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ネット証券取引がブームに

海外の証券会社と連携も


 ここタイでも、インターネットを利用したオンライン証券取引が静かなブームとなりつつある。ネット取引の手数料が、売買金額の〇・一五パーセントに引き下げられたことも追い風となっているようだ。タイ証券取引所(SET)が梃入れしていることもあり、各証券会社は競うように専用ウェブサイトを立ち上げている。

 台湾、香港、韓国などに現地法人を有するKGIグループは、タイでも本格的なネット証券取引事業に乗り出した。背景には、アジア全域をカバーするネット証券取引サービスを展開しようという戦略がある。

 一方、SEAMICOセキュリティーズのウェブサイトではタイ株だけでなく、世界二十三市場に投資できるのが特徴。外国株売買は多国籍市場におけるネット取引を専門とするグローブシェア社との提携によって可能になっており、将来的には五十市場に拡大される予定という。現在タイ人による外国有価証券への投資には制限があるが、将来的には規制緩和される可能性がある。

 各社ともネット取引に顧客を呼びこむために、さまざまな工夫を凝らしている。例えばKGIではネット取引口座を開設すると、証券アナリストに直接電子メールで質問できるようになっている。SEAMICOでは三十日間無料でトライアル会員になれるのが特徴で、売買こそできないが、株価速報や証券ニュース、掲示板などのサービスを利用できる。TISCOセキュリティーズの運営するウェブサイトは豊富な情報量が売り。デザインも洗練されており、投資家にとって使いやすいものとなっている。

 どの証券会社でも現状では、オンラインでの口座開設はできない。身分証明書の写しや居住地証明、預金証明書などの書類が必要になるからだ。またタイ人と外国人では必要な書類が異なる。

 証券会社のトレーディング・ルームでは、顧客は株価ボードやコンピュータ端末を見ながら、窓口で取引注文を出す。これが自宅にいながら、自分のコンピュータでできるようになれば利便性が向上することになる。渋滞の中を証券会社まで車で通う投資家も多いからだ。

 ただ、トレーディングルームは投資家の社交場であるとともに、情報交換の場でもあるため、完全にネット取引に移行してしまうことは考えにくい。今後はこうした「サロン的要素」をいかにネット上に再現できるかが普及のカギとなるだろう。

 こうしたオンライン取引は海外に居住するタイ人投資家にとっては便利かも知れない。また非居住外国人もオンライン取引口座を開設することができるため、従来国際電話などで売買注文を出していた外国人投資家にとっては朗報だ。

 タイではまだ、ネットを通じた信用取引は許可されておらず、現金取引に限られているなど制限も多い。タイでネット証券取引が本格的に離陸するためには、金融・証券当局によるさらなる規制緩和が必要だろう。



[BANGKOK SHUHO]