スーパーとコンビニ、必死の応戦
巻き返しを狙いディスカウントストアとの差別化徹底
小売
激戦が繰り広げられるタイ小売業界。現在タイでは豊富な資金力を武器に出店攻勢をかける外資系ディスカウントストアが小売業界の主役の座を獲得しつつある。しかし、これらの進撃を食い止めるため、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの必死の応戦が始まっている。
スーパー大手「トップス」を運営するCRCアホールドの見通しでは、バンコク首都圏内におけるディスカウントストアの店舗総数は今後四年で百店舗を突破する。コンビニ最大手CPセブンイレブンの調査によれば、ディスカウントストアが一店オープンすることで、売上が一五%以上落ち込むコンビニの数は少なくとも十店舗に及ぶといい、ディスカウントストアが業界に与える波紋は予想以上だ。
タイの経済成長と共に破竹の勢いで急成長を遂げてきたコンビニだが、最近ではディスカウントストアに主役の座を奪われた格好だ。人気ファーストフードやレンタルビデオなど娯楽施設を併設し、二十四時間営業もあるディスカウントストアは従来の低所得者層に加え中所得者層の取り込みに成功、店内は連日客足が絶えない。一方のコンビニでは閑古鳥が鳴く店舗が少なくなく、経費削減のため営業時間の縮小に踏み切るチェーンも登場するなどディスカウントストアにお株を奪われている。
タイ最大の店舗数を誇る「セブンイレブン」ではディスカウントストアとの差別化を徹底することでこれらの窮状を乗り切る構えだ。日用雑貨などの品数を減らし食品部門の品揃えを充実させる他、若年層を対象にCD、VCDや音楽テープなど利益率の高い娯楽部門の商品を増やすよう、ディスカウントストアのカバーしえないマーケットニーズに応える商品開発を推進する方針。
また、今年の第3四半期には三千万バーツのマーケティング費用を投じ販促プロモーションを展開する。ディスカウントストアとは一線を画し価格競争には踏み切らない方針で、フードフェスティバルなどのイベントやスピードくじの抽選などを実施する他、POS(販売時点情報管理システム)の導入も進め経営の合理化を図る。
一方、同様にディスカウントストアに大きく客足を奪われているスーパー「トップス」では新コンセプトの店舗を九月にもオープンする。シティーストア≠ニ銘打つこの店舗は従来のスーパーマーケットとコンビニエンスストアを統合するタイプの業務形態でタイ国内では初登場となる。生鮮食品部門の充実に加えレディー・トゥー・イート(すぐ食べられる)$H品や、テイク・アウェイ(お持ち帰り)$H品部門を拡大し、従来より便宜性を追求した商品投入を進める。
小売各社はディスカウントストアとの差別化に主眼を置くマーケティング戦略でそれぞれが狙いの顧客層の囲い込みを図りディスカウントストアを巻き返したい考えだ。個人消費が低迷する中、各業態が競い合うことで、業界全体の活性化が期待されるが、今後旧来の流通方式である伝統的な市場や中小商店の淘汰が加速することは間違いなく、生き残り競争はますます過熱しそうだ。
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