総 合

バンコク都庁 屋台の秩序づくり推進

不法な路上販売の取り締まり強化


   今年七月に就任したサマック・スントラウェート・バンコク都知事は、就任直後より屋台の問題に取り組んできた。同知事はまず、過去十年に渡って禁止されていた水曜日の営業を解禁、次いで違法な場所使用料(しょば代)の徴収をやめさせた。これらの新しい規則は多くの屋台店主に歓迎されたが、一方で許可されていない路上の物売りを急増させることにもなった。都庁では営業許可を与えた屋台の登録を急ぐと共に、不法な物売りの監視を強めている。

 屋台の場所使用料は、これまで地元有力者や汚職警察官・公務員などが強制的に集めていた。サマック都知事は「このような不正行為をなくす」と表明、代わりに占有面積に応じた適正な清掃料を徴収することを先月初め、各屋台に文書で通知した。都庁が徴収する清掃料は一平方メートル当たり一日五バーツ。これまで徴収されていた違法な場所使用料より大幅に安くなる。

 都庁は清掃料の徴収に先立ち、占有面積の確認を進めてきた。先月サマック都知事が、各区役所に「月末までに終わらせないと区長を更迭する」と通達したこともあり、屋台が営業する歩道にはすべて区画を示す線と番号が記されている。

 シーロム通りで長年、洋服の屋台を営むジューさん(二十八)も先月、都庁に登録を済ませた。「以前は地元有力者に毎月千バーツを収めていたが、都庁に収める清掃料は月に二百バーツから三百バーツで済む」と新しい制度を歓迎している。

 その一方で、違法な場所使用料が徴収されなくなったことから、ここ二、三カ月の間に路上で物を売る人が急増した。サマック都知事は、都庁が正規の屋台を保護する目的で始めた制度を多くの人が悪用していると非難。「無秩序に誰でも路上で商売していいとは言っていない」として、厳密な取り締まりを開始した。

 都内シーロム通りのCPタワー付近では一時、屋台や路上の物売りが急増。歩道の両側に商品が並べられ、人通りの多い昼休みや夕方には歩行が困難となり、警察に苦情が寄せられた。

 同地区を管轄するバーンラック区役所では先月二十七日、都庁の許可を得ていない屋台や物売りの一斉取り締まりを実施、その後も職員が毎日監視を続けている。

 CPタワー前で監視している職員によれば、無許可で営業した場合の罰金は二百バーツから千五百バーツ。ただし罰金の対象は「毎日同じ場所で明らかに商売している人」だけで、徴収した場合は領収書も渡しているという。

 職員のそばには、紐で編んだ手芸品をわずかながら路上に並べてうずくまっている老婆がいたが、このような人は大目に見ているそうだ。

 近くのコンベント通りには、区役所の職員に注意されて、シーロム通りから移ってきた物売りが何人かいたが、いずれも商売熱心な様子は見られない。

 金具を売っているマイさん(五十二)は「友人の紹介で六カ月前から売り始めたが、一日に一つか二つしか売れないときもある。しかし以前は家で家事をしていただけなので別に問題はない」。靴下を売っているプイさん(十五)も「注意を受ければ場所を移動するだけ。罰金を徴収されたことはない」と語っている。

 都内で営業許可を受けている屋台は約二万九千店。サマック都知事は、これら屋台が円滑に営業できるよう、「新参者は排除する」と述べている。しかし路上の物売りは簡単に移動できるため、完全な取り締まりは難しい。

 都庁の監視によりシーロム通りからは姿を消したものの、戦勝記念塔周囲の新しい歩道橋などは、まだ端から端まで道幅の半分が物売りに占領されている状態だ。

(小林ゆかり記者)



[BANGKOK SHUHO]