タイの温泉
松下 正弘
ウエンパパオ温泉[チェンライ県]
この温泉を初めて見たのは、チェンマイから乗ったチェンライ行きのバスがトイレ休憩にわずかの時間停まったときだった。これはずいぶん以前のことで、今の定期バスは別のバスターミナルに停まる。しかし貸し切り観光バスでここにトイレ休憩に寄ったとしても、土産屋と食堂が合わせて六十軒以上並んでいるので、英語の「HOT SPA」という看板を見落とすと温泉地であるとはわからない。
チェンマイ市役所前からチェンライ県ウエンパパオ郡までは七十二キロあり、車で一時間十五分ほどかかる。国道一一八号線の景色は素晴らしく、もちろん交通渋滞もない。
ウエンパパオ温泉には、ブロックに囲まれた源泉らしいものが陸地に四カ所、河原に二カ所あり、蒸気だけが出ている場所も河原に四カ所ある。案内看板に、温度は九十度と書いてあった。
周辺では二十人くらいの売り子が鶏とウズラの卵を大籠二十バーツ、小籠十バーツで売っている。売り子によれば、卵は七分くらいお湯に入れるといいという。ブロック囲いのところは深いので、売り子が卵を棒で降ろしてくれる。お湯は食堂の食器洗いや洗濯にも使われていた。
入浴施設はないか、焼きバナナの売り子に尋ねてみたが空振り。次に尋ねた食堂の店員が、唯一の入浴施設「ラーンノーンウエー」を教えてくれた。ここには入浴できる個室が六部屋あり、バスタブ付きは五十バーツ。お湯は四十度から五十度くらいで、水でうめないと入れない熱さである。
宿泊できる部屋もあったが、女主人によれば、月五十人ほど入浴する程度なので、今は使用していないという。ここは土産屋と食堂、そして温泉卵を楽しむ観光ドライブインのようだ。
サンカンペーン温泉[チェンマイ県]
ここには高さ十メートルまで吹き上げる間欠泉がある。場所はウエンパパオ温泉から一一八号線でチェンマイ方向に三十分ほど行ったところ。チェンマイ市からは約四十キロ離れている。小高い山に囲まれ人里から離れているが、向かう途中には「HOT SPRING」という案内看板がよく出ている。
間欠泉は大きな公園の中にあり、きれいな花も植えられている。入場料は十バーツ(子どもは半額)。ウエンパパオ温泉のような無秩序な混雑はなく、西洋人の姿も多く見かける。何より三本の間欠泉の景観が見事である。看板にはランパーン県開発公社が、仏暦二五四〇(一九九七)年に四十九メートルまで掘削したと書かれている。園内では卵が二十バーツで売られ、三種類のゆで方が、英・タイ語の両方で表記してあった。
そして温泉施設が各種整っているのには再度驚いた。各施設の利用料金は別表に示したとおり。施設は清潔に維持されていて、宿泊も可能だ。タオルは六バーツで借りられ、テントの貸し出しや、タイ式マッサージもあった。
タイの温泉
北部[チェンライ県]ウエンパパオ、メーチャン
[チェンマイ県]サンカンペーン、ルンアルン、ファン、チャイプラカーン、メーテン
[メーホンソン県]プーナムローン、プークロン、パイ
[ターク県]ナムトックティーローチョー
[ウタイタニ県]ナムプーロンモートーン
南部 [ラノン県]ボーナムローン
サンカンペーン温泉の利用料金
・お湯浴び(8室)…15バーツ
・バスタブ入浴(4室)…30バーツ
・バスタブ付き個室(宿泊も可)…100バーツ/時間
・大型家族風呂(人数制限なし)…200バーツ/時間
・温水プール…大人50バーツ、子ども30バーツ
(社)日本温泉協会発行「温泉」第六十九巻第四号に掲載された原文を一部編集・再構成しています。(編集部)
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