経 済

政府 不動産流動策を承認

回復促進剤として期待高まる


 タリン・ミニマンヘミン蔵相は二十七日、不動産流動化を狙った刺激策が内閣で承認されたと発表した。個人所得税から控除できる住宅ローン金利額の引き上げや、不動産譲渡税(地方税)の引き下げ期間延長のほか、不動産会社へ課される特別事業税の引き下げも盛り込まれ、売り手も考慮した内容となっている。

 同案は三本柱で枠組みされている。第一に、個人所得税から控除できる年間の住宅ローン金利総額を、これまでの最高一万バーツから五万バーツまで引き上げた。第二に、二年間の時限措置として税率を二%から〇・〇一%に減税した不動産譲渡税を、二〇〇一年十二月三十一日まで一年間延長した。そして第三に、不動産会社の総収入に対する特別事業税の税率をこれまでの三・三%から〇・一一%に減税した。

 これに加え、政府は付加価値税(VAT)の税率を六カ月間延長することを発表した。VATは九九年四月から二年間という条件で一〇%から七%に引き下げられたが、その期間が二〇〇一年九月三十日まで伸ばされたのである。所得レベルに関係なく誰もが減税の恩恵を受けられるため、不動産市場の活発化に少なからず影響を与えると見られている。

 しかし減税を実施すれば、歳入減が発生するのは当然である。大蔵省によれば、住宅ローン金利に関する減税で年間五億五千万バーツ、不動産譲渡税の引き下げ延長で十一億バーツ、不動産会社への減税で五十二億バーツの歳入減が予測されているという。タリン蔵相はこれに対し「経済回復が本格化して国民の所得が増加すれば、税収も回復するだろう」と述べた。

 一九九四年以降、バブルの影響で投機的土地投資が活発になったタイの不動産市場は、経済危機を境に急激に落ち込んだ。タイ政府はこれを受け、一九八八年より土地制度のテコ入れを図った。上記した不動産譲渡税の引き下げのほか、外国人による土地所有制限を緩和や地方課税の強化も盛り込まれた。

 その成果は確実に数字となって現れている。土地局の発表によれば、土地売買登録記数は前年より一〇%から一五%増加しているという。回復感を取り戻した不動産業の促進剤として、刺激策がどの程度効果を発揮するか注目されるところだ。



[BANGKOK SHUHO]