週間ニュース


●9月7日(木)

無線機器の生産
 国防省は、タイ国内で軍事用無線機器を生産する合弁事業についてオーストラリア企業との間で合意書を交わした。このプロジェクトは、投資が総額七億五千万バーツほどで、オーストラリアのBAEシステム社が合弁企業の株を五一%保有する。合意書によれば、タイ国軍は投資はしないが、生産施設の用地探しなどを手伝うことになっている。

7%の経済成長
 タイラックタイ党のタクシン党首は、同党が政権を担当することになれば、タイ経済の七%成長を目標とした経済政策を導入すると述べた。また、同党首によれば、タイ中央銀行はインフレ率の目標値を設定して、それを実現するとの方針を採用しているが、これは適切ではないという。同党首は、「まず経済成長と雇用の促進に努力するべきで、インフレの抑止はその後でよい。インフレ率のアップは、経済が上向いていることを示すもので、心配すべきことではない」と指摘した。

奨学金の無駄遣い
 教育省のブンラート事務次官は、国が学生に支給している奨学金は、その多くが携帯電話の購入や遊興のために使われていると指摘した。同事務次官は、「ソンクラ県ハジャイでは、奨学金の支給日に学校の近くに移動ディスコを開いている者もいるほどだ。ここでディスクジョッキーが集まった学生に、奨学金を受けている人は手を挙げるよう呼びかけたところ、全員が手を挙げたという話もある」と述べた。国は年間二千三百万バーツにのぼる奨学金が三十万人以上の学生に支給されている。同事務次官によれば、奨学金の無駄遣いは、バンコク、ソンクラ、ナコンラチャシマ、チェンマイにある職業訓練学校、短期大学で目立っているという。

港湾公社の総裁
 タイ港湾公社の総裁人事を巡って、公社職員の間に不満が渦巻いているという。同公社理事会は、今月末で定年退職するタウォン総裁の後任としてアノタイ氏を選ぼうとしているが、公社の職員団体は、密室の協議で決められた公正さを欠く、きわめて策略的な人選だと批判している。理事会はすでにアノタイ氏を総裁に決定したとの噂も出ている。職員団体は、アノタイ氏の総裁就任が確認され次第、職場放棄などの抗議行動に出る方針だという。

罷免の要求
 タイ中央銀行の複数の口座を統合する計画に強く反対しているルアンタマハブア僧の支持者グループが、サニット上院議長に対し、チュアン首相とタリン蔵相の罷免を求める約十六万人の署名を提出した。憲法では、有権者五万人以上の署名があれば、上院に対し、閣僚などの罷免を求めることができるとされている。同僧は、自分が中心になって、救国のために集めた巨額の資金を政府に寄付したが、これが、口座統合計画で、金融機関の救済に使われることに反対している。同僧は、バブル経済の際に杜撰な経営で問題を抱える金融機関の救済のために寄付金を政府に提供したのではないとしている。サニット議長によれば、署名が本当に有権者のものかチェックし、条件を満たしていれば、国家汚職制圧委員会に対し、チュアン首相とタリン蔵相に落ち度があるかどうかの調査を要請することになる。


●9月8日(金)

選管の権限
 選挙法の改正案を審議する、上院の第一読会がスタートしたが、選管の権限を制限する修正を取り除くべきだとの意見が多く出されたという。原案では、選管に大きな権限を与えることになっているが、下院での審議で制限を加える修正が行われた。また、選管に対し、候補者や当選者に不正行為があったかどうか検証するため、捜査令状なしで家宅捜索を認める件については、基本的人権を侵害するものだという指摘があった。

連立政権の結束
 チュアン首相は、現在の連立政権を構成する六政党が、再び政権を協力して樹立するとの合意を明文化する必要はないと述べた。チュアン首相は、「これは与党政党の紳士協定である。また、(抜け駆けを防ぐための)合意の明文化より、これらの政党が今後さらに協力を拡大することを望む」と述べた。また、現在、与党第二党、国家開発党のコン党首が先に、自分が首相に適任であると表明したが、これに関連し、チュアン首相は、「国家開発党が最多議席を獲得した場合、コン党首の首相就任をバックアップする」と述べた。

議員の離脱
 国家開発党議員のうち七人が、同党を離脱し、タイラックタイ党に移籍することになった。これにより国家開発党からタイラックタイ党に流れた議員は十一人に及ぶ。また、これにより連立政権の下院議員数は以前の二百二十人から二百十三人に減少することになった。しかし、最大野党・新熱望党の議員の大半が辞職していることから野党議員は現在、三十七人にすぎない。

新しい海軍司令官
 今月末で退官するティラ海軍司令官は、プリーチャ副司令官を自分の後任として推す姿勢を見せているが、チュアン首相は、プラサート司令官補を新しい司令官に選ぶ可能性が高いという。関係筋によれば、年功序列ではプラサート大将の新司令官就任が最も相応しいが、ティラ司令官は自分と昵懇の間柄にあるプリーチャ大将を後釜に据えたいと考えている。しかし、国防相を兼任するチュアン首相は、公正な人事という観点からプラサート大将を選ぶことが予想されるという。


●9月9日(土)

憲法裁判所の判断
 選挙管理委員会の権限について上院では憲法裁判所に判断を求めるべきだという意見が出ている。これについて複数の選管委員は、「裁判所が選管に有利な判断を下してくれるものと確信している」と述べた。バンコク選出のケオサン上院議員は先に、ほかの上院議員にも憲法裁判所に判断を求めるよう呼びかけると述べている。また、選管の調査担当者、サワット委員は、「政治家は駆け引きを好むが、選管の委員はそのような政治家ではないため、(権限が付与されても)選管が私利私欲のために動くことはない」と強調した。

テキスタイル会社
 業界筋によれば、パトゥムタニ県ランシットにあるタイ・イリョウ、タイ・イリョウ・ガーメントの二社は、経営が破綻し、従業員千二百人以上の解雇という問題に直面している。これら二社は、二年前に操業停止に追い込まれたタイ・メロン・テキスタイル社の関連会社で、また、負債は総額六億バーツにのぼるという。また、タイ・イリョウの従業員組合代表は、「タイ・メロン・テキスタイルの例で見てきたように政府の支援は遅すぎる」と指摘した。

バス業者の抗議
 バンコク大量輸送公社との契約で首都圏の路線バスサービスに参加している民間のバス会社は、ディーゼル油が値上がりし経営を圧迫しているとして、十一日にもロイヤルプラザにバスを結集させて、政府に抗議する方針だという。また、同公社は冷房バスの運賃を二バーツ引き上げると発表しているが、これはまだ実行されていない。このほか、トラック事業者からもディーゼル油の値上がりに不満の声が出ているが、政府は、ディーゼル油を割引価格で購入できるクーポンを十日からこれら業者に配ることにしている。


●9月10日(日)

港湾労働者の抗議
 タイ港湾公社の二つの役員ポストを巡る問題で、バンコクのクロントイ港では港湾労働者が職場放棄し、港湾の各種サービスが麻痺することが懸念されるという。同公社の職員団体の代表者は、「アノタイ氏を公社総裁に、そして、アピチャイ氏をレームチャバン深海港の所長に任命するとの公社理事会の方針に反対して、クロントイでは大規模な集会を開くことにしている」と述べた。同代表によれば、港湾公社の職員約三千人、そして、タイ発電公社、首都電力公社、地方電力公社、バンコク大量輸送公社などの職員約千人が集会に参加する予定だという。

連立政権の樹立
 与党第三党・チャートタイ党のバンハーン党首は、先に連立政権を構成する六政党は総選挙後の新政権樹立で協力することを確認したが、これはどうしても守らなければならないわけではないと述べた。同党首によれば、新政権の樹立は総選挙(下院議員選挙)の状況、すなわち、それぞれの政党がどの程度議席を獲得できるかにかかっている。このため、チャートタイ党は、現在の与党政党と足並みを揃えない可能性もあるという。

北朝鮮への支援
 韓国からの報道によれば、同国は北朝鮮への食糧支援のため、タイや中国から大量の穀類を輸入する計画を検討している。輸入量は百万トンにのぼる見通しで、韓国は今月末あるいは来月初めに最終的な決定を下す見通しという。韓国と北朝鮮の間では先月二十九日から今月一日にかけ閣僚会議が開かれたが、ここで北朝鮮側は百万トンの食糧支援を要請したと伝えられる。韓国のある新聞によれば、北朝鮮の今年の食糧生産は、台風と洪水により昨年を三〇〜五〇%下回る可能性があるという。

外国人労働者
 タイでは、重労働を嫌う傾向が強まっており、人手不足を補うために外国人労働者を雇う企業が少なくないと伝えられるが、法律が適切に整備されない場合、この先数十年でタイは現在以上に近隣国からの外国人の不法就労が増加するものと予想される。専門家筋は、「タイではこの先二十五年から三十年、経済が再び大きく成長し、また、少子化が進むと予想される。そして、労働力が現在以上に必要になる」と指摘した。同筋によれば、現在のように近隣諸国の外国人の就労を禁止するのではなく、法律を改正して就労を合法化しなければ、状況の変化に対応できないという。


●9月11日(月)

上院議員の反応
 選挙法の改正では、上院議員の間には、選挙管理委員会に大きな権限を与えることを望む声が多いと報じられていたが、この日の審議では、このような意見は少なく、逆に、選管は問題の原因になるとして、その権限を削減する意見が大勢を占めるようになった。バンコク選出のチュムサク上院議員は、「公正な選挙を実現するために、候補者、当選者の資格剥奪に必要な絶対的権限を選管に与えるべきだというのが世論だが、選管とても自分たちにやりたいことを超法規的にすることはできない」と指摘した。このほか、同議員によれば、選管はこの権限が元々選管に帰属しており、これが奪われようとしているかのような印象を国民に与えているが、これは正しくないという。

大規模な集会
 タイ港湾公社の職員団体は、公社総裁の選定などを不満として、数千人規模の抗議集会をクロントイ港で開くとしていたが、実際に集まったのは五百人程度だった。この団体は、ほかの国有企業の職員も大勢集まると期待していた。また、始業時間になると、ほとんどの職員が職場に戻り、引き続き抗議の演説を聞いていたのは百人程度にすぎなかったという。

国防事務次官
 今月末で定年退職する国防省高官の後任リストが、国防相を兼任するチュアン首相に提出された。国防事務次官には、現在、副事務次官を務めるアカデート大将が選ばれる可能性が高いという。同リストには、アカデート大将を後任として進言されている。同大将は、年功序列では、ティラデート事務次官の次に位置している。関係筋によれば、チュアン首相は、国王陛下の承認を得る前に、リストを修正することもできるが、その可能性はまずないと考えられる。


●9月12日(火)

ストによる損害
 クロントイ港では、タイ港湾港社総裁などの人事に反対して、大勢の港湾労働者が職場放棄しており、このため同港を利用している貨物船会社などに影響が及んでいる。同公社の職員団体が呼びかけた集会には、さほど多くの人は集まらなかったものの、数千人に及ぶ労働者がストに参加しており、クロントイ港を避ける貨物船も出ている。バンコク船主エージェント協会のソンマイ会長は、同協会のメンバーの多くが、荷役を民間業者に委託したり、チョンブリ県レームチャバン港に入港先を変更したりしている。

宿泊施設オーナー
 警察当局は、チェンマイのゲストハウスで英国人女性(二四歳)が殺害された事件で、DNA鑑定の結果、この宿泊施設のオーナーの英国人を強姦殺人容疑で逮捕した。警察によれば、ギル容疑者(三七歳)は、泊まり客の女性に迫り、拒否されたため殺害したものという。被害者の女性の爪の間からは皮膚が組織が発見されており、警察では、泊まり客やゲストハウスの関係者など十一人のDNA鑑定を行った。この結果、オーナーの男が犯人であることが判明したものという。

不正資金浄化
 タイラックタイ党のタクシン党首は、先月初めの株販売で不正資金浄化の疑いをかけられている。同党首と妻が一株十バーツで約九千万株を売却した会社は、英領バージン諸島にあり、同地では税金がかからないことから、不正資金浄化の疑いがかけられている。同党首は、「取引は合法的なものであり、なにもやましいところはない。当局の調査にも応じる用意がある」と述べた。関係筋によれば、関係当局がすでに動き出しているという。同党首は、「株を売ったのは普通の外国の投資家である。通常のことであり、なにも心配していない。株販売からの収入はクリーンなものであり、浄化する必要などはない」と指摘した。

ディーゼル油
 閣議では、農業部門およびバンコクの民間バス事業者を対象にディーゼル油価格の維持に約一億バーツを投入することが合意された。アカポン政府報道官によれば、三カ月に限った暫定的な措置であり、これは農民やバンコクの路線バス利用者など低所得者層を保護することを目的としている。


●9月13日(水)

汚職の構造
 タイ工学研究所が明らかにしたところによると、政府の建設工事を請け負う際に、建設業者はその手続きのあらゆる段階で賄賂を支払っている。例えば、工費を三〇〜五〇%水増しする場合、関係機関の長には工費の一五%程度が賄賂として支払われ、また、入札で選ばれるために、関わった省庁、大学のトップには七〜三〇%に及ぶ金が支払われているという。これについて、法律の権威、ミーチャイ前上院議長は、「汚職がこのように蔓延しているとはショックであり、また、痛ましい。タイ国内の至る所に汚職が存在しているという感じだ。また、公費の水増しなどで関係者が私腹を肥やす手口は巧妙化している」と指摘した。

ストライキの中止
 クロントイ港では大勢の港湾労働者が、タイ港湾公社の人事問題で職場を放棄していたが、ステープ運輸通信相がこの人事の見直しを約束したことから、労働者はストライキを中止した。同大臣は、同公社の職員団体との話し合いの後、「副事務次官を長とする委員会を設置して、公社総裁などの人事が適切であるかどうかチェックすることになった」と説明した。同大臣によれば、職員団体が問題だとしている幹部二人の人選はまだ最終的なものではなく、職員団体の意向を反映する形で最終的な決定が下されると予想される。


[BANGKOK SHUHO]