総 合

行政裁判決

PPA風邪薬成分の使用認めず


民間医の提訴却下、保健省方針を支持

 保健省食品・薬品管理委員会は昨年十二月、米国エール大学の研究報告をもとに、風邪薬などの成分フェニルプロパノールアミン(PPA)の使用禁止を決定、今年六月十八日より施行した。

 この措置については、都内で医院を経営する医師が先月、「安価で有用性の高い風邪薬を国民から奪うことになる」として延期を求め、行政裁判所に提訴していたが、今月十六日に却下された。

 エール大学の研究報告では、PPAを服用した女性は脳溢血の危険性が二倍に高まり、特に食欲低下剤として多量に服用した場合は危険性が十六倍に達するとされている。

 訴えたテープ・ウェトウィシット医師は食品・薬品管理委員会が一件の研究報告だけで使用禁止を決定したことを、「権限の濫用」と非難。エール大学の研究報告は、タイにおける風邪薬の使用状況には適用できないと指摘している。

 食品・薬品管理委員会の禁止措置については、テープ医師のほかにも大学病院の医師など複数の学識者が、「PPAの風邪薬として効能には、確率の低い危険性をはるかに上回る利点がある」として見直しを求めている。

 しかし食品・薬品委員会は、PPAの使用禁止を解除すれば、国民の健康を危険にさらす結果になると反論。また「現在、風邪薬を製造している製薬会社の九〇%が、すでにPPAの使用を取りやめており、再びPPAが使用できるとなれば、かえって混乱を招くことになる」と述べている。

 今年初め頃には、製薬会社がPPAを含む薬品の回収を進めたため、薬局で風邪薬の品切れが目立ったが、現在は同委員会がPPAの代替品として認可したプスドフィダインを使った新製品が出回るようになった。これについてもテープ医師は、「プスドフィダインにも血圧の変動などの副作用があり、PPAの副作用だけを取り上げて使用禁止にする理由はない」と訴えていた。

 裁判所はテープ医師の訴えを棄却した理由として、PPAの禁止によってテープ医師自身が被る損害以外に根拠を証明できなかったこと、消費者保護の立場にある食品・薬品委員会の業務を妨げるべきではないことを挙げている。

 一方、医療評議会では、議論が高まっているPPAの効能や副作用について詳しい調査を予定。同評議会のチュムサク・プルクサポン代表は「今回、裁判所は行政管理上の判断しか下していない。使用禁止の解除は困難だが、評議会では分析結果を八月中に発表する」と語っている。



[BANGKOK SHUHO]