を解禁。違法にショバ代を徴収していた警官や公務員を取り締まり、屋台の営業正常化を図るなど、ソフト面での改善にも着手したが、やはりインフラ整備などハード面重視の姿勢は否めない。
そのため、まだ具体的な成果に乏しく、「通常業務を消化するだけで、これといった業績がない」との指摘を受けるはめにもなっている。「まだ準備段階」として、批判を意に介さない都知事の任期はあと三年。ひっ迫する予算のなかでのサマック都知事の手腕が注目されている。
(倉林義仁記者)
|