タイ初の退職者ファンド、好評
リターンには租税免除
タイで初めての退職者ファンドが人気を博している。オランダABN・AMRO銀行傘下のアジア銀行(BOA)が最近始めたもので、預金金利に比べ利益率が高い、リターンに対して税金がかからない、少額の資金で始められるなどの特徴がある。社会福祉制度のないタイでは、定年後の生活費用は個人でやりくりして備える必要があり、銀行預金だけでは賄えない不安を抱く人たちの新しい投資法となりそうだ。
この退職者ファンド「ABN・AMROシニア・セキュア・オープン・エンド・ファンド」は、発行証券の買い戻しを制度的に認めている投信信託。クローズド・エンド型と違い、投資者の希望により設定・解約が自由にできるようになっている。申し込み金額は初回が一万バーツ以上、それ以降の追加設定が五千バーツ以上と、低所得者でも少額の資金で始められる。
これに加え、退職者ファンドはリターンに対し税金がかからない。一般の投信ではリターンに一五%の税金が課せられるが、大蔵省が同ファンドのリターンに対して租税免除を認可したことからこれが実現した。
投資信託が注目を集めているのは、引き下げが続く預金金利も影響している。地場商業銀行の預金金利は現在二%―二・五%という記録的な低水準であり、三年前と比べ約一八%も引き下げられた。これに伴い、定年後の生活費を銀行預金で賄おうとしていた預金者の間で「自分たちの将来が保証されないのでは」という懸念が強まったのである。
アディソーン・サームチャイウォングBOAアセット・マネージメント総務部長によると、定年後の生活を安定して過ごすには二点気を付ける必要があるという。
「一つは定年後にかかる費用をよく検討することです。生活費、病気や傷害に備えた医療費のほか、充実した第二の人生を送るために必要なこと、例えば旅行などの娯楽費用も十分考慮することが大切。そして二つ目はその資金のやりくりで、理想は銀行預金と定年ファンドをバランスよくコントロールすることです」
これ以外に、医学の発展などにより平均寿命が長くなっている点も考慮する必要がある。政府がまとめた人口の年齢別構成統計によると、六十歳以上の人口は九四年に四百万人だったのが九八年には五百二十八万人に増加、全体の八・六三%を占めた。さらにこの割合は、二〇二〇年には一八%になると予測されている。定年に達してからの人生が二十年と三十年では、それに必要な費用は大きく変わってくる。
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