総 合

タイ愛国党

有力議員が政府批判


「国営報道機関に過度の干渉」

 連立政権の中核をなすタイ愛国党のピヤナット・ワチャラポン議員が、「国営報道機関に干渉し報道を歪曲している」と政府を厳しく批判したことから、同僚議員の猛反発を買い、同議員を追放すべきだという声が党内で強まっている。

 チャワリット内閣で、国務相を務め、国営報道機関を監督した経験のあるピヤナット議員は今月十二日、「政府広報局のニュース報道が歪曲されている証拠を握っている」と述べるとともに、「政府が憲法に反して、同局の報道責任者を更迭しようとしている」と批判、行政裁判所に提訴するとの姿勢を示した。

 また、ピヤナット議員は、タクシン首相が積極的な姿勢を示している与党・新熱望党の吸収合併にも強く反対。同議員は、「政党の吸収合併は単なる勢力拡大のためであり、先に選挙でそれぞれの政党、候補に一票を投じてくれた有権者の意向を裏切るもの」と、反対理由を挙げている。

 タクシン首相は、一度は「ピヤナット議員は滅茶苦茶だ。彼のことで時間を費やされるのは御免だ」と述べ、嫌悪感を露わにしていたが、十六日には、「党内からは辞めさせるべきだという意見が出ているが、政府の報道機関への干渉を批判しただけであり、辞任する必要はない」と寛大な姿勢をみせた。しかし、タクシン首相は、「今後も政府を批判するようであれば、政府の仕事を任せることはできない」とも釘を刺した。

 また、ピヤナット議員の父でベテラン政治家のサガー氏は、与党第一党に所属しながら、政府を批判するとは与党党員にあるまじき行為だとして、「ピヤナットはタイ愛国党から出てゆくべきだ」と自ら子息を糾弾している。

 一方、最大野党・民主党のアピシット・ウェチャチワ副党首は、オンブズマンに対して、国営報道機関の報道が偏向していると指摘するとともに、それを裏付ける証拠があるか検証し、適切な措置を講ずるよう要請した。

 同副党首は、政府広報局(テレビのチャンネル・イレブン、ラジオのラジオタイランド)、タイ・マスコミ機構、テレビ局のチャンネル5の報道内容に政府が干渉しているという。同副党首は、オンブズマンがこの問題を解決できない場合、首相に直接訴え、議会での審議を求める考えという。

 タクシン首相は、総選挙前に金にものを言わせてテレビ局「iTV」をコントロール下に置き、自分やタイ愛国党に不利なニュースを放送させなかったと非難されたことがある。このため、今回のピヤナット議員の指摘もあながち的外れとはいえないようだ。


[BANGKOK SHUHO]