週間ニュース
九月二十八日(木)
実業家殺害事件
都内スクンビットの高級アパートでインド人ビジネスマンが殺害された事件で、現場にいた妻とその兄の二人が、公判で証言した。これまでに犯人七人のうちパキスタン人四人が逮捕されている。妻の兄は、ムンバイの地下組織のボスで、地元でのライバル組織との抗争で、タイに身を隠していたものという。この男性は、犯人に撃たれて重傷を負ったため、ベッドに乗せられて出廷した。また、妻も車椅子の乗ったまま法廷で証言した。この証言によれば、兄は九ヶ月前から同居していた。また、兄は、自分は、犯人の後ろ姿しか見ていないと証言した。
政治的陰謀説
タリン蔵相は、タイラックタイ党のタクシン党首の資産申告に関する調査は政治的に仕組まれたものではないと述べた。同大臣は、「国税局は納税者が法律を守っているかチェックする必要がある。また、蔵相、副蔵相はこの件にタッチしていない」と説明した。国税局は現在、タクシン党首が所有していた株式の譲渡が違法なものかどうかを調査している。また、国家汚職制圧委員会は、閣僚経験者のタクシン党首が資産申告で虚偽の報告をしたかのチェックを行っている。タクシン党首は、潔白を主張するとともに、当局による調査はタイラックタイ党を潰そうとした政治的な陰謀だとしている。
首相の望み
新熱望党のチャワリット党首は、総選挙後の政権樹立で同党は、民主党を含むあらゆる政党と連立政権を組む用意があるため、同党首が再び首相を務める可能性があるという。同党首によれば、それぞれの政党が、国の直面する問題の解決策を独自に打ち出しているが、目標は国を救うことであり、協力し合うことは可能だという。同党首は、また、「私は政界にとどまるつもりで、また、再び首相を務めたいと考えている。タイは経済危機で深刻な不況を経験したが、これは、タイが先進国の経済的植民地になっているからだ。タイ国民が苦しんでいるのは、これら外国に搾取されているからだ」と指摘した。
党員の離党
タイラックタイ党に新規に参入した人々は、タクシン党首の直面している問題を理由に同党を離れることはないという。同党に社会行動党から移籍したサマーン氏は、「党首を信用しているため、我々新規参入者がタイラックタイ党を離れることはない」と明言した。タイラックタイ党は伸長著しい政党だが、タクシン党首が仮に五年間にわたり公民権を停止されるようなことになれば、同党首は当分首相になることはできず、タイラックタイ党の将来にも暗雲がたれ込めることになる。また、チャートタイ党のバンハートン党首との確執から離党し、タイラックタイ党に参入したポンポン元大臣は、党の先行きが不透明になったため、党員が大量に離脱するとの見方は根拠のないものだと指摘した。
職員の意向
タイ港湾公社では、総裁を含む幹部の二人の人選を巡り、職員が大規模な抗議集会を開くなどの問題が起きていたが、公社理事会は、このプレッシャーに屈し、人選を撤回することを約束した。職員グループは、先の人選が密室で行われた、策略的な人選であり、受け入れられないとしてきた。理事会によれば、総裁などの人事異動を検討する新しい委員会が設置される予定だ。
九月二十九日(金)
人気の低下
アサンプション大学が実施した世論調査によれば、資産隠しなどの疑いをかけられたことで、タクシン・タイラックタイ党党首の人気が下がっている。この調査は千五百八十人を対象に実施されたもので、それによれば、回答者の半数が、タクシン党首に何らかの不正行為があった可能性があり、同党首は潔白を、証拠を示して証明する必要があると考えている。
議員五人の離脱
民主党関係筋によれば、同党幹事長を長年務めたサナン氏に近いとされる民主党議員五人がタイラックタイ党に移籍することを決めたという。これら議員によれば、民主党はチュアン党首(首相)の独裁色が強くなっているため、タイラックタイ党に移ることにしたものという。同党では、サナン氏が幹事長を辞職した後、同氏と同郷のプラディット副運輸通信相が幹事長代行に選ばれ、サナン氏とのつながりを保つためプラディット氏がそのまま正式に幹事長に指名されるとの見方が強かった。しかし、九月十七日の臨時党大会では、党に入ったばかりのアナン元内務事務次官が幹事長に選ばれた。このため、サナン氏をサポートしてきた議員たちは、民主党がサナン氏を切り捨てたと考えているようだ。
副首相の申告
タイラックタイ党の汚職対策チームの責任者、アディソン氏によれば、民主党幹部のバンヤット副首相兼内相がそのポストに就任した際の資産申告に問題があるという。同氏によれば、バンヤット氏はシースバン・トレーディング社株一万株(一株百バーツ)を所有しているが、この百万バーツに及ぶ資産を申告していないという。関係筋によれば、バンヤット氏が申告した資産は九百万バーツ程度であり、百万バーツが申告漏れであれば、大きな問題だという。また、同氏は、タイラックタイ党では新規参入者が、党首の資産問題で離脱する動きを見せているとの一部報道を全面的に否定するとともに、いまでも参入者が増えていると指摘した。
九月三十日(土)
副首相の申告漏れ
民主党幹部のバンヤット副首相兼内相は、閣僚に就任した際の資産申告で、百万バーツに及ぶ株の存在を忘れていたと認めた。同副首相は、見過ごしていたもので、故意に申告しなかったわけではないとしている。バンヤット氏は、九五年に同僚議員が設立したシースバン社の株式を一万株(一株百バーツ)取得したことをすっかり忘れていたのだという。この申告漏れは、タイラックタイ党幹部のアディソン氏が最初に指摘したもので、また、国家汚職制圧委員会はまだバンヤット氏のケースについて調査するかどうかを決めていない様子だという。アディソン氏は近々、同委員会に調査を正式に要請する考えだという。
新しい連立政権
タイラックタイ党のタクシン党首は、総選挙後に同党、チャートタイ党、新熱望党が組むことで議員数三百人以上の連立政権を発足させることができると述べた。同党首は、北部のチェンライ、パヤオ、ランパンでの演説で、このように豪語している。タイラックタイ党は、東北部だけでも全百三十八議席のうち九十議席、そして、新熱望党は四十議席を獲得できるという。また、このほかの地域でも新熱望党は六十から七十議席、そして、チャートタイ党は全国で七十議席程度を獲得できるとのことだ。
メコンの航行規則
タイ、ミャンマー、ラオス、中国の関係当局は、公益の促進と観光の拡大のため、メコン川の船舶航空に関する規則を共同で制定することで合意した。関係筋によれば、これは先頃中国で開かれた、これら四カ国の当局者会議で合意されたのもので、それぞれが持ち帰って詳しい検討を行っている。現在のところ、メコン川の航行規則を共同で打ち出す計画については、来月にも北京で合意書に署名が行われることになっている。同筋によれば、現在、中国とタイの間ではメコン川を通じて、エビ、家畜、宝石類、機械類、電気製品、自動車部品用ゴムなどが取り引きされており、これら四カ国が共同で航行規則を打ち出すことになれば、これら二カ国が最も恩恵を受けるという。
十月一日(日)
再び金メダル
前回のアトランタオリンピックでは、ボクシングのソムラック選手がタイに初の金メダルをもたらし、タイ国民を熱狂させたが、今回のシドニーオリンピックでもウィチャン選手がボクシング・フライ級で金メダルに輝いた。ソムラック選手は、メダルを手にすることができず、タイのスポーツファンをがっかりさせたが、それを吹き飛ばすかのようにウィチャン選手が金メダルを獲得した。また、今回のオリンピックでは、ポンチャイ選手もライトミドル級で銅メダルを獲得した。シドニーオリンピックでは、タイは女子重量挙げのカサラポン選手の銅メダルを含め合計三個のメダルを手中に収めた。
調査の開始
国家汚職制圧委員会のクラナロン事務局長によれば、同委員会はバンヤット副首相兼内相の資産申告漏れについて調査する方針だという。同事務局長は、「委員会には、資産申告が正しく行われたかチェックする義務がある。また、申告に不正があった場合、憲法二九五条に照らして、公民権が五年間にわたり停止されることになる」と述べた。
次期連立政権
タイラックタイ党のタクシン党首が、ほかの二党と組むことで新しい連立政権を組むことができると吹聴していることについて、チュアン首相は、「総選挙が公示されてもいない段階で、新政権の陣容について、あれこれ言うのは早計だ」と指摘した。チュアン首相によれば、現時点でどの政党がどの程度議席を獲得できるか予測することはできず、タクシン党首のように仮定に基づいて話を進めるのは適切ではないという。また、タクシン党首は、できるならば首相と蔵相を兼任したい考えだと一部で報道されたが、同党首は、これを否定するとともに、首相は自分が務め、蔵相はタリン蔵相によりできる人物を起用すると述べた。なお、タクシン党首も閣僚の資産申告で虚偽申告の疑いをかけられており、有罪となれば、五年間にわたり立候補することも、投票することも、首相に就任することも不可能になる。
十月二日(月)
大量の覚醒剤
警察当局によれば、バンナーのスクンビット一〇五にある商店で二百万錠近い覚醒剤が押収された。警察はこの際、男二人と女一人の計三人を密売容疑で逮捕するとともに、乗用車、ピックアップトラック、携帯電話、顧客リストなども押収した。容疑者の一人は、覚醒剤はミャンマーのタチレック・マーケットで一錠三十七バーツで仕入れたもので、四十バーツで売るつもりだったと自供した。また、この大量の覚醒剤は、運転手や車掌に金を渡して、長距離バスでバンコクまで運んできたという。
下院の解散
チュアン首相は、詳しい日程については連立政権内で詰める必要があるが、今月にも下院を解散できると考えていると述べた。今国会は今月二十一日に閉会するが、チュアン首相は、この日が適切だとしている。また、チュアン首相は、「十二月五日の国王陛下の誕生日の後で総選挙を公示するとの案についても検討する予定だ。その前に公示すれば、選挙ポスターなどが沿道に溢れ、祝賀ムードをぶち壊すとの懸念があるからだ」と述べた。また、アカポン政府報道官は、「欧州アジア首脳会議に出席した後でチュアン首相が解散を宣言する可能性が高い」と指摘した。このほか、与党第二党・国家開発党党首のコン副首相兼保健相は、「解散は今月十六日か十七日が適切だと思っている」と述べるとともに、総選挙は資金力で優位にあるタイラックタイ党が選挙戦を有利に進めるものと予想されると指摘した。
学園内の薬物問題
プラチャーコンタイ党のラリタ議員は、教育省に対し、学園内の薬物問題を取り締まるよう要請した。同議員によれば、これら専門学校、大学の責任者は現実を直視しようとしないため、同省が対策を講ずる必要があるという。また、同議員は自ら教育省に赴き、ラチャパット大学チャンカセム分校で覚醒剤を密売しているとされる学生のリストをパイロート副教育相に手渡した。
注意を逸らす戦術
民主党幹部のバンヤット副首相兼内相は、タイラックタイ党はタクシン党首の不正申告疑惑から国民の目を逸らすために民主党批判を強めていると指摘した。タイラックタイ党のアディソン氏は、民主党所属閣僚の中にオーストラリアに保有している豪邸を資産申告に含めなかったと指摘した。これは、チャムニ副内相に言及した批判とみられる。
十月三日(火)
刑事罰は求めず
国家汚職制圧委員会は、資産に関する不正申告で公民権停止の処分を受けたサナン元民主党幹事長に対し刑事罰を求めないことで合意した。サナン氏は、同委員会に資産の一部四千五百万バーツを借金だと偽った判定された段階で、副首相兼内相、下院議員を辞職し、また、憲法裁判所がこの判定を是認したことから、民主党幹事長も辞職した。同委員会によれば、憲法には、閣僚の資産申告における不正に対して公民権の停止という罰則規定があり、これは、憲法ではこの罰則以外の刑事罰を求めていないと判断されるという。
メダリストの帰国
オリンピックで金を獲得したウィチャン選手、銅メダルを手にしたポンチャイ選手の二人がバンコク国際空港に帰国し、大勢のファンの出迎えを受けた。ウィチャン選手は、報道陣に対し、次のアテネ・オリンピックでも金メダルを狙いたいと述べた。
自由の身
警察庁入国管理課によれば、ムンバイの地下組織ボスとされるラジャン氏は、インド政府が身柄引き渡しを要請しなければ、希望の国に出国できる見通しだ。同氏はビザに関する違反で五百バーツの罰金支払いを命じられたが、身柄を拘束しておく理由がないため、自由の身になるという。関係筋は、「ラジャン氏はインドでは殺人などの容疑者とされるが、インドの警察当局が身柄引き渡しに興味を示さない理由は不明だ」と述べた。
容疑を否定
チャートタイ党所属のソムサク教育相は、アントン県にある三千万バーツ相当の豪邸を資産として申告しなかったとの指摘を全面的に否定した。これは市民団体の代表が指摘したものだが、同大臣は、自分の所有物ではないと主張している。この代表はソムサク大臣が公用車を私用に使っていると指摘したが、これについて同大臣は公用以外に使用したことはないと反論した。
十月四日(水)
組合の株式
閣僚の資産申告漏れが問題になっているが、民主党党首のチュアン首相も十万バーツ相当の株を保有しているが、これを申告していないという。ステープ運輸通信相によれば、九七年七月にスラタニ組合の名誉会員になったチュアン首相は、組合の株を保有しており、これを資産申告に含めることができたはずだという。一方、チュアン首相は、その株の存在についてなにも知らず、また、配当を受けたこともないと述べた。組合のアロム会長によれば、首相が株を保有していれば、組合に箔が付くと考え、組合員が協力して首相のために株を購入したもので、チュアン首相はこれを知らないはずだという。
凱旋パレード
シドニーオリンピックでメダルを獲得した選手三人が、バンコク都庁が用意した特別な車で都内を凱旋パレードした。選手たちは首からメダルをかけ、笑顔で沿道の都民の祝福に応えた。また、タクシン・タイラックタイ党党首は、金メダリストに五十万バーツ、銅メダリストに二十万バーツを贈った。金を獲得したウィチャイ選手については、金の宝飾品や現金など贈り物は数千万バーツにのぼるとみられる。国税局によれば、これらの品々、現金は、祝いの気持ちを表すため、そして、習慣として贈られたもので、課税対象とはならないとのことだ。
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