バンコクに『新名所』
タイ観光庁 チャオプラヤー川流域を観光開発
警察庁入国管理局の今年一月から四月までの統計によれば、バンコク国際空港に到着した外国人旅行者の数は昨年同期より一一・二%増の二百三十六万六千四百三十人。タイ政府観光庁(TAT)が今年初めに掲げた目標、昨年比二・六%増の八百八十万人は年内にも達成されそうな勢いだ。旅行者の増加率は九五年に三一・四%を記録した後、九六年は一二・七%、アジア地域の経済不況が影響した九七年は〇・六%に落ち込んだものの九八年には回復して七・五%、昨年が一〇・五%と着実に伸びている。
昨年初めて年間百万人台を突破した日本からの旅行者は相変わらず最も多く、一月から四月までの間にバンコク国際空港に到着した数は三十五万四千三百四十九人。二番目に多い中国からの旅行者三十万四千百四十七人をさらに五万人上回っている。タイを訪れる外国人旅行者は日本人と中国人が全体の二七・八%を占めており、三番目に多いイギリス人旅行者は中国人の半数、約十五万人に止まる。
九八年から二年間に渡って展開された政府の観光促進キャンペーン「アメージング・タイランド」は、今年「アメージング・タイランド二〇〇〇」として継続されることとなった。タイ政府観光庁が今年で四十周年を迎えることもあり、政府は観光業に一層力を注いでいる。
バンコク都庁も今年「文化都市バンコク二〇〇〇」と名付けた観光促進キャンペーンを実施、近年増加しているリゾート長期滞在型の外国人旅行者をバンコクに呼び戻したいとしている。都庁では文化行事や貿易博覧会、スポーツイベントを開催するほか、チャオプラヤー川と運河に囲まれた王宮周辺の地域・ラタナコシン島を自転車で巡るツアーを主催しており、外国人だけでなくタイ人の人気も集めている。また観光庁が現在、都庁と運輸通信省の協力で、都内トンブリ地区のバンコクノイ鉄道駅にツーリストセンターの建設を進めており、八月十二日の王妃陛下誕生日にオープンする予定。ここには観光案内所のほか、土産物店、チャオプラヤー川の観光船に乗り換えるための駐車場などが設けられ、完成すればバンコクの新しい観光の目玉となる。
日系旅行会社によれば、春休みやゴールデンウィークが終わった後は社員旅行などが増えており、雨季に入ってからも日本人旅行者の著しい減少はないという。但しやはりバンコクには長く滞在せず、周辺の地域を目指す傾向が強いようだ。SPオリエント・トラベル社の小林マネージャーは「高架鉄道の開通で移動が便利になったバンコクにはショッピングスポットやエステもたくさんある。旅行者には従来の観光地巡りとは異なるバンコクの楽しみ方も知ってもらいたい」と述べている。バンコクを通過地点とする旅行者は南部リゾートのほか、カンボジアのアンコールワットに向かうことも多い。バンコクエアウェイズがカンボジアのシェムリアプとバンコク、スコータイ、プーケットを結ぶ航空路線を設けて以来、アンコールワットの人気は年々高まっているという。
また日系旅行会社のプーケット支店によれば、日本でゴールデンウィークに公開されたレオナルド・デカプリオ主演のハリウッド映画「ザ・ビーチ」の影響で、舞台となったピピ島を訪れる旅行者が急増している。プーケットでは雨季のため遊泳禁止となっているビーチもあるが、日本の梅雨のように一日中雨が降り続くことはなく、十分観光が楽しめる。但し、近年人気を集めているダイビングクルーズは五月中旬から運休中で、再開は十月末を待たなければならない。
個人旅行者がタイから足を延ばすことの多いラオスではここ数カ月、首都ビエンチャンなどで爆弾事件が相次いでいる。また今月三日には、タイ東北部ウボンラチャタニ県のチョンメク国境付近で反政府武装集団とラオス軍の銃撃戦が起き、三人が死亡した。日本の外務省は今月八日、ラオスの一部地域に発出していた「注意喚起」に当たる「危険度1」をラオス全域に拡大している。
ビエンチャンの爆弾事件は、三月三十日にレストランに手榴弾が投げ込まれて外国人旅行者九人を含む十三人が負傷したのをはじめ、四月十七日には食品市場、五月四日には高級ホテル付近、五月二十八日にはタラートサオ(朝市)、先月六日にはタラートサオ近くのバスターミナルでそれぞれ起きている。また五月三十日には南部の都市パクセのチャムパパレスホテルでも爆弾が爆発し十人が負傷した。ラオス内務省は先月十五日、連続爆弾事件の容疑者二人を逮捕したと発表しているが、旅行にはまだ注意が必要だろう。
(小林ゆかり記者/ルァンイッサラー・カライジンダー記者)
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