総 合

野良犬は"立ち入り禁止"

バンコク国際空港


航空機着陸遅延の原因に

 バンコクのドンムアン国際空港では、滑走路に野良犬が侵入し、航空機の着陸が遅れる事態が何度も発生している。

 空港公団のプラディット・モンコラピバン理事長によれば、同空港の管制塔では、これまで複数のパイロットから、「野良犬が滑走路に入り込んでいるため着陸できない」との報告を受けているという。このような場合、航空機は野良犬の排除を待ってから着陸することになる。

 同空港の滑走路はゴルフ場に隣接しており、そこにはクラブハウスの残飯を目当てに多くの野良犬が集まっている。滑走路は柵で囲まれているが、柵の破損箇所が修繕されないまま放置されてきたため、ここから犬が空港の敷地に入り込むようになったようだ。

 空港公団では現在、柵の修繕を計画中。また、「空港職員が餌を与えて可愛がるため、野良犬が集まってくる」として、職員に対し、餌付けを禁止する方針だ。バンコク都庁も、空港公団から要請があれば、野良犬の排除に協力すると述べている。

 都庁の動物保健局によれば、現在、バンコク都内には六十三万匹の犬がおり、うち野良犬は十一万匹。無責任な飼い主が犬を捨てるケースが多く、その数は年間三万匹に上るという。

 都庁ではディンデン地区に狂犬病予防センター、プラウェト地区に犬の保護センターを設け、犬の管理に努めてきた。プラウェト地区の保護センターには現在、約三百匹の犬が収容されている。都庁では、住民の要請に応じて野良犬を捕獲し、飼い主が引き取りに来ない場合は、健康状態を調べた上で新しい飼い主に斡旋しているが、引き取り手のない犬は処分されることになる。

 都庁による「野良犬の里親探し」は九八年、国王陛下の発案に従って開始された。しかし九八年に捕獲された野良犬約二万七千匹のうち、飼い主に引き取られたのは約二千四百匹にすぎなかった。

 タイには野良犬のほか、特定の飼い主はいないが同じ場所で複数の人々が餌付けしている「半野良犬」も少なくない。サマック・スントラウェート都知事は、このような犬については、捕獲するより、そのままの状態で管理する方針を表明。僧侶の協力を得て、複数の寺院に仮診療所を設け、狂犬病予防注射や不妊手術を無料で提供している。

 日本で四十年以上前に撲滅された狂犬病は、タイではまだなくなっておらず、全国で毎年五十人前後が狂犬病に感染して死亡する。バンコク都内でもここ五年間で二十人以上が狂犬病で死亡した。



[BANGKOK SHUHO]