週間ニュース
七月五日(木)
警備会社の社長
警察当局は、テスコロータス二店で手投げ弾が爆発した事件で、ロータスの警備を担当していた警備会社社長、モンコン陸軍中佐を逮捕した。爆破事件が起きたテスコロータス店のうち、シーコン・スクエア・コンプレックス内の爆発では、従業員一人が重傷を負い、病院に運ばれたが死亡。またこの時、手投げ弾の破片で店内にいた買い物客も一人負傷している。最初の爆破事件はサムットプラカン県で今月一日午前零時過ぎに、そして、第二の事件は四日午後十一時過ぎに前出のシーコン・スクエアで起きた。警察では、この二件は関連があるものとみて、捜査を進めている。なお、シーコン・スクエア店内の事件では、商品が入った買い物カートが放置されていたため、男性従業員が商品を取り上げたところ、手投げ弾が爆発。警察によれば、手投げ弾は、安全ピンを抜いて商品の下に置かれており、商品を動かすと爆発するようになっていた。手投げ弾はロシア製で、殺傷能力は半径二百メートルに及ぶという。
フカヒレに水銀
タイ科学技術研究所のビラサク所長は、「フカヒレは安全である。安心して食べ続けてほしい。フカヒレは私の好物でもあり、今後も食べるつもりだ」と明言した。これは、先に環境や野生動物の保護活動に従事する国際団体「ワイルドエイド」が、タイで売られているフカヒレには基準値を大きく超える水銀が含まれていると警告したことに伴うものだ。この警告は、タイ科学技術研究所の調査に基づいたものだが、ビラサク所長は、「調査はわずか十点の検体を分析した結果にすぎない」と説明、「バンコクで売られているフカヒレの七〇%に、許容量の四十二倍の水銀が含まれていた」とするワイルドエイド側の報告に対しても、「わずかなサンプルで、そのような結論を出すことには無理がある。少なくとも百点程度検査する必要がある」と疑問を呈している。
イミュニター
保健省伝染病予防局のソムソン局長によれば、V1イミュニターをエイズ治療薬として認めるかどうかを決定するまでには、さらに三週間以上時間がかかりそうだという。V1イミュニターは、開発者がエイズ特効薬だと主張しているため、現在、その薬効に関する詳しい検討が行われている。同局長によれば、検討のために二つの委員会が設置されているが、今回、公平を期すために第三の特別委員会も設置されることになった。この委員会は、V1イミュニターを服用したエイズ患者にどのような影響が出ているかを検証することになっている。
サンペンで火事
バンコク都内サンペン通りで火災が発生し、倉庫を含む商店七軒が焼け落ちた。サンペンは衣料品の問屋、小売店が集中しているところとして知られている。午前中に発生したこの火災は、発生から二時間後に鎮火したが、現場は建物が密集し、通路も狭いことから、消火に時間がかかった。
副首相との関わり
陸軍の発表によれば、テスコロータスの爆弾事件で逮捕された警備会社の社長、モンコン陸軍中佐は、本人の希望で、陸軍官房から国防相官房に異動しており、陸軍では「すでに関わりがない」と発表している。同中佐は、チャワリット副首相兼国防相のソンチャイ秘書官の事務所で二ヶ月前から働いていたようだ。先月は、カンチャナブリ県知事殺害事件に関連して国軍最高司令部付きの軍人が逮捕されており、陸軍のシラポン秘書官は、「問題を起こす軍人にはもううんざりだ」と述べている。
七月六日(金)
ビデオテープ
中央選管によれば、先にテレビで放送されたビデオフープの内容が事実であれば、与党・チャートタイ党は、解散が命じられることになるという。このテープは、隠し撮りされたもので、誰の顔も写っていないが、有権者を一人二百バーツで買収するとの話し合いが録音されている。そして現在、この声の主が、同党のソムサク副党首とシティチャイ議員(ナコンナヨック県選出)ではないか、との疑惑が取り沙汰されている。このテープは、テレビ局「チャンネル5」で放送され、その後選管に証拠として提出された。また、タイ字紙「デイリーニュース」のウォラウィット編集長は、テレビ番組の中で、「テープの出所を知っている」と明言、また、チャンチャイ元民主党議員(ナコンナヨック県選出)も「事情を知っている」とコメントしている。
容疑者に暴力
テスコロータスに手投げ弾を仕掛けた容疑で三人が逮捕されたが、そのうち首謀者とされるモンコン中佐の弁護士は、警察官が容疑者に暴力を振るったと述べた。これに対し、警察当局は、「そのような事実はない」と否定するとともに、暴力を振るう必要もないと強調した。また、これまでテスコロータスの警備を担当していたロイヤル・ガード・グループ社社長の同中佐は、新たにテスコロータスの警備を担当した会社が手投げ弾事件に関与していると反論しているが、今回の事件は、現在警備を担当している警備会社の責任にもなるわけで、この会社が事件を起こすことはありえない、との見方が支配的だ。
過剰な医療費
関係筋によれば、外来患者の医療費を一回三十バーツに抑えるとの政府の計画で、ナコンラチャシマ県ブアヤイの私立病院が、過剰な医療費を請求したとして、計画から外される見通しとなった。同病院では、出産で一万バーツ以上を支払わされた女性など、少なくとも三人が過剰な医療費を請求されたとされている。病院側は後で取りすぎた分を返却したが、関係筋は、「この計画への国民の信頼に影響するため、この病院は計画から除外されることになろう」と述べている。このトラブルについて、スラポン副保健相は、「計画への参加を申請したすべての病院で実際に医療費が引き下げられているかをチェックする必要がある。政府は計画対象エリアを十月には全県に拡大する方針だが、これに遅れが出ることも考えられる」と顔を曇らせている。
党内の意見対立
タイ愛国党では、党の運営を巡って古参議員と若手議員の意見が対立しているが、タクシン党首(首相)は今月十四日に開く臨時党大会で、この問題を解決したい考えだという。同党では、博士号を持つ約二十人の若手議員が、タクシン党首に対し、若手を積極的に起用して、古参議員の影響力を弱める党の改革を断行するよう求めている。
七月七日(土)
陸軍司令官ポスト
関係筋によれば、モンコン国軍最高司令官の推挙で、スラユット陸軍司令官が、今年の定例人事異動で、国軍最高司令官に就任するとの見方が強まっているが、陸軍内部ではスラユット大将を陸軍司令官ポストにとどめるよう求める声が強まっているという。これらスラユット大将寄りの将校たちは、陸軍の結束とこれまでの方針を維持するために、同大将が陸軍司令官ポストにとどまるべきだとしている。国軍最高司令部は、陸海空三軍を統括する機関だが、国軍の中では、陸軍司令官が実質的な国軍トップと考えられている。
警備責任者の関与
テスコロータスの手投げ弾事件で、警察当局は、同店の警備責任者、チャムナン陸軍大佐から事情を聞く意向だと伝えられる。テスコロータスは警備保障会社に二十八店舗の警備のため月間一千万バーツを支払っているとされるが、同社は先にロイヤル・ガード社との契約を停止、これに伴い、ジェネラル・ガード・インターナショナル社がテスコロータスの警備を担当することになった。このジェネラル・ガードのコム社長によれば、チャムナン大佐とロイヤル・ガード社のモンコン社長との間には金銭に絡むいざこざがあり、これが手投げ弾事件の原因である可能性もあるという。
フカヒレの安全性
バンコクの中華街、ヤワラートでは、フカヒレ料理専門店が、英国のワイルドエイドの発表に猛反発している。この団体はタイで食されているフカヒレには多量の水銀が含まれており、健康に害があると発表、このためにヤワラートではこれらレストランの売り上げが七〇%も落ち込んでいるという。
七月八日(日)
反対勢力の動き
タイ愛国党が複数の政党を吸収合併しようとしていることについて、与党・新熱望党内では反対する意見が強まっている。関係筋によれば、新熱望党では、ワン幹事長(国会議長)がタイ愛国党に合流することに積極的だが、スカウィット副党首、同副党首の長女ティティヤ議員、プレムサク議員、チンチャイ副党首の幹部四人などが、タイ愛国党に吸収されることに抵抗を示している。スカウィット氏とティティヤ女史の父子は、吸収合併が決まった場合、民主党に移籍する可能性もあるという。関係筋によれば、タイ愛国党内でもサノ最高顧問が合併反対を表明しており、場合によっては、連立政権内で深刻な対立問題に発展する恐れもでている。
殺人容疑で逮捕
サムットプラカン県のゴミ集積場建設計画に反対していたグループのリーダーが先に殺害された事件で、警察当局は、現場を警備していた警備主任を殺人容疑で逮捕した。警察は、先に主任の肉親の自宅を捜索し、犯行に使われたとみられるライフルや実弾を押収している。しかし、同容疑者は、建設現場の警備を担当していただけであり、殺人とは関係がないと述べて、容疑を全面的に否定した。
ISPに減税措置
タクシン首相兼教育相の提案により、閣議で、教育機関を対象に無料インターネット・サービスを提供する接続業者(ISP インターネット・サービス・プロバイダ)に減税措置を適用するとの案が近く閣議で審議される見通しだ。チャムロン副教育相によれば、インターネットを導入したいと考えている学校は多いものの、電話料金、接続料金を払えないところが多いのが実情。首相の提案に伴い、運輸通信省が具体的な減税案を作成し、これが閣議で審議される見通しだ。
七月九日(月)
公職追放の期間
憲法裁判所関係筋によれば、タクシン首相は、資産不正申告疑惑で有罪判決を受けたとしても、公職からの追放は短期間になる可能性が高いという。閣僚に義務付けられた資産申告を正しく行わなかった場合、五年間にわたり公職から通報されることになる。しかし、同筋によれば、同裁判所の判事十五人の多くが、公職追放は、その申告に関係する閣僚ポストが終わった時点から始まるとの意見だという。問題となっている資産申告は、タクシン首相がチャワリット内閣で副首相を務めた際のもので、タクシン氏は九七年十二月四日に副首相を辞している。このため、この時点から追放がスタートすることになれば、その五年後の来年十二月初めには政界に復帰することが可能になる。その時まで現政権の人気が続いていれば、その直後に総選挙を行い、再びタクシン氏が首相ポストに就く可能性も低くないとみられている。
首相の外遊
タクシン首相は、木曜日からの四連休(民間企業の場合は金曜日からの三連休)、ニュージーランドを訪れたことを明らかにした。首相は、息子に父親らしいところを見せるためであると話す一方で、「ワーキング・ホリデー」であり、政務から完全に解放されたわけではなかったとも説明した。なお、今回の旅行は個人的なもので、費用も首相が自分で負担し、飛行機もファーストクラスは利用しなかったという。
東部で洪水の被害
トラート、チャンタブリなど東部の複数の県では、集中豪雨による洪水のため、広範なエリアが冠水、農地やエビ養殖場に被害が出た。なお、これらに県では、徐々に水位が低下しており、状況は改善に向かっているという。
幹部出席せず
与党・新熱望党では、結党十一周年を祝う宗教行事が執り行われたが、スカウィット副党首、及びチャルム副党首など幹部の多くが欠席した。これは、これら幹部が、同党がタイ愛国党に合流することに反対しているからだと伝えられているが、チャワリット党首(副首相兼国防相)は、「早朝のセレモニーであったため、出席できなかったのだろう」と語るにとどまった。
七月十日(火)
合併に幹部の抵抗
タイ愛国党では、党首のタクシン首相が複数の政党を吸収合併して勢力を拡大しようとしているが、これに同党のサノ最高顧問がはっきりと「ノー」を表明した。同最高顧問は、「タクシン党首が反対意見に耳を傾けずに、ほかの政党を抱え込めば、首相としての職務遂行に支障が出る」と警告するともに、「首相は行政府の最高責任者だが、私は下院で過半数の議員をコントロール下に置いている。タクシン首相がそのポストにとどまることができるかどうかは、私の考えによって決まる」とも述べている。同党関係筋によれば、サノ最高顧問は、ワンナムイェン派の領袖として党内で隠然とした影響力を持っているが、ほかの政党が合流することで、議員数が増加し、同派閥の発言力が弱まるのを恐れているとのこと。
洪水で受刑者避難
チャンタブリ県では集中豪雨による洪水で中央刑務所が浸水し、受刑者をボート、トラックで他県の刑務所に移動させることになった。矯正局のシワ局長は、「受刑者の移動は一時的な措置である。予算が割り当てられ次第、洪水が起きても浸水しないよう中央刑務所を改善したいと考えている」と述べている。
欠勤届の偽造
妻の医師を殺害したと疑われているウィスット医師は、警察に出頭し、妻の欠勤届を偽造した容疑について釈明した。同医師は、容疑を否定し、また、十万バーツで保釈されている。警察によれば、同医師は、妻の欠勤届を二通偽造した疑いがあるとのこと。そのうち一通はウィスット医師がある女性にタイプさせたもので、関係筋によれば、妻が生きているように見せかけるために欠勤届を偽造して職場に送付したのだとの疑惑も浮上しているという。
七月十一日(水)
脅しに動じず
タクシン首相は、タイ愛国党のサノ顧問団長の〃脅し〃にも動じず、野党・チャートパタナ党を連立政権に参入させ、同党をタイ愛国党が吸収合併するとの考えを再確認した。タクシン首相は、「タイが直面する慢性的な問題を解決するためには、タイ愛国党が勢力を拡大して安定した長期政権を実現する必要がある」と強調するとともに、「政党がその政党の利害よりも国の利益を第一に考えなければならない新しい時代になっていることを政治家は自覚する必要がある」と述べて、暗にサノ最高顧問を批判した。
第三者の関与
テスコロータスのチャムナン副社長は、同社のある幹部が手投げ弾事件に関与している疑いがあると指摘した。同副社長は、「テスコロータスのある幹部が、元警察長官とつながりのある警備保障会社を使うよう求めたことがある。しかし、私は軍に関係する警備会社しか選ばなかった」と述べて、この幹部が不満を抱いていることを示唆した。チャムナン副社長によれば、この会社がテスコロータスの警備に選ばれなかったことを逆恨みし、同副社長の信用を落とすため、手投げ弾を仕掛けた可能性が高いという。なお、チャムナン氏は現職の軍人(大佐)であり、軍の規定で民間企業の役員などを務めることが禁止されていることから、テスコロータスに辞表を提出している。
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