週間ニュース


六月二十一日(木)

租税上の優遇措置

 タクシン首相によれば、先にミャンマーを公式訪問した際、同国のタン・シュエ国家平和開発評議会議長に対し、両国間の貿易に租税上の優遇措置を適用すると伝えた。これは、カンボジアやラオスに対する優遇措置適用という方針に沿ったもの。タクシン首相は会談の中で、タン・シュエ議長に対し、優遇措置の適用を望む品目のリストをタイの商務省に提出するよう伝えた。また、タイは燃料、コメ、医薬品、車両と部品を戦略物資としてミャンマーに輸出することを禁止しているが、タクシン首相は、禁輸を解除してもよいとの考えも示した。

容疑者を逮捕

 警察当局は、バンコク都内のベトナム大使館正門付近に爆発物を仕掛けた容疑で、三人のベトナム人を逮捕した。これら容疑者は、反ベトナム政府集団「フリー・ベトナム・レボリューショナリー・グループ」のメンバーだという。仕掛けられた爆発物の起爆装置が作動しないものであったことから、「犯行は脅しを目的としたもの」と先に報じられたが、容疑者の一人が自供したところによれば、「爆破する計画だったが、起爆装置が働かなかった」とのことだ。タイ警察当局は、ベトナムの外交官、そして、ある筋から情報を得て、スクンビット通りのアンバサダー・ホテルで一人を、そして、ホテルの周辺で二人を逮捕した。

薬品漏れで入院

 バンコクに隣接するサムットプラカン県で、付近の工場で化学薬品が漏れたことから、ワットラートポトン小学校の生徒三人が健康を害し、病院で手当を受けた。病院によれば、三人は軽度の中毒とのこと。学校側は授業を早めに切り上げて、約五百人の学童を帰宅させた。工場側は壊れたパイプはすでに修理したと発表している。付近の住民によれば、以前から薬品臭がしていたが、薬品漏れが起きた日は、耐えられないほどの強い臭いがしたと話している。

議員ファンド

 与党・チャートタイ党のバンハーン党首(元首相)は、「議員ファンド」を復活させるのが望ましいとの考えを示した。このファンドは下院議員がそれぞれの選挙区のために年間千五百万バーツから二千万バーツを使用できるというもので、バンハーン党首は、現在、議員はこのファンドが非常に必要としている、と述べている。同ファンドはタイが経済危機に直面したことから中止されているが、関係筋によれば、近く来年度(今年九月〜来年十月)予算案の審議が国会で行われることから、政府や国民の反応を見るためにバンハーン党首が同ファンドの復活を口にしたものとのことだ。同ファンドについては、「議員が自分の利益のために使っている」との批判があるが、これについて、バンハーン党首は、「ほんの一握りの議員が資金を適切に使用していないために、ほかの多くの議員が影響を受けている」と反論した。

デング熱の流行

 バンコク都庁によれば、今年は例年になくデング熱が流行しており、バンコクでは今月に入ってから四人が死亡している。今年になってからの死亡者は十一人にのぼっており、また、今月はこれまでに四百五十二人がデング熱のため医療機関で治療を受けているという。都庁担当者は感染拡大を防止するため、蚊が発生する水たまりを作らないよう、また、供え物の水もこまめに換えるよう呼びかけている。

六月二十二日(金)

中央選管の委員

 中央選管の委員五人が規定に従って新たに選ばれることになったが、その候補の中に選管委員にふさわしくない人物が何人かいると指摘されている。これら候補は、憲法裁判所のプラサート事務局長を議長とする選定委員会が選んだ候補五人のうちの二人で、シリン候補は上院議員選挙でイエローカード(当選取り消し)を受け、また、チャラン候補(元年金局局長)は現在、汚職容疑で取り調べを受けている。また、同委員会のメンバー、アディソン・タイ愛国党議員(比例代表)は、シリン候補に批判が出ていることについて、「選管が選挙違反を立証する確固たる証拠を握っていたならば、イエローカードではなく、レッドカード(当選取り消し+立候補資格剥奪)を出していただろう。委員会はこのため、シリン氏の資格に問題があるとは考えていない」と述べた。

厳罰もやむを得ず

 国王陛下は、プラチュアプキリカン県のクライカンウォン離宮での新判事の認証式において、薬物事件で有罪を言い渡された者には厳罰もやむを得ないとの認識を示された。陛下は百六十五人の新判事を前に、「覚醒剤五万錠の密売で死刑判決を受けた受刑者からの嘆願を却下した」と述べられた。

検討チームの設置

 タイ発電公社は、パクムン・ダムの放水路八カ所をすべて開放した場合、地域の環境・社会・経済にどのような影響が及ぶかを検討するチームを設置することになった。先に政府は、放水路を魚が遡上できるように開放した場合の影響について検討する委員会を設置しているが、同公社は詳しい検討のために独自のチームを編成することになった。同公社の広報担当者は、「公社としては、放水路を開くことでどの程度魚がのぼってくるのか、また、発電できない場合、国がどの程度ダメージを受けるかをはっきりさせる必要がある」と指摘した。公社としては、検討チームに国家経済社会開発委員会の専門家を加えたい考えだという。

六月二十三日(土)

首相支持運動

 タクシン首相が憲法裁判所から有罪判決を受けないようにと、各地で首相を支持する集会や署名集めが行われているが、元学生運動家のティラユット・タマサート大学講師は、「政治改革の方が一個人より重要なはずだが、多くの民衆があたかもタクシン氏を有罪にしないことが最も大切であるかのように振る舞っている」と、タクシン首相の支持者が政治改革より首相の無実を重要視していると指摘した。また、同講師は、「タクシン首相のよい点は、仕事が速く、改革を押し進め、社会正義を実現する能力を有していることだ。このため、タクシン首相は憲法裁判所の下す判決がどのようなものであろうと、それを受け入れる準備が必要だ」との考えを示した。

委員の選定作業

 憲法起草に携わった人々や政治専門家は、中央選管の委員選びに注目するよう国民に呼びかけている。選管の委員五人は、憲法裁判所所長を議長とする選定委員会が選ぶ五人、そして、上院が選定する五人の計十人の候補の中から選ばれることになっているが、これら専門家は、選定委員会を新たに設置して選定作業をやり直す必要があるとしている。タマサート大学のティラユット講師は、これまで委員を務めてきた人達が候補選定で弾かれ、また、過去の経歴に問題のある人たちが候補に選ばれていると指摘した。

逮捕状の請求

 ベトナム大使館に爆発物が仕掛けられた事件で、警察当局は、主犯格であるベトナム人の男の逮捕状を二十五日にも請求する方針だという。警察庁犯罪制圧課のアサウィン主任は、「この事件の首謀者であるベトナム人、バン・ドゥクドーの身柄引き渡しを米当局に要請することにしている。また、FBIはタイ側の要請に応えて、この容疑者のファイルを送ってきた」と述べた。関係筋によれば、先に身柄を拘束されたベトナム人三人のうち一人が実行犯ということだが、この男は二万バーツの報酬と米国への亡命を条件に爆発物を仕掛けたとみられている。

六月二十四日(日)

指摘に反論

 ティラユット講師が、タクシン首相を熱狂的に支持する運動が政治改革の流れに反するものだと指摘したことに、タイ愛国党議員などから反論が出ている。これら幹部は、「ティラユット氏は民主化の運動家であり、自分の知識を披瀝し、また、厳しい口調で意見を述べているが、実際のところ、彼は自分で何をしゃべっているのか分かってない。また、彼が何をいっても単に一学者の発言にすぎず、影響力はない」と指摘している。

候補を擁護

 上院議員選挙でイエローカードを受けたニラン氏が、中央選管の候補に選ばれていることについて、同氏をよく知るプラティン上院議員は、「選挙で不正を疑われたことは、失格であることを意味しない」と述べて、同氏を擁護した。同議員によれば、不正を指摘された人は資格がないわけではないという。また、人権運動家として知られるトンバイ上院議員も一部の問題人物が上院によって候補に選ばれたとの批判について、「上院にはその人物を選ぶ権限も選ばない権限もある」と述べた。一方、憲法の起草作業に携わったカニン氏は、「これまで委員を務めてきた人たちが新委員の候補に選ばれなかったのは不思議とはいえない。しかし、上院議員選挙で不正を疑われた人物が候補に選ばれているのは腑に落ちない」と述べている。

役人の選挙運動

 カンチャナブリ選管は、下院議員の補欠選挙で、中立の立場を守らず、特定の候補を支援しているとして、役人十数人の異動を要請する予定だ。同県では五区で今月三十日に投票が行われるが、選管はそれまでに問題の郡長や村長をそのポストから外す必要があると考えているとのこと。これらの役人は候補者二人の一方に投票するよう、その地位を利用して住民に呼びかけているという。

六月二十五日(月)

委員選びで不統一

 上院では、中央選管委員五人の選出を巡り、様々な見解が出ており、いまだ意見が統一されていない。上院では十人の候補の中から五人を選ぶことになっているが、特に上院議員選挙でイエローカードを受けたシリン氏について、このような人物を、公正な選挙のための機関である中央選挙管理委員会の委員にするのはふさわしくない、という根強い意見があるという。このほか、数人の候補についても上院議員の中から、疑問の声が上がっている。

偽の輸入許可

 関係筋によれば、九五年から現在までに四十万丁を超える拳銃が輸入されているが、そのほとんどが偽の輸入許可を用いたものだという。軍、警察、関税局では、業務に必要であることから、それぞれが独自に拳銃の輸入を許可することができるようになっている。これを悪用し、一部の職員が輸入許可を偽造し、これを使って拳銃を輸入しているのだとみられている。また、このような不正手段でタイに持ち込まれた拳銃の多くが第三者の手に渡っているようであり、関係筋は、「違法な行為であるが、非常にもうけの多いビジネスだ」と指摘した。同筋によれば、同じ機関が合法的に発行した輸入許可でも書式が同一でなかったり、続き番号がなかったりで、実際に輸入した拳銃の数を把握するのが難しいということだ。

歩行者天国

 国家エネルギー政策室(NEPO)は、バンコクの一部通りを週末に「カー・フリー・ゾーン(歩行者天国)」とすることを計画している。これは、エネルギーの節約、大気汚染問題の緩和、観光促進を目的としたもの。NEPOのピヤサワット主任によれば、現在、候補としては、シーロム、バンランプー、ヤワラート、ラートヤー通りなどの名前が挙がっている。これまでにも一部の通りが歩行者天国にされたが、同主任は、「どのような影響があるかはっきりさせることができなかった。今回の計画では、車の通行禁止により地元の住民がどの程度影響を受けるか、事前に調査を行う予定だ」と説明した。

六月二十六日(火)

経済の崩壊

 最大野党・民主党のアピシット副党首は、タクシン首相はこれまでに前例のない巨額の財政赤字と予備予算を計上してタイ経済を崩壊させようとしていると指摘した。来年度(今年九月〜来年十月)の予算案について、同副党首は、「タクシン政権は、歳入を二千億バーツ上回る、一兆二百三十万バーツの歳出で経済再生を加速し、また、景気刺激策のために五百八十億バーツの予備予算を設けようとしている。これにより財政赤字は今年度の二倍に増えることになる」と危惧。また、同副党首は、タクシン首相は自分の事業家としての手腕を発揮し、経済再生に巨額の予算を注ぎ込もうとしているが、これは自分の金ではないため、国民・納税者の金を使って、国にリスクを負わせることに等しい、とコメントした。

資産管理会社の設立

 国内の金融機関が抱える巨額の不良債権を早期に処理するためタイ資産管理会社(TAMC)を設立するとの政令が臨時国会で承認された(賛成三百四人、棄権九十六人)。ソムキット財務相は国会において、「TAMCは巨額の不良債権が金融機関の活動を疎外しているため、設立されることになった」と説明した。TAMCは国内の商業銀行が抱える不良債権を引き受け、その処理に当たることになっている。また、民主党幹部のタリン元財務相は、「TAMCにあまりに大きな権限が与えられている」と指摘するとともに、「債権者、債務者の双方を公平に取り扱う必要がある」と強調した。

委員の資格問題

 資産不正申告疑惑でタクシン首相の弁護団が、「国家汚職制圧委員会が首相に対しクロの判定を下したが、その過程に問題があった」として再調査していたが、憲法裁判所は、この判定を下した小委員会の委員には資格問題はなかったとの判断を示した。同委員会の一部委員は規定に反して民間企業の役員を務めていたり、私企業の株を保有していたりして辞職することになった。これについて、タクシン首相の弁護団は、資格に問題のある委員がいる小委員会が下したクロ判定にも問題があると指摘していた。しかし、今回、憲法裁判所は、委員としての資格には問題はなかったという、タクシン首相側には不利な判断を示した。

六月二十七日(水)

予算配分を批判

 野党は、十分な予算が割り当てられていないとして、教育改革を推進するという政府の約束に疑念を呈した。ウィチット民主党議員は、「来年度の教育予算は今年度をわずか〇・八%上回るだけであり、これでは教育改革を進めるには不十分だ」と指摘。同議員は、来年度は教育関係機関に配分される予算が、今年度に比べて十八億四千三百万バーツ増額されるだけで、教育改革を開始するには百億バーツ以上がまず必要であることを考えると、政府はかけ声だけで、実際には改革を推進するつもりはないと、批判している。

軍人の関与

 民主党党首のチュアン前首相によれば、カンチャナブリ県では今月三十日に投票が行われる下院補欠選挙で、ある将校が地元住民に対し、新熱望党候補に投票するよう圧力をかけているという。チュアン党首が、新熱望党党首チャワリット副首相兼国防相に提出した訴えによれば、この軍人が特定候補を選ぶよう脅しをかけているとの苦情が住民から出ているとのことだ。


[BANGKOK SHUHO]