週間ニュース


●6月22日(木)

国防省の報告
 九二年の流血の惨事「五月事件」に関する国防省の調査報告書は内容のほぼすべてが公開されたが、この事件で肉親を失った人々のグループは、その内容について、軍部の見解ばかりであり、兵士が自己防衛のために丸腰の市民に発砲したとの説明は容認できないとしている。遺族の一人は、「報告書は軍部の意見だけが取り上げられている。この事件で被害を受けた人々の声が反映されていない。この報告書は、事実を記したものというより、軍部の意見を述べたものだと言える」と指摘した。

野党の戦略
 関係筋によれば、最大野党・新熱望党のチャワリット党首は、同党の議員に辞職を呼びかける見通しだ。これは、チュアン首相に解散・総選挙を迫る戦略となっている。また、民主党幹部のチュリン国務相は、野党議員全員が辞職するというやり方は、ハイジャックと同じで、乗客(国民)を巻き添えにする策略だと指摘した。

裁判官の辞任
 政治学者として知られるチャイアナン氏は、憲法裁判所の裁判官を辞職する意向を明らかにした。同氏は、辞職の理由として、一部の裁判官に適性問題があり、また、憲法裁判所の判断に社会から反発が出ていることなどを挙げた。

国会議長の辞任
 最大野党・新熱望党の幹部、ワンノー国会議長兼下院議長が辞表を提出した。同議員は、以前から通常国会が始まった時点で辞任すると公言していた。同議員は、「私は今、党幹事長を務めており、国会議長にはふさわしくない」と述べた。同議員は、下院議員、上院議員などによって開かれたお別れパーティーの席上、「法律に従えば辞職しなくてもよいだろうが、私としては辞職しなくてはならないと感じている」と説明した。一方、民主党幹部のバンヤット副首相兼内相は、党内部で検討を行い、通常国会の自室的審議がスタートする前に後任を決めたいと考えていると述べた。通常、国会議長兼下院議長は与党側から選出されるが、現在のチュアン内閣はチャワリット党首の首相辞任を受けて誕生した内閣であり、この関係からワンノー議員がチャワリット内閣から引き続き国会議長兼下院議長を務めてきた。


●6月23日(金)

野党陣営の策略
 最大野党では、チャワリット党首の呼びかけで、党所属議員全員が辞職して、チュアン首相に解散、総選挙を強いる策略が検討されているが、これに対しては、政治アナリストの間から強い批判がでている。国立チュラロンコン大学政治学部のプラヤット氏は、「来年度予算案を審議しなくてはならず、また、選挙関連法を改正する仕事も残っている。下院議員を辞職して、これを放棄することは、無責任と言わざるを得ない」と指摘した。同氏は、国にとって大切な仕事を放棄する者に対しては、有権者は投票すべきではないとしている。また、政治学者として知られるスクム氏は、「野党陣営は、チュアン内閣を揺さぶろうとしているが、墓穴を掘ることになるだろう」と述べた。新熱望党のクテープ・スポークスマンによれば、同党所属議員の辞職については、党幹部が二十四日にも最終決定を下すことになっている。

不法入国の外国人
 警察当局によれば、バンコクで合計千五百人の外国人が不法入国の容疑で逮捕された。警視庁によれば、逮捕されたのはミャンマー人がほとんどで、ラオス人、カンボジア人、ロシア人も含まれていた。警察当局は、これら外国人をできる限り早期に国外退去処分にする予定で、また、このような一斉摘発を毎週実施する方針だという。

候補の人気
 今回のバンコク都知事選は、知名度の高い女性が出馬しており、女性の戦いになると予想されていたが、ラチャパット大学スワンドゥシット分校が実施した世論調査では、プラチャーコンタイ党党首のサマック候補が再び最も人気のある候補に選ばれた。この調査は、バンコクに住む三千五百五十七人を対象に実施したもので、回答者は男性千四百七十八人、女性二千七十九人。誰が都知事にふさわしいかとの質問では、サマック候補が三八・七%でトップだった。次いで、タイラックタイ党のスダラット候補の二四%、国家開発党のパウィナ候補の一五・五%、民主党のタワッチャイ候補の一三・八%といった順だった。

通常国会の召集
 政府は、勅令の発布という形で通常国会を召集した。これについては、先に政府が憲法裁判所に判断を要請しており、同裁判所は、勅令で招集できるとの見解を示していた。チュリン国務相によれば、通常国会は実質審議が今月二十八日にスタートすることになるが、ここでは、来年度予算案がまず審議される予定だ。

新長官の選出
 警察庁を監督する立場にあるバンヤット副首相兼内相は、今月二十七日までに新しい警察庁長官と副長官を選びたいと述べた。同副首相は、新しい長官と副長官を同時に選びたいとしているが、これには警察委員会が難色を示している。このため、バンヤット副首相はウィサヌ内閣官房長官に法律面の検討を指示しており、その結果を見て、長官選出方法を決めるものと予想される。


●6月24日(土)

議員辞職の決定
 新熱望党は幹部会議を行い、四時間に及ぶ協議の末、党所属議員に辞職を呼びかけるとの決定を下した。現在、同党の下院議員は百十六人だが、このうち何人が実際に辞職するかは定かではないという。同党幹部は記者会見を行い、ここでチャワリット党首が、チュアン内閣の「罪状」を読み上げ、同党所属議員が辞職して、チュアン首相に解散、総選挙を迫る必要があると説明した。同党の派閥は、チャワリット派が五十五人、サノ元幹事長派が五十人、そして、国家開発党に移籍することを決めた議員が十一人となっている。関係筋によれば、サノ議員は、チャワリット党首の陰謀で幹事長を辞めさせられた経緯があり、また、タイラックタイ党に移籍することが確実視されていることから、今回の呼びかけに応ずるかどうかが注目されている。また、国家開発党に移る十一人は辞職しないとしている。

新しい国会議長
 民主党関係筋によれば、同党は二十六日にも幹部会議を開き、ピチャイ副首相を新しい国会議長兼下院議長に推挙することを決める見通しだ。同筋は、「チュアン党首など党首脳は、このような状況下では、経験豊かなピチャイ氏しかこの要職を務められる人物はいないとの点で一致している」と述べた。なお、ピチャイ氏は、以前から国会議長候補として名前が挙がっていたが、自分は政界を引退するつもりであり、就任要請には応じられないと述べていた。

四度目の投票
 上院議員選挙は、四度目の投票が四県で行われた。今回の選挙では、残りの四人の上院議員を選ぶために行われたが、ウィラワン候補が当選圏内に入ったものとみられる。しかし、選挙を監視しているNGOに寄せられた訴えは、同候補の違反に関するものが最も多かったという。関係筋では、今回の投票でも選挙違反が行われており、第五回目の投票は避けられない見通しだという。


●6月25日(日)

開催・総選挙
 新熱望党は、同党の議員が大挙して辞職することで、チュアン首相に解散、総選挙を迫っているが、連立政権の中核をなす民主党は、現在の政権を維持して、選挙法を改正し、来年度予算案の議会通過を実現する必要があるとしている。国家開発党、チャートタイ党は民主党のこの姿勢を支持している。一方、新熱望党内でもタイラックタイ党への移籍が確実視されているワンナムイェン派、タイラックタイ党、そして、市民団体の「キャンペーン・フォー・ポピュラー・デモクラシー」は、議員の一斉辞職を支持しているという。タイラックタイ党のタクシン党首は、「野党が不在では、汚職を監視する者がいないことになる。チュアン首相は、この点を考慮に入れて、国民がなにをの損いるかを熟考すべきだ」と述べた。

反サマックで共闘
 現在のところバンコクの有権者の間で最も人気があるとされるサマック候補に対抗するため、同行補に投票しないようタワッチャイ候補とスダラット候補が有権者に呼びかけた。スラム住民を集めた政治集会で、民主党が推すタワッチャイ候補は、人気のある候補はスラムにやって来て住民の意見に耳を傾けようとしないと指摘し、このような候補には投票してはいけないと述べた。同候補は、実名を挙げなかったが、サマック候補に言及したものと理解される。また、タイラックタイ党のスダラット候補は、「選挙戦の期間にさえスラムを訪れないような候補が、都知事に当選してからスラムを訪れるはずがない」と指摘して、有権者は賢くなり、政治家の道具になってはならないと強調した。


●6月26日(月)

新党の結成
 新熱望党で幹事長を務めたチャトゥロン議員は、ピチット・バンコク都知事代行などと新しい政党を結成するため、新熱望党を離脱すると発表した。同議員は、経済学者として知られるウィラポン氏を新党の党首として迎えたいとしている。ピチット氏は、都知事としての任期が満了し、来月新しい知事が選ばれるまで代行を務めることになっている。関係筋によれば、新しい政党の名称は「プラチャサンコム(市民社会)」で、チャトゥロン議員が幹事長を務める見通しだ。この動きには、新熱望党幹部のアディソン議員など五人が同調する姿勢を見せている。

新しい警察庁長官
 バンヤット副首相兼内相は、警察委員会と協議した結果、二十七日にも現在警察庁長官代行を務めるポンサク警察大将を新しい警察庁長官に任命するよう閣議に申請する見通しだ。ポンサク大将が昇格により、副長官が一人欠けることになるが、バンヤット副首相によれば、新しい副長官の選出については結論は出ていないという。バンヤット副首相は、「新しい副長官は、ポンサク氏が正式に長官に任命されたあとで、決定されることになろう」と述べた。

一斉辞任に同意
 新熱望党内のワンナムイェン派に所属する議員は、党執行部の決定に従い、一斉に議員辞職することになった。同派の領袖、サノ元新熱望党幹事長は、すでにタイラックタイ党に参入するため、新熱望を離脱しているが、派閥の議員の多くがまだ党内にとどまっている。サノ氏は、「現政権に今後も国政を任せることは国にダメージを与えると考えて、党執行部の決定に従うことにした」と説明した。また、政府首脳のチュリン国務相は、「野党議員の一斉辞任は、国民の代表としての役目を放棄することである。私利私欲のために国の経済、投資環境に悪影響を及ぼす行為だ」と述べて、野党陣営の戦略を避難した。


●6月27日(火)

策略に屈せず
 チュアン首相は、野党議員が一斉に辞職するという新熱望党の策略には屈しないと明言するとともに、野党議員不在の状態で来年度予算を審議し、また、選挙関連法を改正しても、専政にはあたらないと指摘した。一方、最大野党・新熱望党は現在、議員が百十六人だが、このうち何人が二十八日に辞職するか定かではない。同党スポークスマンのクテープ議員は、チャワリット党首に忠誠を誓っている四十九人は辞職するとしている。また、同党幹事長を務めたサノ氏は、同氏が率いるワンナムイェン派の議員四十二人も辞職すると述べた。

新政党への参加
 新熱望党のチャトゥロン元幹事長は、同党を離脱し、ピチット都知事代行などと新しい政党を旗揚げすると明言したが、ピチット氏自身はまだ身の振り方を決めていないようだ。ピチット氏は今月初め、都知事の任期が満了し、現在、新しい知事が選ばれるまでの知事代行を務めている。同氏は、「政治改革については、チャトゥロン氏だけでなく、多くの人と意見を交わした。また、国政レベルの仕事に就きたいとは考えているが、次の総選挙に立候補するかどうかはまだ分からない」と述べた。

議員辞職せず
 野党・社会行動党は、新熱望党の呼びかけには応えず、党所属の議員を辞職させない方針だという。同党の議員は合計十九人で、議員にとどまることは、スウィット党首など同党議員十二人の話し合いで合意された。同党首は、新熱望党の決定に従わない理由については、「下院議員として来年度予算案を審議しなくてはならない」と説明した。

選挙法の改正
 タイ選挙管理委員会のサワット委員は、総選挙実施前に選挙関連法を改正する必要があるとの認識を示した。同委員は、「野党議員の辞職で議員数は減るが、改正が必要である。改正せずに総選挙に突入することになれば、選挙違反が横行し、繰り返し投票を行わなければならなくなる」と指摘した。同委員によれば、先に憲法裁判所は、選管に不良候補の出馬を禁止する権限はないとの判断を下したが、これが選挙違反の増加につながっている。このため、法律を改正して、違反者を厳しく罰する必要があるという。


●6月28日(水)

政府への要求
 野党議員が大量に辞職した通常国会において、野党・社会行動党は、政府に対し、来年度予算案より選挙関連法改正の審議を優先させるよう要求した。同党のスウィット党首は、自分たちの要求が受け入れなれない場合、新熱望党に倣って党所属議員が辞職すると述べた。しかし、同党スポークスマンによれば、十九人の社会行動党議員のうち何人が党首に同調して辞職するか定かではないという。また、下院は、新熱望党議員などの大量辞任により、野党議員は四十五人だけとなっている。その内訳は、社会行動党議員全員、プラチャーコンタイ党議員三人、新熱望党議員二十三人となっている。

薬物の焼却
 当局が証拠物件として押収した大量の薬物が、アユタヤ県のバンパイン工業団地で焼却された。この麻薬焼却は毎年行われているもので、今年はヘロイン、覚醒剤、ケシなど合計一・五トンが焼却された。当局の発表によれば、焼却されたのは、約一・二トンが覚醒剤のメタンフェタミン、二百五十キロがヘロイン、百七キロがケシ、四・六キロが覚醒剤のエクスタシー、三・二キロがコカインなどとなっている。


[BANGKOK SHUHO]