標準時間の変更を検討
ASEAN・中国で統一の可能性も
チェンマイ閣僚会議
チェンマイで開かれている閣僚会議で、タイの標準時間を現在より一時間早めるという案が議題に上って話題となっている。タイの標準時間を東南アジアの金融・情報拠点であるシンガポール、香港の時間に合わせることで、ビジネスを効率化させようということだ。 この案は今回初めて出てきたものではない。一九九五年十二月にバンコクで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で、ASEAN十ヶ国の標準時間を合わせることが検討されている。
ASEANではシンガポール、マレーシア、フィリピン、ブルネイがタイよりも一時間早く、インドネシア、ベトナム、カンボジア、ラオスがタイと同じになっている。これを合わせれば域内ビジネスの効率は高まるが、時間を変更する側が一方的に様々なコストと手間を強いられるので、九五年当時はどちらの時間に合わせるかで意見が分かれ、実現には至らなかった。
しかし今回は、タイ政府が自主的にシンガポールなどに合わせることを検討しており、その実現はタイ次第といえる。タイが時間を早めればカンボジアなどもそれに従う可能性がある。アジア一帯を見渡したとき、中国の標準時間もシンガポールなどと同じであり、今後の中国の影響力拡大を念頭に置けば、ASEAN諸国がそれに合わせることのメリットはある。
日本との関係で見ても、現在の二時間の時差は結構大きく、日本時間に合わせている日系企業や日本からの短期出張者、旅行者にとって負担となっている。これが一時間に短縮されれば、タイとの関わりのある日本人にとって楽になる。ただし、将来的に日本の金融市場の地位低下を加速する要因となるかもしれない。
タイが標準時間を一時間早くすれば、日の出、日没の時間が遅くなる。これと同様のことが中国雲南省でも見られる。中国の標準時間は首都北京の時間に合わせているので、そこから約三千キロ西にある雲南省では夕方が長く感じられる。今の時期なら日没が午後八時くらいになっている。この結果、夜更かしをする人が多いようだ。省都昆明の公園や歩道には午後十一時になっても夕涼みの老人や恋人、遊んでいる子供たちが少なくない。
タイが標準時間を早めれば、ただでさえ遊び好きのタイ人のこと、夜更かし組が増えることは間違いなさそうだ。
(水谷 昇 記者)
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