ウタイ国会議員の職権乱用疑惑
最高裁、判決言い渡しを延期
被告が入院、有罪の場合は「解任」
刑事裁判所は今月十六日、ウタイ・ピムチャイチョン国会議長(タイ愛国党所属)に対する、最高裁判所の判決言い渡しを、同議長が入院中で出廷できないため、十一日間延期することを決めた。実刑判決が言い渡された場合、ウタイ氏は国会議長の座を失うことになるが、下院議員の間からはすでに引責辞職するよう求める声も出ている。また、執行猶予付きの有罪判決であれば、ウタイ氏は議長職にとどまることができるものの、「不適格」との批判が強まることは確実と予想されている。
ウタイ議長の容疑は、商務相時代の人事権濫用。ウタイ大臣は、民間企業「ハート・オイル・サイアム・インポート・エクスポート」から訴えられたパチャラ・イサラセナナアユタヤ事務次官を、その役職に相応しくないとして解任したが、パチャラ氏は「解任は不当だ」として、公務委員会に提訴。チュアン・リークパイ首相を議長とする同委員会は、パチャラ氏の言い分を認めたが、ウタイ氏はこれを無視し、結局パチャラ氏は復職できないまま定年に至っている。 このためパチャラ氏は、これは人事権の濫用に当たるとして九三年に刑事裁判所に訴えたところ、同裁判所は、「解任は不当であり、ウタイ氏は意図的に復職を許可しなかった」との判断を示した。ウタイ氏はこれを不服とし上告したが、上級裁でもパチャラ氏の主張が認められたため、結局、最高裁で争われることになった。
ウタイ議長は、出廷できなかった理由として、「目の手術後、入院していたため」と説明、入院先のピヤウェート病院からも、「二十六日まで入院して経過を見る必要がある」との診断結果がでているものの、これには「時間稼ぎ戦略」との批判も上がっている。
しかし、ウタイ議長はこれを否定するとともに、「二十七日には必ず出廷する」と明言。「目に耐えられない痛みを感じ、病院に行ったところ、逆さまつげと判明し、首相にも誰にも相談せずに急きょ手術を受けることにした」と経過を説明している。
また、ウタイ議長が有罪になった場合、タクシン・チナワット首相は、ポンポン・アディレクサン国務相を国会議長に据える心づもりだ、と一部で報道されたが、同首相は、これを全面的に否定するとともに、「判決はまだ下っていないのであり、憶測で発言することはできない」と述べるなど、慎重な姿勢を見せている。
なお、ウタイ議長によれば、パチャラ事務次官を解任した際、公務委員会の小委員会に相談したところ、「商務相には解任の権限がある」との判断を示されたにもかかわらず、その後、パチャラ氏の提訴により審議を行ったことで、今度は、人事権の濫用と判定されたということだ。
|