総 合

ターク県の事業者
ミャンマー人の雇用許可要求

代替のタイ人確保が進まず


 政府が近年、外国人不法就労者の本国帰還を推進してきたため、国境に接する十県で労働力不足が深刻化している。政府は国内三十七県でタイ人が敬遠する十八職種について外国人の単純労働者を一年の期限付で受け入れているが、今月三日にはその期限を迎えた。国境の十県の事業者団体は、外国人に代わるタイ人の雇用が確保できないことから、政府に雇用期限の延長を求めているがまだ認められていない。

 外国人労働特別委員会の委員長を務めるコン・タッパランシ副首相兼保健相は今月三日、「外国人不法就労者は依然として減っておらず、ミャンマー人を中心に国内には約百万人が存在する」と述べ、出稼ぎ外国人を監督する恒久的な機関の必要性を強調している。

 ミャンマー人労働者の多い北部ターク県では、建設業と農業について約三千人の外国人単純労働者の受け入れが許可されている一方、最も需要の多い工場では受け入れが禁止されている。ターク県工業会のタウィク・ジャトゥチャルンクン会長によれば、国境四地区にある繊維関係を中心とする二百の工場では三万人の労働者が必要とされているにもかかわらず、ミャンマー人に代わるタイ人の雇用が進んでいないという。同会長は「低賃金で雇えるからではなく、タイ人労働者が見つからないため、外国人を不法に雇用せざるを得ない」と語っている。ターク県では今年、職業紹介の催しが七回以上行われているが、工場からの三千人分の求人に応じて就職したタイ人は二、三百人に止まった。北部ではタイ人の求職者が大勢いるにもかかわらず、工場への定着率は非常に低く、面接で仕事の説明を聞いて断った人や、働き初めてから数日で退職した人も少なくない。このため工場経営者らは賃金や福利厚生を改善して募集を継続している。

 タウィク会長は「ターク県の工場が閉鎖になれば、少なくとも六十億バーツの損失が生まれる。各工場が銀行から三千万バーツから四千万バーツの融資を受けていることも考慮すべき」と述べ、政府にミャンマー人の雇用期限を四、五年延長するよう求めている。延長が認められなかった場合は、二百の繊維工場すべてが操業不可能になるという。同会長は「経営者は他県に事業拠点を移すか、工場を閉鎖するしかない。最悪の場合、自殺者が出る可能性もある。その一方で政府は数億バーツをミャンマー人不法就労者の逮捕や本国送還に費やそうとしている」と抗議した。

 またターク県商工会議所のパニティ・タンパティ会頭は、政府が本国に送還してもほとんどのミャンマー人は、翌日かその次の日にはタイに舞い戻っていることを指摘。「このような方法では、国境で不法入国を手伝う役人の収入を増やすだけ」と非難している。国境を警備する国軍によれば、ターク県の不法入国ミャンマー人は、十年前より七〇%以上増加、今では約十万人が居住しているという。




[BANGKOK SHUHO]