タイ・ミャンマー 麻薬問題解決への協力確認
ASEAN会議出席の外相が事前会談
バンコクで七月二十四日、二十五日に開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)第三十三回定例外相会議の事前会談で、タイのスリン・ピスワン外相とミャンマーのウィン・アウン外相の友好的な話し合いが行われた。
スリン外相は四十分の会談の後、「今後、麻薬取引や不法入国など両国間の問題には、協力してより迅速に取り組むことができるだろう」と語っている。
ウィン・アウン外相は、麻薬問題はミャンマーだけに責任があるわけではなく、解決には他国の協力が不可欠であることを強調。「麻薬精製の技術や道具は隣接する国々から持ち込まれている」と述べた。同外相はミャンマー政府が今年に入って、覚醒剤千七百万錠を押収したとも報告した。スリン外相も昨年四月、タイのチュアン・リークパイ首相とミャンマーのタン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長が「両国の二千四百キロに及ぶ国境で、協力して麻薬を取り締まる」と宣言したことを再度確認した。
このほかスリン外相は、就労目的の不法入国者、ミャンマー人難民、ミャンマー領海内におけるタイ漁船の操業再開などについても、ウィン・アウン外相と話し合ったものと見られている。
タイとミャンマーは、昨年十月の在タイ・ミャンマー大使館占拠事件や今年一月ラチャブリ県で起きた病院占拠事件により、緊張した関係が続いていた。これらの事件はいずれも祖国の民主化を求めるミャンマー人学生難民によって引き起こされている。
昨年十月のミャンマー大使館占拠事件では、犯人を解放したタイ政府の対応を不満とするミャンマー政府が事件直後よりタイ・ミャンマー国境及びミャンマー領海を一方的に閉鎖。国境については約二カ月後に閉鎖が解除されたものの、領海の閉鎖は依然として続いており、両国の漁業協約に基づくミャンマー領海内のタイ漁船の操業はいまだ再開の見通しが立っていない。操業中止は南部ラノーン県で、漁民と水産加工業など関連産業に大きな損害をもたらしている。
また昨年十一月には、タイ政府が雇用期限が切れたミャンマー人単純労働者及び不法就労者の本国送還を開始したところ、国境閉鎖中だったミャンマー政府が「タイで就労していたミャンマー人の中に反政府活動家が含まれている」として帰国を阻止、一部のミャンマー人がタイ側に戻された。
ミャンマー政府による一方的な国境閉鎖は、理由が明確にされなかったため交渉が難航したものの、最終的にはASEAN非公式首脳会議を五日後に控えた昨年十一月二十三日、スリン外相が日帰りでヤンゴンを訪問して解除されている。同時にミャンマー人の帰国も受け入れられたが、ミャンマー領海におけるタイ漁船の操業は再開されていない。
今年一月の病院占拠事件では、タイ国軍特殊部隊が犯人全員を射殺した。チュアン首相は、武装グループが病院を標的にしたことを厳しく非難するとともに「タイ政府は人道的に難民を保護する用意はあるが、国内で問題を起すことは容認できない」と語っている。
タイのラチャブリ県マニロイ難民キャンプには、現在約千五百人のミャンマー人学生難民が居住している。昨年は約千人がキャンプに、約千七百人がバンコクなどに居住していたが、大使館占拠事件後、ミャンマー政府がキャンプを「テロリストの温床」と批判したことから、タイ政府が難民の管理を強化、全員にキャンプ居住を義務づける一方で、第三国への移住を進めてきた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、これまでに五十四人がオーストラリアへ、二百七十五人が米国へ、百三十二人がニュージーランドへ、四十三人がカナダへそれぞれ移住したという。
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