下落を続けるバーツ相場
四十六バーツ台突入か
バーツ相場が近隣諸国通貨に足並みを揃えて下落している。六月五日の終値一ドル=四十五・一二バーツからじりじりと下落を続け、一時的に反発することはあったものの、七月十八日の終値は四十五・八三バーツまで下落した。市場関係者の中では近いうちに四十六バーツを突破すると予想する向きが出始めている。
七月一六日に政府は「五年間経済再生プラン」と主要指標の計画値を公表した。この中で、経常収支の増加率を低いレベルに見積もったことに市場が反応した。二〇〇一年こそ前年比三・一%の増加と設定したものの、国内投資と海外からの直接投資の減少予想から、二〇〇二年以降の増加率を毎年〇・三―〇・五%ずつ減少させて設定し、二〇〇六年の増加率は〇・四%になると予想したものだ。今年五月時点で三百二十億ドルあった外貨準備高も、対外債務の返済や最近タイ中銀が実施したバーツの買い支え介入で目減りしている。主要取引先である米国と日本の景気悪化で輸出も伸び悩んでいる。金融と実体経済の両面でバーツ相場の下落要因になっている。
タイの金融政策を監視する役目にあるソムキット財務相とタイ中央銀行のプリディヤトーン総裁は一様に「バーツ相場の下落は許さない」「バーツ相場は市場(=近隣諸国通貨)の動きに足並みを揃える」と発言している。これは「一定レベルまではバーツ相場の変動を市場に任せるが、それ以上の下落は容認しない」と読み替えるのが正しいだろう。現在は、この“一定レベル”の範囲を探っている感じだ。アジア経済先進国のシンガポール・ドルと日本円が下落基調にあり、為替関係者の心理もダウン・トレンドにある今、短期的にバーツが反転上昇する可能性は低い。タイの経済関係者はバーツ相場の行く末を固唾を飲んで見守っている。
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