経 済

東南ア外相会議
「トロイカ」導入に合意

情勢問題の仲介役として期待


 東南アジア諸国連合(ASEAN)の第三十三回定例外相会議が七月二十四日と二十五日、バンコクで開かれた。二十五日に発表された共同声明では、グローバル化に対応した情報技術(IT)開発や人材育成など経済発展の協力と、紛争、麻薬、環境、エイズなど地域・国際問題面の協力によるASEANの包括的発展が打ち出された。さらに域内の危機対応機構「トロイカ」の導入も合意され、声明に加えられた。しかしASEANの「内政不干渉」「全会一致」原則に反すると難色を示した加盟国もあり、組織の結束力を十分にアピールするには至らなかった。

 ITを中心とする経済発展の必要性が持ち上がった背景には、「情報社会としての基盤を固めなければASEAN地域の経済安定は望めない」という危機感が鮮明になってきたことがある。シンガポールのジャヤクマル外相は同会議の中で、「ASEAN全体の国内総生産(GDP)は世界の一・五%にしか過ぎず、IT革命が遅れ、不安定な政情がこれ以上続けば海外企業からの信頼は得られなくなる」と主張し、域内の経済格差を縮めることも重要であると付け加えた。

 この強化策として持ち上がったのが、加盟国に日本、中国、韓国を加えた「ASEAN+3」だった。この枠組みは経済危機を契機に首脳会議や蔵相会議が定例化されているが、今回初の外相会議が二十六日に開かれた。貿易、経済、人材開発、科学技術面で協力し、メコン川流域開発についても支持することを確認した。

 「トロイカ」は前・現・次期議長国で構成され、情勢問題が加盟各国に波及した緊急時にのみ外交チームがその仲介に当たることで合意。ベトナムやミャンマーなどが自国の政治及び社会問題を干渉されることを警戒したためで、外交チームの決定権限もASEAN原則により取り除かれた。

 議長国タイのスリン外相は記者会見で「トロイカ導入でASEANはより効率的に運営できる」と述べた。だが現時点では、実際に効果が発揮されるかどうかは不透明だと言っていい。ASEANは一九六七年発足から三十三年間、内政問題はもちろん、紛争、麻薬・武器密輸など国際犯罪が議題に取り上げられたことは一度もないのである。これを考慮すると、ASEANにまず必要なのは経済的な利益だけで手を組もうというこれまでのやり方では外国(企業)から理解が得られない、という認識ではないだろうか。




[BANGKOK SHUHO]