週間ニュース


六月二十八日(木)

新国軍最高司令官

 軍関係筋によれば、サンパオ国軍最高司令官が今年九月末で定年退職した後、スラユット陸軍司令官が新しい最高司令官に選ばれる見通しだという。二人は先にこの件について話し合ったと伝えられる。しかし年度初めの十月に行われる定例人事異動は、チャワリット副首相兼国防相の最終的な承認を得た上で決定されるため、チャワリット副首相が、スラユット大将を国防事務次官に据えるとの見方もある。ただし、軍内部で人望のあるスラユット大将を権限で最高司令官に劣る事務次官ポストに就かせることはないとも考えられている。またスラユット司令官の後任については、ニポン陸軍司令官補が選ばれるとの見方が軍高官の間で強まっている。ニポン大将は、チャワリット副首相と近い関係にある一方、スラユット陸軍司令官とは不仲らしい。

将校の関与

 先に民主党は下院議員の補欠選挙に関し、「ある将校がカンチャナブリ県で民主党候補に投票しないよう圧力をかけている」と訴えた。このため中央選管は、同県で実態を調査するため、委員の団体を派遣した。調査を担当したサワット委員によれば、今回の補欠選挙では、すべての選挙区で選挙違反が報告されており、カンチャナブリ県でも問題の将校が新熱望党候補に投票するよう有権者を脅迫していたという。この件について民主党党首のチュアン前首相は、新熱望党党首のチャワリット副首相に対し文書で抗議している。

来年度予算案

 臨時国会で来年度(今年十月から来年九月)の予算案が承認された。同案では、歳出が歳入を二千億バーツ上回る、一兆二百三十億バーツに設定されている。また使途が明記されていない予備費五百八十億バーツも設定された。予算案の内容については、野党の民主党、チャートパタナ党の議員が問題を指摘していたが、連立政権側が議会で圧倒的多数を誇ることから承認される結果となった。

首相支持運動

 自動車販売会社「ベンツ・トンロー」が、タクシン首相の支持運動を開始したことについて、民主党のピチェート議員は、「同社はタイ愛国党のおかげで数百万バーツの税金を払わずに済んだ。首相支持運動はこのことに対する個人的な返礼にすぎない」と指摘した。同議員によれば、「ベンツ・トンロー」が三百台のバンを輸入した際、間接税局がスチャート副蔵相の意向を受けて課税しなかったため、同社は一億二千万バーツの税金を免れたという。「ベンツ・トンロー」は現在、顧客に黄色の旗を無料で配布し、これを掲げてタクシン首相への支持を表明するよう呼びかけている。

麻薬対策を批判

 民主党幹部のチュリン議員は、政府の麻薬対策について、「広報活動にばかり力を入れて無駄金を使い、実質的な措置を講じていない。政府は問題を根本から解決する努力を怠っているとしか思えない。麻薬問題への取り組み方自体を見直す必要がある」と批判した。タクシン首相は先に、チェンライ県で麻薬問題に関する研究集会を開催。ミャンマー領内の町が麻薬密売で得た金で潤っていると指摘して、ミャンマー側の反発を買った。このことについても同議員は、「覚醒剤やヘロインの密造所の多くは近隣諸国に存在する。麻薬問題はタイ政府だけで解決できないことを認識すべきなのに、あの研究集会によりミャンマーの協力を引き出すことが困難になった」と述べている。

六月二十九日(金)

選挙違反で逮捕

 三十日に下院補欠選挙の投票が行われるウボンラチャタニ県で、与党・チャートタイ党のティーラチョーク議員が、選挙違反容疑で逮捕された。警察当局が選挙違反を摘発するため、同県に検問所を設け、抜き打ちで車の内部などを調査していたところ、現金十三万六千五百バーツとタイ愛国党候補を中傷するビラを積んでいたトラックを発見。これにティーラチョーク議員など十人が乗っていたもの。発見されたビラには、中央選管のサワット委員の署名が無断で印刷されていた。

スタッフの復職

 政府の労働関係委員会は、テレビ局iTVが労働関係法に抵触する方法で職員を解雇したと認定。同社に対し、先に解雇した二十二人を十日以内に復職させるとともに、解雇日から復職日までの給与を賠償金として支払うよう命じた。これに対し、iTV経営陣は、委員会の命令は最終的な決定によるものではないとして、裁判所に無効を求める姿勢を見せている。

国際通話料金

 タイ通信公社(CAT)は国際通話料金を五・五五%〜四〇%値下げすることを決定した。この措置は、国際市場の競争激化に伴い、現在の料金では競争力を失うとの判断に基づくもの。同公社のクライソン理事長によれば、今回の値下げは八七年から数えて十三回目で、実質的なコストを反映したものだという。値下げにより、一分当たりの通話料金は、最も安い場合が十八バーツ、最も高い場合が五十五バーツ(現行は百三十五バーツ)になる。

六月三十日(土)

南部で爆弾事件

 パタニ県で二十九日から三十日にかけ、計三個の爆発物が爆発し、ホテルと寺院の建物がそれぞれ一部破損した。一個目の爆発物は、二十九日午後七時半頃、同県ムアン郡チャルンプラディット通り、マイ・ガーデン・ホテル近くの電柱に仕掛けられていた。この爆発によりホテルの建物や近くの公衆電話ボックスが一部損壊したほか、道路の向かいにある電話交換所の窓ガラスが割れ、付近にいた二人が軽傷を負った。その後、三十日午前六時頃には、コクポー郡のシリマハポー寺で、立て続けに二つの爆発物が爆発した。これらは境内の木の下と、本堂の入り口に仕掛けられていた。南部ではここ数週間、九カ所で爆弾事件が起きており、警察当局は同一犯人による犯行の可能性が高いと見ている。

選管の候補選定

 中央選管の委員五人を選ぶため、十人の候補が選出された。上院ではこれら候補の適性を詳しく検討するため、二十一人の委員会を設置する。当初のこの委員会は十一人で構成する予定だった。しかし二十九日の上院で、候補の資格に関して長時間論議されたことから、公平を期すため委員を二十一人に増やすことになった。十人の候補には、これまで中央選管の委員を務めていた五人が含まれない一方で、上院議員選挙で失格になった人物が含まれることから、「候補の選定に問題があった」との指摘が各方面から出されている。

収容所の閉鎖

 国家安全保障会議のカチャパイ事務局長は、「ミャンマー難民収容しているラチャブリ県のマニロイキャンプを年内に閉鎖する」との方針を再度確認した。同キャンプからは、九九年十月から現在までに、千六百人以上が第三国に移住した。移住先は主に米国で、千百二十一人が米国に渡っている。現在同キャンプには、約四百人のミャンマー人学生難民が残っているが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の協力により全員第三国に移住できる見通しだという。

七月一日(日)

警備員の犯行

 バンコクに隣接するサムットプラカン県のスーパーマーケット、テスコロータスの店内で午前零時過ぎに手投げ弾が爆発、女性従業員が重傷を負った。この事件に関し、警察当局は、かつてテスコロータス・チェーンの警備を担当していた会社の社員二人を逮捕した。取り調べに対し二人は、「テスコロータスが警備の担当をほかの会社に委託したことから、仕返しするため手投げ弾を仕掛けた。犯行は上司に命じられた」と述べている。爆発したのはM二六型手投げ弾で、店内の重なったカーペットの間に置かれ、従業員がカーペットを動かすと爆発する仕掛けになっていた。

補欠選挙の結果

 三十日の下院補欠選挙では、投票が行われた七つの選挙区うち、六つの選挙区で与党の候補が最多票を獲得した。残りの一つ、ナコンナヨック県の選挙区では、再投票を行う投票所があったため、最終結果がまだ出ていない。六つ選挙区で最多票を獲得した候補の内訳は、タイ愛国党三人、新熱望党一人、チャートタイ党二人となっている。

活動家の死

 市民団体キャンペーン・フォー・ポピュラー・デモクラシーのスリヤサイ副事務局長によれば、今年に入って政治家が絡んだプロジェクトに反対していた活動家が五人も殺害されているという。このため同副事務局長は政府に対し、活動家の身の安全を確保するよう要請。「当局は活動家が脅迫を受けているのを知りつつ、見て見ぬふりをしている。政府はこれ以上活動家が犠牲にならないよう緊急に対策を講ずる必要がある」と述べた。最近ではサムットプラカン県のゴミ廃棄場計画に反対していた活動家が殺害されている。

最高司令官ポスト

 スラユット陸軍司令官は、「軍人としてのキャリアを高めるため、国軍最高司令官に就任する用意がある」と明言した。同司令官は、二〇〇三年に定年退職するため、今年の定例人事異動で国軍最高司令官に任命されれば、二年間そのポストを務めることになる。同司令官は定例人事異動について、「サンパオ国軍最高司令官が自分を後任に指名する心づもりであることは知っている。しかしこの件については、まだチャワリット国防相と話し合っていない」とも語っている。

七月二日(月)

警察への要請

 委託を打ち切った警備会社社員に爆発物を仕掛けられたテスコロータスの経営陣が、警備会社の変更に伴い、首都圏にある十三店舗の警備を警察に要請していたことが明らかになった。ただしテスコロータス側は、警備会社の変更理由について警察に情報を提供していなかった。警察では、テスコロータスが爆発事件の前から、何らかの脅迫を受けていた可能性があると見ている。

電話番号の変更

 今月五日から電話番号が九桁に変更される。タイ電話公社によれば、番号変更の準備は順調に進んでおり、大きな問題が発生することはないという。バンコクでは、これまで市内通話に使用されていた七桁が、エリアコードの〇二を加えた九桁に変更される。地方の市内通話でも従来の六桁が、エリアコードの三桁を加えた九桁となる。携帯電話同士では、これまで〇一を七桁の番号の頭に付ける必要はなかったが、五日からは〇一を付けた九桁に変更される。

料金値上げで告訴

 タイ弁護士協会は、「通行料金の値上げは違法」として、タイ高速道路公社を行政裁判所に告訴する方針を発表した。同公社は「付加価値税(七%)を負担しきれなくなった」として、先に付加価値税分の値上げに踏み切った。しかし、弁護士協会のサク会長は「タイ高速道路公社は、所有不動産にかかる税金を支払っており、付加価値税を納める必要はないはず。同公社から付加価値税の徴収すれば、税金の二重払いになる」と説明している。また同会長は、「通行料金の値上げは内相の権限でのみ決定されるべき」と指摘している。

七月三日(火)

証人の保護

 有力者の関与する犯罪で、証人が危険にされされるケースが少なくないため、法務省は証人の保護強化を目的とした法案を作成した。現在、同案は国の法令委員会によって審査が行われている。同省によれば、この案は、米国の証人保護プログラムをモデルとしたもので、来月召集される通常国会に上程される見通しだという。現在、裁判が目撃者などの証言拒否で続行不可能になるケースは、裁判全体の二割に上っている。

遺伝子の組み換え

 食品薬品管理委員会は、遺伝子組み換えの大豆、トウモロコシを三〜五%以上含む食品について、表示を義務付ける予定だ。同委員会は先に、遺伝子組み換え食品に関する省令について協議。ウィチャイ事務局長が、「表示の義務化は最初、大豆とトウモロコシだけを対象とする。そのほかの遺伝子組み換え食材を使用した食品についても、安全性を慎重に検査、検討する」と発表した。

資産の不正申告

 憲法裁判所では、タクシン首相の資産不正申告問題に関する審議日数を増やすことにした。同裁判所のプラサート所長は、その理由について「この問題は政府の安定に影響するため、慎重に審議する必要がある」と述べている。現在、裁判所の判事の間では、タクシン首相を有罪とした場合、いつから公職追放とするかで意見が割れているという。公職追放の開始を九七年十一月とした場合、タクシン氏は来年末には政界に復帰できる。

政党の吸収合併

 与党・新熱望党は今月九日、党の創設記念行事を開催する。党首のチャワリット副首相兼国防相によれば、このときタイ愛国党に合流する案について話し合いが行われる予定だという。同党首は、「行事には全国の二百に及ぶ支部から代表が出席する。合流については消極的な意見も出ているが、安定した政党の誕生に寄与するものと思う」と語っている。

七月四日(水)

録音テープ

 チャートタイ党の党員が、有権者の買収を話し合った疑いが浮上した。中央選管は、この電話の会話を録音したテープを調査するため、特別委員会を設置。選管のサワット委員が、誰の声か、また先月三十日に投票が行われた下院補欠選挙と関連があるのかを、検証することとなった。選管では、録音テープの分析を警察の鑑識に依頼することも検討している。テープの録音内容は、チャートタイ党のソムサク議員(副下院議長)とシティチャイ議員(副党首)が有権者を一人二百バーツで買収する件について話し合ったものとされている。

吸収合併に反対

 タイ愛国党幹部のサノ顧問団長は、党内の分裂を招くとして、新熱望党を吸収合併する動きに反意を表明した。サノ氏は、「新熱望党を引き込むことで、タイ愛国党の勢力が拡大し、党が強化されると言われている。しかし実際は、党内に対立が発生し、党を弱体化させる結果になるだろう。一致団結していなくは、党の規模が大きくなっても意味がない。タイ愛国党内には今でもさまざま問題があるのに、なぜこれ以上問題を増やすのか理解に苦しむ」と語っている。


[BANGKOK SHUHO]