テスコロータス爆弾事件
警備の委託巡って怨恨
契約担当と警備会社の癒着も
今月一日と四日、大手スーパー「テスコロータス」の二店舗で相次いで爆弾が爆発し、従業員一人が死亡、別の従業員と買い物客の二人が重軽傷を負った。
事件は当初、「テスコロータス全店の警備を担当していた会社の社長が、契約打ち切りを逆恨みして犯行に及んだ」との見方が強かった。しかし捜査が進むにつれ、警備を担当するテスコロータス副社長の関与も指摘され、事件はにわかに複雑化の様相を呈している。
まず最初に事件への関与が疑われたのは、かつてテスコロータス全店の警備を担当していたロイヤル・ガード・グループ・ホールディング社の社長で陸軍幹部のモンコン・ナレットセニ中佐だった。
今月一日、サムットプラカン県のテスコロータスで手投げ弾が爆発し、従業員一人が重傷を負った事件では、翌日逮捕されたロイヤル・ガード社の元社員二人が、「モンコン社長(陸軍中佐)の指示で手投げ弾を仕掛けた」と自供。さらに今月四日には、再びシーコン・スクエア内のテスコロータスで第二の爆発事件が発生し、従業員一人が死亡、買い物客一人が負傷した。
モンコン社長(陸軍中佐)は、テスコロータスがロイヤル・ガード社との契約を更新せず、新しい警備会社ジェネラル・ガード・グループ・インターナショナルと契約したことを非常に憤慨し、爆弾を仕掛けてテスコロータスに損害を与えようとしたものと疑われている。
しかし今月五日に逮捕されたモンコン社長(陸軍中佐)は、容疑を全面的に否定。「爆弾事件はロイヤル・ガード社に罪を着せるため、ライバル会社が仕組んだもの」と主張している。
一方、新たにテスコロータスと契約したジェネラル・ガード社は、ロイヤル・ガード社を二カ月前に飛び出したコム・クルナック元陸軍大佐が設立した新しい警備保障会社。このため、コム元陸軍大佐とモンコン社長(陸軍中佐)の間で、利害に絡むトラブルがあったとも見られている。
この事件では捜査が進むにつれ、事件の解明につながる重要な情報を握る人物として、テスコロータス副社長で店舗の警備責任者であるチャムナン・マサムラン陸軍大佐の名前も取り沙汰されるようになった。
テスコロータスは、かつて店舗の警備を委託していたロイヤル・ガード社に月一千万バーツあまりを支払っていた。この間、チャムナン副社長(陸軍大佐)は、ロイヤル・ガード社を採用する際に便宜を図ったとして、モンコン社長(陸軍中佐)から月々四十万バーツを受け取っていたとされる。そして後にチャムナン副社長(陸軍大佐)が増額を求め、モンコン社長(陸軍中佐)が拒否したことから、二人の関係が険悪化したようだ。
モンコン社長(陸軍中佐)のロイヤル・ガード社が契約を打ち切られ、ジェネラル・ガード社が新たにテスコロータスの警備を請け負った際には、やはりチャムナン副社長(陸軍大佐)の後押しがあったと伝えられる。
これらの事情を考慮すると、テスコロータスのチャムナン副社長(陸軍大佐)が、献金の増額を断ったモンコン社長(陸軍中佐)のロイヤル・ガード社を切り捨て、敢えて同社長と不仲のコム元大佐が設立したジェネラル・ガード社を引き立てたことになる。
この三人のうち、最も不利益を被ったモンコン社長(陸軍中佐)が、恨みから爆弾を仕掛けさせたと考えることもできる。しかし同社長が主張するように、何者かがロイヤル・ガード社に濡れ衣を着せようとした可能性もある。二つの爆弾事件は首謀者が同一とは確認できていないため、真相解明にはまだ時間がかかりそうだ。
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