経 済

商業銀行  不良債権、低下続く

相次ぐ前倒し処理


 タイの商業銀行の不良債権処理が順調に進んでいる。タイ中央銀行は、今年中に不良債権率が二〇パーセント以下に下がる見通しを明らかにした。心配された再不良化率もそれほど高くはないようだ。タイの銀行システム全体の不良債権残高(七月末時点)は約一兆五千九百億バーツで、不良債権率は三五・二パーセントとなっている。

 政府系クルンタイ銀行が五千二百億バーツにのぼる不良資産をスクムビット・アセットマネージメント社に譲渡するなど、地場商銀は大胆な債権再構成策を打ち出しており、不良債権率の低下に大きく寄与すると見られている。

 DBSタイタヌ銀行も三百億バーツ相当の不良資産を大幅な割引率で、ナショナル・ファイナンスやグローバルタイ・プロパティファンドに対して譲渡することを決めている。クルンタイ銀行やDBSタイタヌ銀行に追随して「他の商業銀行も第四四半期に積極的な不良債権処理を進める」(タイ中央銀行)とみられている。ただ、DBSタイタヌのような譲渡は、余裕のある外資系だからできることで、体力のない地場銀行には難しいとの見方もある。

 大半の商業銀行が一〇〇パーセントの不良債権引当を完了するなか、一時的に不良債権率が上昇してしまった銀行もある。例えば、タイミリタリー銀行の不良債権率は八月、前月の六百八十二億バーツから七百一億バーツに上昇している。 

 対照的なのは不良債権率が極端に低いスタンダード・チャータード・ナコントン銀行だ。不良債権はわずか七億八千万バーツと、同行の貸出残高の一・四パーセントにすぎない。豊富な資金力を持つ外資系の強みだろう。

 クルンタイ銀行は五月だけで、三百億バーツ以上の不良債権を再構成している。同行は二〇〇〇年中に千七百億バーツの不良債権を処理する目標を立てている。またバンコク銀行も一千億バーツの処理目標を立てるなど、大手は大規模な不良債権削減計画を実行に移している。

 心配されるのは、原油高や株・バーツ安などの影響で景気が失速してしまうことだ。そうなれば再不良化率が上昇し、不良債権処理の完了がいっそう遠のくことも考えられる。




[BANGKOK SHUHO]