総 合

憲法裁判所
著名政治学者、裁判官を辞任

同僚の適性批判も


 憲法裁判所で裁判官を務めてきた、政治学者のチャイアナン・サムダワニット氏が辞意を表明した。チャイアナン裁判官は、勅令を発布することで政府は通常国会を召集することができるとの判断を示した後で、辞表を提出した。これによりチャイアナン氏は七月一日をもって憲法裁判所裁判官を辞職することになった。同氏は、辞職の理由として、(1)裁判官の何人かがその職にふさわしくないのではないかと考えられること、(2)憲法裁判所に対する世間の風当たりが強くなっていること――などを挙げている。

 憲法裁判所は先に、「中央選挙管理委員会には、特定の人物に対して上院議員選挙への立候補を禁ずる権限はない」との判断を下した。同委員会は、上院選のこれまでの投票で二度にわたり、「当選圏内に入ったものの選挙違反で当選認定を拒否された候補は次の投票で立候補することができない」との見解を示していた。憲法裁判所の判断は、この禁止措置を違憲とするものであり、これにより第四回目の投票日程が延期されることになった。しかしこの憲法裁判所の判断に対しては、「憲法の文言に拘泥して、憲法の精神をないがしろにしている」との強い批判意見が各方面から出ている。

 チャイアナン氏はまた、「この二年間、多数意見、法律、規定を尊重し、憲法裁判所の地位を汚さぬよう努力してきた」と述べて、裁判官として最善を尽くしたと強調した。同氏は、裁判所の審理の内容や判断を事前にマスコミに流すなどのルール違反も犯したことはないと明言した。

 また、同氏の裁判官辞職に関しては、サナン・カチョンプラサート元副首相兼内相の資産隠し疑惑に関する裁判所内の対立が原因だ、と一部で報道されたが、チャイアナン氏はこれを否定している。

 一方、憲法裁判所では裁判官の一人が、この資産隠しに関連してサナン氏から賄賂を受け取ったと疑われており、民主化促進を求める市民団体は、残りの十二人の裁判官に対しても責任をとって辞任するよう求めている。同団体では、「憲法裁判所の裁判官の中には適性に問題のある人物も少なくない」としている。


[BANGKOK SHUHO]