経 済

e-タイランド

インターネットでタイの雑貨を販売するために


決め手は商品。

インターネットでタイの雑貨を販売するにあたり最も重要なこととは何だろうか?買いやすいページの構成だろうか?便利な決済システムの開発だろうか?より早く届けるための宅配システムを確立することだろうか?確かにこれら運営面の工夫はどれも必要だ。しかし、一番大切なのはしっかりとしたコンセプトに基づいた良品を陳列することだと、私は思う。どんなにすばらしい店構えでも商品に魅力がなければ売れないと考えているからだ。

私が今回オープンさせようとしているネットショップはSTEP1とSTEP2で決めた〃ハイテク生活のなかで南国的癒しを〃そして〃日本人的ニッチシフト〃というコンセプトに基づくものである。具体的な商品としては、タイテイストなデザインのノートパソコンケースなどハイテク機器を南国風にアレンジできるものである。タイでよく見られる派手な色使いのものではなく、日本のファッションにも合うようなシックなトーンの商品を陳列したい。

 しかし、そのようなものをバンコクで探してもなかなか見つからない。その理由のひとつとして、タイにおけるコンピュータの普及率が日本に比べてまだまだ低いことが挙げられる。タイ人に「ノートパソコンケース」と言っても「???」といったリアクションが返ってくることが多い。バンコクならまだしも、ちょっと郊外に行ってしまうと、その???度はますます高まるばかりだ。だからコンセプトにマッチした商品を見つけることは非常に困難である。

 とはいっても、まったく見つけられないわけではない。バンコクにはパンティッププラザという日本の秋葉原をひとつのビルにおさめたような巨大パソコンショップがあり、そこに行けばおそらくパソコンケースも購入することが可能だ。しかし、それは日本でも購入できてしまうようなごく普通のものであり、タイテイストなデザインというわけでもない。そこで、タイならではのパソコン関連商品を探してみると、タイ語キーボードとかマウスパットなど安価なものならいくつかある。しかし、STEP3でお話したように、私はタイから売ろうとしているので、購入者は個人輸入で買うことになってしまい高い送料を払わなければならない。まとめ買いするのであればよいが、個人で使用するために少数買うのならば、日本のショップで買った方が当然安く、これは現実的ではない。また既存のものを売るということは、たとえ売れても個人業者にとっては非常に厳しい問題を孕んでいる。それは、例えば大手が参入してきた場合、価格競争であっさり負けてしまうからだ。大量に仕入れて単価を下げられる大手には到底個人の資金力ではかなわないのだ。

 では諦めるしかないのか。いやそんなことはない。そのショップにしかない〃何か〃を考えれば打開策はある。その〃何か〃とは例えばそのショップでしか買えないオリジナル商品を作ることである。

 ということで、六月初旬、エージェントに仲介してもらい、タイ北部の山岳民族グッズを扱っている会社にタイテイストなデザインのパソコンケースのサンプルをオーダーした。先日、そのサンプルが出来上がり取りに行ったのだが、それは自分の想像とはかけ離れたものだった。使われている素材はイメージと違うし、刺繍の大きさもオーダーとは異なるし、縫い方も粗雑な箇所があり少々気になる。待ちに待ったサンプルが出来上がるまで一ヶ月もかかったのに、これからさらに改良をお願いしてもう一度サンプルオーダーするとまた一ヶ月かかってしまう。その後、正式に商品をオーダーするとなると二ヶ月かかるという。最短距離でも最低で三ヶ月かかることになる。時間がかかることはある程度予想していたものの、想像をはるかに越える期間である。

 こうなると、既製品を購入してきて、すぐに売れる商品を扱ったほうがよいのではないかと思ってしまうが、やはり、時間をかけて納得する商品を開発したい。もちろん、自分が納得したからといって、必ずしもそれが購入者に受け入れられるとは限らない。三ヶ月という期間はなんとか短縮しなければならないが、自分が納得できない商品を顧客に売ることはできない。

 私が日本ではなくタイにいるメリットは地元の製作者と直接対話をできる環境にいることだ。ただ単に安いものではなく、品質が良いものを適正価格で売るために、時間はかかるかもしれないが、ここは焦らずに、地元の製作者にこちらの意図がわかってもらえるまでじっくり話をし、納得のゆく商品を作りたい。そして日本の顧客に心から薦められるものを売りたいと思うのである。           

(広沢 泰明)




[BANGKOK SHUHO]